「軽いはえらい!」車重が100kg違うとどれほど変わるのか?

ポルシェ ブレイデッドカーボンホイール

車重は、車の性能を左右します。軽ければ軽いほど多くのメリットがあるといわれていますが、具体的にはどのようなメリットがあり、運転していて実際に体感できるものなのでしょうか。

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車重は車の運動性能に大きな影響を及ぼす

車重は車の運動性能に大きな影響を及ぼす

車は、軽ければ軽いほど多くのメリットがあります。

まず、車重が軽いことによって、パワーウエイトレシオが上昇することが挙げられるでしょう。パワーウエイトレシオとは、車の加速性能を示す目安の数値で、車の重量に対して馬力の大きさを示すものです。

車の車重をエンジンの最高出力で割った値で求めることができ、車重1,000kgの車に100馬力のエンジンが搭載されていたら、パワーウェイトレシオは10kg/馬力となります。

そのため、車重を変えないまま馬力を200馬力にアップすると、パワーウエイトレシオは5kg/馬力となり、また同じ馬力のまま車重を1,500kgに増やせば、値は15kg/馬力となります。

つまり、パワーウェイトレシオは、同じ出力のエンジンであれば車重が軽ければ軽くなるほど数値が小さくなり、1馬力当たりの負担重量が軽くなることで加速性能に優れているといえるのです。

例えば、モータースポーツの最高峰であるF1に用いられるようなマシンは、車両重量650kgに対して、最高1,000馬力のエンジンをつんでいます。

このことから、F1マシンのパワーウエイトレシオは0.65kg/馬力となり、1kgを下まわっていることがわかります。

1マシンと同じ車重650kgのダイハツ ミライースは、最高出力は49馬力です。この数値からパワーウエイトレシオを計算すると、およそ13kg/馬力となります。つまり、F1マシンはミライースの20倍の加速性能を持っていることがわかるのです。

また、車重が軽くなることで、燃費性能の向上も期待できます。


一般的に車はその構造上、コンパクトになるほど車重は軽くなる傾向にあります。ボディの大きさは空気抵抗にも関係しているため、軽量で小さな車であるほど燃費が高くなる傾向にあるのです。

一方で、車重の軽さにはデメリットも存在しており、走行安定性が低減されることやコーナリング時に外側タイヤの接地性が下がってしまう、車内でノイズが聞こえやすいといった弱点も存在しています。

ただし、F1マシンとミライースで比較したような例でなければ、車重100kgの違いを一般的に市販されている車両で、走行性能の面から軽さのメリットを実感するのは困難であるといえます。

ですが、燃費性能は比較的分かりやすいとされ、例えば100kgの不要な荷物を載せて走ると、およそ3%程度燃費が悪化するといわれています。

昨今では、車を製造するための技術や素材も進歩しており、高張力鋼板や超ハイテン鋼なども登場しています。

各自動車メーカーは、車の軽量化に関する研究を常に行っています。近い将来、デメリットを全て克服した軽い車が登場する可能性も、十分あるといえるでしょう。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道