知ってた?ガソリンスタンドの床が傾いているワケとは

ガソリンスタンド

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ガソリンスタンドの床が傾いていることをご存じでしょうか。

給油のために立ち寄ったことはあっても、傾いていることにすぐ気が付く人はほとんどいないはずです。

なぜ、ガソリンスタンドの床は傾いているのでしょうか。これには、危険物を扱う場所ならではの理由があるようです。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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床の傾斜には消防法が関係してた!

床の傾斜には消防法が関係してた!

ガソリンスタンドの床には傾斜が付けられています。これはガソリンスタンドの規模や運営会社に関わらず、消防法で定められているためです。

消防法の危険物の規制に関する規則を定めた第28条の57において、「建築物の一般取扱所の用に供する部分の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜を付け、かつ、貯留設備及び当該床の周囲に排水溝を設けること」としています。さらに、第24条の17でも危険物の滞留と流出を防止する措置を明記しています。

この傾斜は、ガソリンスタンドの安全性を高める非常に重要な設備です。危険物が漏れた場合に、ガソリンスタンドの敷地内に危険物が滞留しないようにする他、外周に設置した排水溝にガソリン等が流れ出るようになっています。

排水溝に貯められた危険物は、火災を予防する上で安全な場所に設置された貯留設備に収容されるのです。
また、床面の勾配は敷地条件・周辺環境・設備配置など、さまざまな影響を受けるため、ガソリンスタンドによって異なりますが、各社とも基本的には同じ構造が採用されています。

一般的なガソリンスタンドでは1/100~1/60(1/100であれば、1メートルに対し1センチ下がる)が目安とされているようで、給油スペースの周辺が最も大きな勾配が付けられていることがほとんどです。

なお、ガソリンスタンドにガソリンを運んでくるタンクローリーの荷下ろし場は、タンク内にガソリンが残らないようにするため、他の場所と比較して勾配が緩くなっている場合もあるようです。
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