スバル XVを試乗レビュー!これは国内最強のコンパクトSUVだ

スバル XV Advance

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話題のe-BOXERを搭載したスバルのコンパクトSUV、XV Advance。SUVながらスマートなボディデザインと、親しみやすいボディカラーで人気の1台だ。そんなXV Advanceを使って、1泊2日のドライブに向かった先は、福島県の裏磐梯にあるグランデコスノーリゾート。雪、アイスバーン、ドライ、ウェット、高速と、さまざまな路面状況のなか、往復約700kmの行程をものともせずに走り抜けたXV Advanceは、最強の相棒たりえるクルマだった。
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XV アドバンスのスペック表

XV アドバンスのスペック表

XV 2.0 アドバンス 4WD
新車価格 2,959,000円
中古車価格 39.2〜286万円
ボディタイプ SUV/クロカン
全高 1,575mm
全幅 1,800mm
全長 4,485mm
燃費 15km/L
燃料 無鉛
車両重量 1,550kg
ドア数 5ドア
乗車定員 5名
排気量 1,995cc
駆動方式 4X4
トランスミッション マニュアルモード付CVT
ハンドル
最小回転半径 5,400mm
前輪サイズ 225/55R10
後輪サイズ 225/55R10

ローバー ミニ、プジョー306、アルファ・ロメオ156、メルセデス・ベンツCステーションワゴンと乗り継いできた筆者だが、スバルは昔から好きなメーカーのひとつ。

とくにストレス無い回転上昇が素敵な水平対向エンジンと、つねにクルマに安定感をもたらすフルタイム4WDシステムの組み合わせは、国内でのライバルは皆無、世界的にみてもポルシェ 911 カレラ4ぐらいか。それほど、こだわって設計されたスバル車は、ドライバーのステアリング操作に対して素直に動くという特性も併せ持ち、スバリストと呼ばれるファンを生み出している。

e-BOXER以前のスバルの欠点をあえてあげるとすれば、水平対向ゆえの低回転域でのトルクの薄さと、水平対向エンジン+フルタイム4WDをデフォルトとすることによる車両価格の高さの2つ。
とはいえ、いまやアイサイトとフルタイム4WDの組み合わせは、荒れた気象条件下でもクルマの安全性は高く、くわえてドライバーの疲労も抑えられるというおおきなメリットをスバルにもたらしている。

そんなスバルを借り出して、今回は雪山に向かうことにした。車種は、レヴォーグとともにスバルの国内販売を牽引するコンパクトSUVの”XV Advance(アドバンス)”。

2.0L直噴エンジンにモーターをプラスしたe-BOXERにCVTのリニアトロニックが組み合わされた最新パワートレインに、ボディにはバンパーガード、室内にはシートヒーターやパワーシートを備えた最上級グレードである。
キーを受け取り走り出すと、早速、電動モーターの恩恵を感じる。ちょっと踏み込むだけで結構な加速をするのだ。モーターアシストのおかげで、走り出しでトルクの細さを感じることはない。

首都高速の流れのなかでも、要所要所でモーターアシストが働き、ひとクラス上の排気量といっても通用するだろうなと思えるトルク感で、流れに乗って走ることができる。

東北自動車道でクルマが空いてきたら、速度(アクセル、ブレーキ)、ステアリング操作を自動で行ってくれるツーリングサポートの出番だ。ステアリングのスイッチで、速度を100km/hにセットしてステアリングに手を添えておけば、あとは目的地までアイサイトの2つの目と各センサーが、運転をサポートしてくれる。ドライバーは前方に注意を払っておけばいい。

磐越自動車道の猪苗代磐梯高原ICで降りるまで、行程の9割以上をツーリングサポートに頼ったドライブは、約300kmの道のりが軽く感じられるほど。まだまだ足を伸ばせそうだった。
猪苗代磐梯高原ICから目的地、裏磐梯のグランデコスノーリゾートまで向かう山道は、ドライから圧雪へと変わり、ひさしぶりの雪道に緊張する私。

しかし、前後輪に最適なトルク配分を行なうアクティブトルクスプリットAWDを備えたVXは、なにかが起こる気配すらみせない。裏側ではアクティブトルクベクタリングが働いているはずだが、その存在をドライバーに知らせることなく、上手に運転をサポートしてくれるから、うっかりするとドライ路面のようなペースになっている。それほど雪道での安定感、安心感はバツグンだった。

これは、当日、装着されていたヨコハマタイヤのSUV用スタッドレスタイヤ“アイスガード SUV G075”によるところもおおきかったはずだ。SUV用に開発されたアイスガード SUV G075は、高速道路でも、ふらつきやよれを感じることもなく、さらに低ノイズ、乗り心地も良好と、とても好印象だったことも付け加えておきたい。
さてグランデコスノーリゾートの駐車場のそれほど圧雪されていない場所をお借りして、XVに備わったXモードを試してみる。

Xモードには、おもに滑りやすい路面で活躍する“SNOW・DIRT”と、タイヤが埋まってしまうような条件で活躍する“DEEP SNOW・MUD”があり、ここでは“DEEP SNOW・MUD”をチョイス。

アクセルを開けると、雪にはまり込んだはずのXVは、何事もなく脱出してしまった。まるで私の運転が上達したかのようだが、実際にはXVがアクセルの開度から4輪のトルク配分まですべてやってくれているという具合だ。

ちなみにXモードは、アクセル開度が大きくなり車速が乗ってくると自動的にS/Iモードに戻っている。昔の4WDのようにトランスファーの戻し忘れの心配などなく、気軽にモードを切り替えて安全に走行できる。
翌朝は、深夜から降り積もった雪で、市街地でも路面のところどころにアイスバーンが見えるという悪条件。だが、Xモードの“SNOW・DIRT”をチョイスしていれば、雪慣れした地元のドライバーと遜色なく走ることが可能。まったく頼りになる相棒である。

2日目の撮影を終え、東京に戻ったXVの燃費は、12.9km/Lをマーク。カタログに記載されたWLTCモード総合燃費は15.0km/Lだが、撮影とテストのための激しい走りをしたことと、スタッドレスタイヤを装着していたことを考慮すれば、上々の燃費といえるだろう。

くわえて雪道での安心感と安定感は、コンパクトSUVのライバルは三菱のエクリプスクロスぐらい。そんな休日のアウトドアレジャーから、日常の買い物までマルチに使えるXVは、ライバルに比べるとちょい高額だけど、そんなネガティブな要素を差し引いても売れる理由がたくさんある。

正直、295.9万円(XV Advance)という新車価格は、私がスバルの隠れファンということを差し引いても、バーゲンプライスだと思うのだ。

商品詳細