空飛ぶレンガと呼ばれたボルボ…その思想は新型S90でも健在なのか? 

ボルボ S90 2017

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北欧のボルボ、と聞いてまず連想するのは"頑丈で安全"、そして”角ばっている"というイメージかもしれません。そのスタイルからは、かつては「空飛ぶレンガ」と称されたこともありました。その思想は、最新のS90でも健在なのでしょうか。
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「空飛ぶレンガ」と呼ばれたボルボ
新型S90でも「空飛ぶレンガ」で魅せた技術は健在か!?
ボルボらしさは健在だった!徹底した安全性能

「空飛ぶレンガ」と呼ばれたボルボ

ボルボは80年代、欧州ツーリングカーレース選手権(ETC)に240ターボを投入し、1985年、1986年には2年連続でETCチャンピオンに輝いたこともありました。日本では、ボルボとレースはなかなか結びつかないかもしれませんが、紛れもない事実なのです。

当時参戦していた240ターボは、じつに往年のボルボらしいスクエアなデザインから「Flying Brick(空飛ぶレンガ)」という愛称も授かっていました。

見かけによらず速いという皮肉が込められていたかもしれませんが、"レンガ"という形容も、頑強なボルボという意味合いが入っていたのだと考えられますね。

新型S90でも「空飛ぶレンガ」で魅せた技術は健在か!?

さて、日本にも上陸した新型S90。フラッグシップセダンとして話題を集めているニューモデルであり、同じ欧州の高級ブランド勢、ドイツ御三家とも十分に渡り合える洗練されたデザインも魅力の1台といえます。

このS90は、レンガというよりは、削り磨かれた宝石というべき妖艶さも備えられている…というのは褒めすぎでしょうか。いずれにせよ、かつてのスクエアなシェイプから現代的なデザインが与えられています。

しかし、"安全”という意味では、レンガの延長線上で進化を果たしています。

「世界最高水準のボディ構造」とメーカーも謳っている新型S90のボディパネルには、強度を高めながら軽量化を図ることのできるウルトラ高張力鋼(ボロンスチール)を多用、さらに多重層構造や圧延技術といった先端技術を駆使し、ボルボ史上最も安全なボディ構造になっているということです。

また、先進の電子デバイスなどを採用し、世界初の安全装備を多数装備したのも新型S90の大きなポイントです。


ボルボらしさは健在だった!徹底した安全性能

S90には、Intelli Safe(インテリセーフ)と名付けられた安全装備を搭載。4つの世界初の技術を含む、15種類以上の安全技術を標準装備としています。

先進のミリ波レーダーとデジタルカメラを利用し危険を検知し、ドライバーに警告、衝突の危険があればオートブレーキを作動、衝突を未然に防ぐ、あるいは軽減させるといった現代の運転支援テクノロジーが満載なのです。

自動ブレーキ、レーンキープ機能、前車追従機能(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など、現在多くのモデルが導入している機能はもちろん、それ以外に世界初の技術・機能が搭載されているので紹介しましょう。

・大型動物検知機能(夜間含む)
北欧のボルボは、以前からヘラジカなどと衝突した際の安全性を意識した車両開発を行ってきましたが、近年ではそれ以前の衝突防止機能を装備しています。この大型動物検知機能は、走行中の車線に近づいている大型動物をレーダーが検知すると、ドライバーに警告しドライバーがブレーキをかけない場合はオートブレーキを作動させ、車速を最大15km/h減速させるものです。

・インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)
交差点内で右折する際、対向車の動向を監視し、衝突の危険を検知するとオートブレーキを作動させて衝突を回避あるいは衝撃を軽減します。

・ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避支援システム)
カメラセンサーにより道路から逸脱する危険を検知すると、ステアリング操作およびブレーキ動作をアシストし、道路逸脱回避をサポートします。

・ランオフロード・プロテクション(道路逸脱事故時保護システム)
衝突や事故が発生する前に電動プリクラッシュテンショナー付フロントシートベルトが、乗員をシートの安全な位置に固定。
道路からの逸脱が避けられない場合は、、衝撃吸収機能付フロントシートが道路逸脱時にシートに垂直に加わる衝撃を軽減します。同時にシートベルトプリテンショナー、エアバッグ、衝突時ブレーキペダルリリース機能など、さまざまなシステムが連携して乗員を保護するよう最適な動作を行い、負傷リスクを低減します。

大型動物検知機能には、サイクリストを検知する機能も搭載されており、欧州ならでは文化が垣間見えるのも非常に興味深いところではないでしょうか。

またインシデント対策、アクシデント対策といったものがしっかり用意されているのも、さすがボルボといったところ。

限界まで危機回避をし、最悪のアクシデント発生でも乗員の被害を最小限に収める工夫がなされているところなどは、長年にわたって安全性追求を行ってきたボルボの衝突安全技術に敬意を感じるところです。

かつて「空飛ぶレンガ」と呼ばれた頑強な角ばった車は、コンピュータと先進技術によってより安全な精密機器に進化したといえるかもしれません。しかしその基本コンセプトはなんら変わることなく、最高の安全性をユーザーに届けているのですね。


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