ボンネットに穴があいている車…これ何の意味があるの?

日産 GT-R

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国産車/輸入車問わず、走行性能を売りにしているようなスポーティなモデルには、ボンネットに穴があけられていることがあります。

スポーツカーへの関心が薄い方は、この個性的に穴にどんな意味があるのか分からないのではないでしょうか。

そこでこのボンネットの穴にはどんな効果があるのか解説いたします。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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エンジンルームを冷やすための穴

エンジンルームを冷やすための穴

車のボンネットに空いている穴は、ボンネットダクトと呼ばれるものです。

ボンネットダクトが空けられている理由は、エンジンルームの冷却性能を向上させる狙いがあるとされます。

ただし、ボンネットダクトは1種類ではなく、冷えた外気をエンジンルームに取り込むためのエアインテークと、外気を取り込むのではなくエンジンルームの外気を外に放出するためのエアアウトレットの2種類に大別されます。
現在新車で販売されているモデルで、エアインテークをボンネットに備える代表的な車が、スバルの「レヴォーグ」と「WRX」でしょう。

これらスバルの2車種は、インタークーラーターボをダクトのほぼ直下に搭載しています。そのため、エンジンの吸気温を下げて充填効率を高めるために外気を取り入れて冷やすことが目的です。
その他、日産「GT-R」のボンネットには、NASAの前身であるアメリカ航空諮問委員会(NACA)が開発したという形状をしたNACAダクトと呼ばれるエアインテークを備えています。
一方、熱気を逃がすためのエアアウトレットを採用していた代表的なモデルが、2015年に販売された特別仕様車「ファイナルエディション」の1000台完売をもって製造・販売が終了した三菱「ランサーエボリューション」でしょう。

エンジンルームは、ラジエーターを通った熱やタービンの発熱によって非常に高温になります。このことから、エアアウトレットはこれらの熱を効率的に排出し、ラジエーターの水温上昇を低減したり、パワーダウンを抑えることが可能なのです。

ボンネットに開けられた穴は、単なる飾りやデザインではありません。それぞれに、計算された役割や目的があるのです。
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