【プロ解説】ミニクロスオーバーをモデルチェンジ情報とともに徹底解説

ミニクロスオーバージョンクーパーワークス

初代そして現行モデルともに、小規模な変更があまり行われないのがミニクロスオーバーの特徴です。

その間に充実した装備が魅力の特別仕様車が多く販売されています。

現行モデルで2020年に行われたマイナーチェンジでは内外装のデザイン変更がメインで、運転支援システムも大きなアップデートは行われませんでした。

注目は2021年に追加されたエントリーグレードのバッキンガム。

車両本体価格は400万円以下ながら、運転支援システムが標準装備となるなど注目のグレードです。

そんなミニクロスオーバーを歴史を振り返りながら紹介します。

文・写真/萩原 文博

Chapter
初代モデル
2代目モデル

初代モデル

旧型の初代ミニクロスオーバーは2011年1月に日本市場に導入されました。

当時、ミニブランドとして初めて4枚ドアを採用しているだけでなく、初めて四輪駆動車を設定した全く新しいコンセプトのモデルとなっています。

ハッチバック、コンバーチブル、クラブマンに続く4番目のモデルとしてミニファミリーに加わったクロスオーバーは、最も大きなボディを持ち、室内空間をさまざまな用途に活用できる自由度に優れたモデルです。

シートポジションがハッチバックモデルよりも高い位置に設定されているため、視認性が向上し、見切りが良くなる為、走行上の安心感も向上しています。

さらに、ミニとして初めて四輪駆動システム「MINI ALL4」を搭載したモデルが選択可能で、あらゆる条件下にてエキサイティングな走りを求めるドライバーにとって、魅力的なモデルとなっています。

クロスオーバーの外観デザインは、ミニの典型的なデザインを受け継ぎながら、自らの持つ独自のキャラクターを目に見える形として表現しています。

六角形のラジエターグリル、エンジンフードの左右に配置された大きなヘッドライト、サイドターンインジケーター周り、大きく膨らんだホイールアーチなど、ミニのデザインのアイコンは残しています。

加えてこれまでよりもウィンドウを大きく設計し、4 枚のドアを備え、さらにルーフを独特の形状にデザインしたことによって、室内がさらに広くなっています。

また、ボディ下部を取り囲むワイドなフレームと、パワフルに張り出したホイールアーチによって、このモデルの強靭なキャラクターと四輪駆動システムの存在を色濃く表現しています。

インテリアは、独立した4つのシートが標準装備され、オプションとして後席3人掛けのベンチシートが用意されています。

フットスペース、ヘッドクリアランス、ショルダースペースを広く確保した設計した室内は、長距離ドライブでも快適に過ごすことができます。

さらにリアシートは、それぞれ前後位置とバックレストの角度を個別に調節することができます。

グレード構成は1.6L直列4気筒DOHCエンジンを搭載したワンとクーパー。

そしてパワフルな1.6L直列4気筒ターボエンジンを搭載したクーパーSと4WD車のクーパーS ALL4の4グレードを設定。

トランスミッションはそれぞれ6速MTと6速ATを用意しています。

搭載されているエンジンは、燃費やCO2排出量を抑えながらも、走行性能を高めようとする、ミニマリズムのコンセプトを具現化した技術を搭載。

またBMWグループのバルブトロニックは全モデルに搭載されています。

さらにツインスクロール・ターボを搭載したクーパーSおよびクーパーS ALL4には直噴技術が採用され、効率性とさらに高い走行性能を実現しています。

2013年9月には、クーパーSのみに設定されていた4WDモデルをクーパーにも拡大。

トランスミッションは6速MTと6速ATを設定しています。

ファイナル・ドライブに直接取り付けられた電子制御油圧式ディファレンシャルにより、前後アクスルの駆動力配分を無段階に制御し、走行状況に応じて前: 100%、後: 0%の状態から、前: 0%、後:100%の状態まで駆動力を配分することが可能です。

様々な状況でMINI 特有の俊敏なハンドリングと、エキサイティングな走行性能を愉しむことが可能となっています。

2014年9月にミニクロスオーバーはマイナーチェンジを行い、内外装の変更に加えてクリーンディーゼルターボ搭載モデルを導入しました。

外観デザインは、フロントデザインにおいては丸型ヘッドライト、6角形のラジエーターグリルといったミニ固有のデザインアイコンを継承しながら、ボリューム感があり、力強さを感じさせるものとしました。

さらに今回ラジエーターグリルのデザインを刷新し、グレードそれぞれのキャラクターの違いを表現しつつ、オフロードモデルらしく精悍なデザインとしています。

また、新装備としてLEDフロントフォグランプを採用しました。

4輪駆動モデルであるクーパーD ALL4においては、フロント、リア、サイドにアンダーガードをイメージしたフィニッシャーを装着し、より力強く洗練されたスタイリングを演出しています。

このフィニッシャーは2輪駆動モデルにおいても選択可能です。

インテリアにおいては、伝統の丸型をモチーフとしたデザインを基調としつつ、センターメーターの文字盤を白から黒系のアンスラサイトに変更することにより、インテリアの雰囲気を引き締めています。

