【プロ解説】ミニクロスオーバーのエンジンやミッション、パワートレーン等のスペックを徹底解説!!

ミニクロスオーバーには、2種類のガソリンエンジン、ガソリンエンジンのプラグインハイブリッドシステムを搭載したPHEVそして、最高出力が2つの仕様があるディーゼルエンジンの4種類のパワートレインが用意されています。

まずは、エントリーグレードと呼ばれるバッキンガムに搭載されている1.5L直列3気筒ターボエンジンから紹介しましょう。

B38A15A型という1.5L直列3気筒ガソリンターボエンジンは、最高出力102ps、最大トルク190Nmを発生します。

また、燃費性能はWLTCモードで13.7km/Lとなっています。

この1.5L直列３気筒ガソリンターボエンジンは、高効率が特徴で、以前設定されていた同じ1.5L直列3気筒ガソリンエンジンと比べると、最高出力は同じですが、最大トルクは10Nm向上しています。

続いて紹介するガソリンエンジンは、最上級モデルのジョン・クーパー・ワークスに搭載されているB48A20E型の2L直列４気筒ガソリンターボエンジンです。

最高出力306ps、最大トルク450Nmを発生とシリーズの中で最もパワフルなエンジンとなっています。

燃費性能はWLTCモードで11.3km/Lとなっています。

この2Lエンジンは、強化クランクシャフトをはじめ、専用ピストン、ターボ・チャージャーなどハード面を新しく設計したMINIツインパワー・ガソリンエンジンとなっています。

その結果、先代モデルより最高出力は75ps、最大トルクは100Nmそれぞれ向上。

最高速度は250km/hを達成し、0-100km/h加速は約5.1秒という高いパフォーマンスを発揮しています。

続いては、クーパーDとクーパーD ALL4に搭載されているB47C20B型2L直列４気筒ディーゼルターボエンジンです。

クーパーDとクーパーD ALL4の最高出力は150ps、最大トルク350Nmで、燃費性能はWLTCモードでクーパーDが16.9m/L、クーパーD ALL4は16.1m/Lを実現しています。

そして、クーパーSD ALL4は同じ2L直列４気筒ディーゼルターボエンジンですが、最高出力190ps、最大トルク400Nmとパワーが向上しています。

しかし、燃費性能はWLTCモードで15.7km/Lとあまり変わらないのが特徴です。

次世代自動車のパワートレインを採用することで、高効率なディーゼルエンジンを搭載し、燃費性能が約37％向上そして、ポスト新長期規制をクリアした「クリーン・ディーゼル自動車」としてエコカー減税対象モデルとなっています。

そして、クーパーS E ALL4には、最高出力136ps、最大トルク220Nmを発生するB38A15A型1.5L直列３気筒ガソリンターボエンジンに最高出力88ps、最大トルク165Nmを発生するP160型の電気モーターが組み合わされたPHEVシステムを搭載。

電気モーターを駆動する電池容量7.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、家庭用200V電源で空の状態から約3時間で満受電となります。このPHEVシステムは最高時速125km、モーター走行による最長距離は約40kmとなっています。

ミニクロスーバーは搭載するパワートレインによって組み合わされるトランスミッションは異なります。

1.5L直列3気筒ガソリンターボエンジンを搭載したバッキンガムは素早いシフトチェンジが可能な7速DCT(デュアルクラッチミッション)を採用。

2L直列４気筒ディーゼルターボエンジンを搭載したクーパーD、クーパーD ALL4、クーパーSD ALL4には8速AT。

PHEVのクーパーS E ALL4は6速AT。

そして、最高出力306psを発生する2L直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載するジョン・クーパー・ワークスは８速ATが組み合わされています。

ミニクロスオーバーの駆動方式はFFとALL 4と呼ばれる4WDを採用しています。

この4WDシステムは、リアディファレンシャル前に湿式多板電磁クラッチを採用し、路面状態や走行状況に応じて前後の駆動力配分をフロント100：リア０からフロント0：リア100まで電子制御で無段階に制御します。

乾いた路面の直線走行時などは、燃費効率を良くするために、駆動力は100％フロントタイヤに配分されます。

そして雨など濡れた路面のコーナリングでは、駆動力の一部をリアタイヤに分配。

これによりコーナリング時グリップ力が最適に保たれます。

またダートなど凹凸のある路面では、最適な駆動力をフロントとリアへ配分することで、タイヤの空転を軽減し、バランス良く駆動力を発生します。

このように路面状況応じて、四輪に最適な駆動力配分を行うことで、安定した走行性能を発揮します。

現行型ミニクロスオーバーは2017年に登場した際はディーゼルエンジンとプラグインハイブリッドという2種類のパワートレインが搭載されていました。

その後1.5L直列3気筒エンジン、2L直4ガソリンエンジンが追加されました。

2020年のマイナーチェンジで1.5Lエンジンは姿を消しますが、2021年5月にエントリーモデルのバッキンガムに高効率な1.5 Lエンジンが復活しました。

これにより、ミニファミリーの中で最も多彩なパワートレインを用意しています。