日産 セレナ(C27型)とライバルのトヨタ ヴォクシーを比較してみた【プロ徹底解説】

日産 セレナ e-POWER ハイウェイスターV(C27)

さまざまなカテゴリーのなかでも車種間で熾烈な販売競争を繰り広げているのが、日産 セレナの属する2リッタークラスです。

ファミリーカーの第1候補として挙げられることが多く、各車ともに安定した販売台数を記録しています。

そのなかで、セレナのライバルとなる国産車といえば、トヨタのミニバン3兄弟です。そのなかから、ここではヴォクシーをピックアップしてみました。

文・写真/萩原 文博

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2Lミニバンクラスでしのぎを削るトヨタ ヴォクシー
セレナとヴォクシーを比較してセレナの推しポイントは?
ヴォクシーの推しポイントは?

2Lミニバンクラスでしのぎを削るトヨタ ヴォクシー

日産 セレナ(C27型)のライバルとしてピックアップしたのは、トヨタ ヴォクシー(R80G/W型)です。

デビューはセレナが2016年、ヴォクシーは2014年と1年以上の開きがありますが、一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している2021年3月の新車販売台数では、ヴォクシーが9,891台。セレナが9,201台とかなり拮抗しています。

またセレナ、ヴォクシーともに売れ筋グレードはエアロパーツを装着した3ナンバーモデルということも、ライバルにピックアップした理由です。(※現在ヴォクシーは3ナンバー車のみの販売です)

ここでは、そんなエアロパーツを装着したセレナ e-POWER ハイウェイスターV(C27)と、ヴォクシーの人気グレード、ZS “煌(きらめき)III”を比較します。

まずボディサイズは、セレナ ハイウェイスターが全長4,770mm×全幅1,740mm×全高1,865mm。ヴォクシー ZS 煌 IIIが全長4,710mm×全幅1,735mm×全高1,825mmで、セレナのほうがひとまわり大きな印象です。

乗車定員は、セレナが7人乗り(e-POWER車)と8人乗り(ガソリン:スマートシンプルハイブリッド車)に対して、ヴォクシーはハイブリッド車が7人乗り、ガソリン車は7人乗りと8人乗りがラインアップとされています。

搭載されるパワートレインですが、セレナ e-POWERはメインのモーターが最高出力100kW(135ps)、最大トルク320Nmを発生。それに発電用として最高出力62kW(84ps)の1.2L直列3気筒ガソリンエンジンを搭載。

いっぽうスマ−シンプルハイブリッド車は、1.9kW(2.6ps)と48Nmを発生するモーターに最高出力110kW(150ps)/6,000rpm、最大トルク200Nm/4,400rpmを発生する2.0 L直列4気筒ガソリンエンジンを組み合わせたマイルドハイブリッドの2種類。

ヴォクシーは、最高出力73kW(99ps)と最大トルク142Nm/4,000rpmをそれぞれ発生する1.8L直列4気筒エンジンと、60kW(82ps)と207Nmのモーターを組み合わせたハイブリッド車と、最高出力112kW(152ps)6,100rpm、最大トルク193Nm/3,800rpmを発生する2.0L直列4気筒ガソリンエンジンという構成。

駆動方式は、セレナ、ヴォクシーともに2WD(FF)とガソリン車のみ4WDを用意しています。

気になる燃費性能はWLTCモードで、セレナのe-POWER車は17.2~18.0km/L、ガソリン車は11.8~13.2km/L。ヴォクシーは、ハイブリッド車が19.0km/L、ガソリン車が12.2~13.2km/Lと、ほぼ互角となっています。

また安全装備面では、セレナは同一車線での高度な運転支援を行うPro PILOT(プロパイロット)をはじめ、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシストなどを搭載。ヴォクシーは、衝突被害軽減パッケージのトヨタセーフティセンスとインテリジェントクリアランスソナーといった運転支援機能を搭載しています。

セレナとヴォクシーを比較してセレナの推しポイントは?

セレナの魅力は、まずグレード構成が充実していることです。ヴォクシーは全店舗展開に合わせて、グレードの統廃合が行われた結果、5ナンバーボディが廃止となってしまっています。

またデュアルバックドアも、ユーザーにとっては大きな訴求ポイントです。一般的に車高が高いミニバンはリアハッチが長くなってしまいますが、これは荷物が積みやすい反面、駐車した車両の後方に広いスペースが必要となります。ウィンドウ部分のみ開閉するデュアルバックドアなら、狭い場所でも荷物の出し入れが簡単で非常に重宝します。

さらに運転支援システムの存在もセレナの魅力を高めています。ヴォクシーは、販売開始が2014年と古く、モデル末期ということもあるのか運転支援システムは現代の目から見るといまいち物足りません。その点セレナは、年を追うごとにアップデートされており、プロパイロットをはじめ最新の運転支援システムが充実しています。

ヴォクシーの推しポイントは?

ヴォクシーの良い点は、床面の低さです。特にリアスライドドアを利用して乗車する際、床面の高さは2WD車でクラストップの360mmという低さを実現しています。

燃費性能では、セレナと互角。一歩も譲りません。またモデルが古いこともあり、現在、新車で購入すると値引きが大きいことも、新車のヴォクシーを検討する場合にはポイントです。

新車価格ではセレナとそれほど変わらなくても、実際に見積もりを取ると大幅な値引きによって、購入金額は大きく違っているようです。

またトヨタという高いブランド力は、クルマの買い換えを行う際の査定に影響します。そういったお金の部分は、子育て世代が購入するミニバンとしてはかなりの魅力となっています。

販売開始年は約1年半の差ですが、ことあるごとにアップデートを行ってきたセレナと、それほど大きな刷新を行わずにこれまで販売してきたヴォクシーでは、運転支援システムや先進安全運転システムなどに差があります。

新車購入価格の安いヴォクシーか、安全性の高いセレナか、なかなか難しい選択と言えます。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博