フロントガラスにカメレオンフィルム、車検は大丈夫なの?

2019 フロントガラス

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昨今、フロントガラスに七色に見えるカーフィルムを貼っている車を見るようになってきました。スモークフィルムなどはフロントガラスに貼れない…というのがこれまでの定説でしたが、果たして問題はないのでしょうか?

文・山崎 友貴
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施工後の「可視光線透過率」が問題
最近の車にはカーフィルムは貼れない?!

施工後の「可視光線透過率」が問題

最近、街を走っているとたまに見かけるのが、フロントガラスがオーロラのように見えるフィルムを貼った車です。空の色や周囲の景色が妖しく映り、光の光線によってはマジョラーカラーに輝きます。

愛車をミステリアスな雰囲気にできるこのタイプのカーフィルムは、カメレオンフィルムというカテゴリーのアイテムで、様々な商品が販売されています。その中で最もメジャーな商品が「ウルトラビジョン」。

この商品は、IR(赤外線)カットやUV(紫外線)カットの性能もきっちりと備えており、単なるドレスアップアイテムに留まっていません。最近は太陽光線の人体への影響が取り沙汰されているので、こうした対策商品は人気です。今回はこの商品を例にとって、果たして貼り付けが可能なのかを検証してみました。

かつて、反社会組織の車のイメージになった車内が見えないスモークフィルムが、警察などによって厳しく取り締まられたことがあります。これは夜間の視界が十分に確保できないという安全上の理由だけでなく、Nシステムなどにドライバーの顔が写らなくなるという背景もあったようです。

貼り付け後に可視光線透過率が70%以下になるカーフィルムは、フロントウインドウ、運転席&助手席のサイドウインドウに貼ってはいけないという道路運送車両保安基準が定められ、違反している車両には整備命令が出されます。これを改善しない場合は、3か月以下の懲役、または5万円以下の罰金が課せられるのです。

ちなみにウルトラビジョンには4タイプの濃さが用意されていますが、どれも可視光線透過率の数値は70%を越えています。コンプライアンス的には問題はなさそうです。ところが、調べを進めていたところ、思いも寄らない意外な盲点があったのです。

最近の車にはカーフィルムは貼れない?!

都内でカーフィルムの施工を行っている業者に問い合わせたところ、意外なことがわかりました。「実は最近の車には、ウルトラビジョンのようなフィルムを貼ることはできない場合があります」。

なぜなのでしょうか? 「最近の多くの車には、標準でIRとUVカット効果のある機能性ガラスが採用されています。これはガラスとガラスの間に、こうした波長の光線をカットするフィルムが挟まれているのです。こうしたガラスはすでに可視光線透過率が下げられており、保安基準ギリギリの透過率のフィルムを貼った場合、70%以下になることがあるのです」。

もちろんすべての車種でNGということではないですが、フロントウインドウはOKでも、サイドウインドウはNG、ということが少なくないんだとか。また、多くの業者が持っている透過率計測機器で基準数値をクリアしていても、各陸運局にある機器ではNGということも多々あるようです。

そのため、この業者はあまりに透過率がギリギリの車種は、施工を断っているようです。ちなみに、透明の断熱機能フィルムを貼っても透過率がNGになることがあり、必ずしもフィルムに色が付いているからという要因ではなさそうです。
愛車の見た目を華やかにしてくれるカメレオンフィルムですが、高速道路などにあるオレンジ色の照明の中では見え方にムラができるなど、デメリットがないわけではありません。可視光線透過率のことも含めて、貼る場合は業者への相談など十分な検討が必要になりそうです。

商品詳細