また、インテリアサーフェスの範囲を拡大させ、インストルメントパネルにもフィニッシャーを装備する事により、上質な室内空間を表現しています。

新たに搭載された2L直列4気筒ディーゼルエンジンは、コモンレール・ダイレクト・インジェクション・システム、可変ジオメトリー・ターボチャージャー等の採用により、優れたレスポンスと低回転からの強力なトルク、低燃費が特徴です。

このディーゼルエンジンは2つの仕様があり、クーパーDには、最高出力112ps、そしてクーパーSDは最高出力143psとなります。

従来のガソリンエンジン搭載車より約16~19&燃費性能が向上しています。

組み合わされるトランスミッションは6速ATのみですが、DPF(粒子状物質除去フィルター)、NOX吸蔵還元触媒等を採用することでポスト新長期規制をクリアし、エコカー減税の対象となっています。

2代目モデル

2代目となる現行型ミニクロスオーバーは2017年3月に日本市場に導入されました。

今回フルモデルチェンジを行い、デザインの刷新、質感をいっそう向上させた素材の採用、このセグメントに相応しい室内空間の拡大、機能性の向上により、ミニ初のプレミアム・コンパクトSAVとして生まれ変わっています。

外観デザインは、ミニらしいデザイン要素を採用しつつ、特徴的なショルダーラインのデザインやヘッドライトのスクエアなデザイン等により、力強さを表現しています。

先代モデルと比べ、全長を195mm、全幅を30mm、全高を45mm拡大したボディサイズにより、SAVらしい迫力を纏っているのが特徴です。

インテリア・デザインにおいては、ミニらしい円形デザインをモチーフとして採用しながら、クローム仕上げをふんだんに取り入れ、いっそう上質な空間に仕上げています。

さらに、ステッチなどの細部のデザインにもこだわったレザー・シートや、メモリー機能付き電動フロント・シートの採用により、プレミアム・コンパクトSAVに相応しいインテリアとしています。

グレード構成は2L直4気筒ディーゼルターボエンジン+8速ATを搭載したクーパーD、クーパーD ALL4、クーパーSD ALL4に加えて、最高出力136ps、最大トルク220Nmを発揮する1.5L直列3気筒ガソリンターボエンジンに、最大出力88ps、最大トルク165Nmの電気モーターが組み合わされたプラグインハイブリッドシステムを搭載したクーパーS E ALL4を設定しました。

このPHEVシステムは、最高時速125km、最長距離約40kmを、CO2を全く排出しない電気モーターのみによって走行することが可能で、200V電源にて、空の状態から約3時間での満充電が可能となっています。

安全装備では、運転支援システムとなるアクティブ・クルーズ・コントロール、前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキを標準装備し、さらに、先進の安全装備品となるヘッドアップ・ディスプレイやパーキング・アシストをオプション設定しています。

2017年10月にはミニクロスオーバーのエントリーモデルとなる、ワンを追加。

最高出力102ps、最大トルク180Nmを発生する1.5L直列3気筒ガソリンターボエンジン+6速ATというパワートレインを搭載。

ナビゲーションシステムやMINIコネクテッドを標準装備しています。

2019年9月には、LEDフロントフォグランプやリア・パークディスタンス・コントロール、MINIドライビング・モードを標準装備としました。

そして10月には、本格的なサーキット走行を可能とする新装備を採用した最上級モデルのジョン・クーパー・ワークスを追加。

最高出力306ps、最大トルク450Nmを発生する2L直列4気筒ガソリンターボエンジン+8速ATというパワートレインを搭載。

さらに、フロント・アクセルに機械式ディファレンシャル・ロックを採用し、過酷なサーキット環境下においてもミニらしいゴーカート・フィーリングを実現します。

2020年9月にミニクロスオーバーはマイナーチェンジを行います。

フロントおよびリアバンパーのデザインを刷新し、サイドのエアインテークを大きく直立させて強調することにより、より力強く、よりダイナミックな印象を与えています。

標準装備となったLEDヘッドライトの形状を従来の丸型からすっきりとした角型に変更することで、前方を鋭く見開き、力強い印象を与えています。

リアのLEDコンビネーションライトは、他のモデル同様に、ユニオンジャックのモチーフとしたデザインに刷新し、英国生まれのミニらしさを際立たせるデザインとなっています。

インテリアは、シフト・バイ・ワイヤ機構を取り入れた電子制御式8速ATを標準装備すると共に、視認性に優れ様々な情報を表示可能なマルチディスプレイメーターパネルの採用により、インテリアの印象も一新しています。

センターディスプレイは、従来のタッチ操作可能に加え、操作ボタンをフラットにすることで、シンプルかつモダンなデザインへ変更されました。

安全装備は、運転支援システムであるストップ&ゴー機能付きのアクティブ・クルーズ・コントロール、前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキ、LEDフロントフォグランプを標準装備さらに、コーナリング・ライト付きLEDヘッドライトおよびLEDデイライトリングが全モデル標準装備となり、視認性を向上させています。

2021年5月には、エントリーモデルのバッキンガムを追加しました。

最高出力102ps、最大トルク190Nmを発生する高効率な1.5L直列3気筒ガソリンターボエンジンを搭載。

エントリーモデルながら、人気の高い新型マルチディスプレイメーターパネル、ドライビングアシスト、リアビューカメラ、パーキング・アシスト等を標準装備しています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博