なぜフロントと前サイドのスモークフィルムは日本で禁止されているのか?

フロントガラス

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スモークフィルムを貼るとプライバシーの確保、車上荒らし防止、事故時の窓ガラスの飛散防止など利点が多くあります。しかし2017年現在、日本では運転席周りのガラスにスモークフィルムを貼ると不正改造となり、整備命令が出されます。これに従わないと6カ月以下の懲役、または20万円以下の罰金の刑事罰になります。なぜ禁止されているのでしょうか?日本の道交法から考えます。
Chapter
もうすぐ夏、到来!UV&IRカットの準備は?
元凶は「道路運送車両法」第3節195条
スモークフィルムを運転席周りに貼ると、なぜ違反なのか?
①窓ガラスの光の通過率を下回るため
②運転者の視界の確保を妨げるため
UV&IRカット機能付き無色透明フィルムはないのか?
【動画】カーフィルムの貼り方

もうすぐ夏、到来!UV&IRカットの準備は?

GWも終わり、沖縄から徐々に梅雨入りが始まる時期ですね。梅雨の後には、待ちに待った夏が到来!海や山へのドライブが楽しみです。

となると気になるのが、紫外線や赤外線による日焼けです。最近の新型車は、ガラスにUV&IRカット機能を備えていますが、既存のラインナップでは装備されていない車種も多いのです。

そこで登場するのがUV&IRカット機能付きカーフィルムです。さらにスモークフィルムならプライバシーも守れるし、日焼けからガッチリ守ってくれそうなイメージもあります。

これを後部座席周りに貼ることは違法ではありませんが(運転上、安全とも言い切れませんが…)、運転席周りにスモークのUV&IRカット機能付きフィルムを貼ることは禁止です。なぜでしょうか?

元凶は「道路運送車両法」第3節195条

自動車の保守安全を定め、整備不良や不正改造の法的根拠となるのが「道路運送車両法」です。第3条195条において、窓ガラスの「光の通過率」と「視野の確保」について規定されています。

この道路運送車両法上、運転席周りの窓ガラスの光の通過率は最低70%以上と定められています。さらに、運転者の視野を妨げてはならないともされています。ここでいう運転者とは、その車両の運転者のみならず、他の車両の運転者をも意味すると解釈されています。

では、スモークフィルムを運転席周りに貼った場合に違反となる、その理由をみていきましょう。

スモークフィルムを運転席周りに貼ると、なぜ違反なのか?

①窓ガラスの光の通過率を下回るため

自動車で採用されている運転席周りのガラス類の光の通過率は、おおむね80%です。スモークとされる濃色フィルムの光の通過率は30%以下が多いようです。

では、実際に窓ガラスに貼ると光の通過率は何%になるかというと、80% x 30%=24%です。基準の70%をかなり下回り、はれて不正改造認定されてしまうことになります。

②運転者の視界の確保を妨げるため

筆者は以前、愛車の後部座席周りのガラスに、通過率25%のスモークフィルムを貼ったことがあります。車内は意外と明るく、後部座席に乗せた人からも景色が悪いと言われたことはありませんでした。視界は確保できていたようですね。

しかし、車外から見ると真っ黒。もし運転席周りにスモークフィルムを貼ったとしたら、車外からは運転者の様子がわからないでしょう。とはいえ、運転席周りのガラスの先に見えるはずの、道路の様子がわからなくなりそう。これでは他車の運転者の視界を遮ることになり、重大な交通事故にもつながりかねません。

また、日中はまだ外の様子がわかりますが、夜間は如何ともしがたく、自身の視界を妨げることになります。

UV&IRカット機能付き無色透明フィルムはないのか?

道路運送車両法でスモークフィルムを、運転席周りに貼ることは法令違反とわかりましたが、夏に向けてUV&IRカット機能は欲しいですよね。実はカーフィルムの色の濃淡は、UV&IRカット性能との関連性は全くないので、スモークを諦めたら何か手段があるかもしれません。

そこで調べてみると、なんと同法第1節第39条で「視界を遮らず、光の通過率70%が確保できるカーフィルムを貼ること」を違反規定から除外しています。そこで法令を遵守できるUV&IRカット機能付きカーフィルムを探してみたら…ありました!

3Mの「ピュアカット 89 PLUS」です。UVカット率99%以上、IRカット率76%以上(波長域によっては95%カット)でありながら、光の通過率は87%です。これなら光の通過率80%の窓ガラスに貼っても、69.6%の透過率が確保できます!って、少し足りないですね…貼り付け前に販売店や車検場で、ご意見を伺ってからのほうが無難そうです。

【動画】カーフィルムの貼り方

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