大型車には採用車が少ないアルミホイール…大型車に装着するメリットと注意点は?

大型トラック、あるいはバス、といった車両のホイールはアルミホイールよりも鉄製のホイールを装着しているものが多いと感じます。この理由とはいったいどういう点からなるのでしょうか?
大型車両にアルミホイール装着が少ない理由
トラックであったりバスであったりと、基本的に業務用・事業用として使用されているケースが多いのが大型車。クルマは「個人の資産」としての側面もありますし、カスタマイズなどに「投資」するのも自身の資産であるからにほかなりません。
事業者が所有し、業務に運用するのであれば、やはり「コスト意識」という事が出てきます。ですからオプション装備、あるいはアフターマーケットパーツといった追加コストの出るものは避ける為、という事が一般的にはいえるでしょう。
しかし「アルコア社」のように大型車両用のアルミホイールを製造しているメーカーもありますし、そのニーズもあるといえそうです。
鉄かアルミか
ホイールにアルミを使う最大のメリットは、「バネ下」重量の軽量化、といえます。一般的にバネ下重量の1kgの軽量化は、4倍~15倍の効果が得られるとも言われています。その結果、路面追従性が向上することや、ハンドリングが軽快になる、という利点が生まれます。
また鉄よりも腐食しにくい事、熱伝導性が良く熱容量が大きいため、ブレーキの排熱(放熱)に優れているというメリットもありますね。もちろん、「ファッション性」という部分もあろうと思います。
一方で、アルミは鉄よりも比強度が小さく金属疲労の特性も異なる為、鋳造アルミホイールは、強度に相当余裕をもたせた設計としなければなりません。大型車用であればなおの事。ですから、物によっては重量による利点は小さいケースがあります(純正オプションのアルミホイールなどの場合は、安全マージンを大きく取るために鉄ホイールより重い例もあるようです)。
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