【プロ解説】現行型Eクラス セダンを徹底評価…良い点や欠点などを試乗レビュー!

メルセデス ベンツ Eクラス セダン W213

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多彩な車種ラインナップを誇るメルセデス ベンツブランドの中でも、グローバル市場の中核を担うのがEクラス。

今回試乗したのは、2019年10月に導入されたクリーンディーゼル・プラグインハイブリッドのE350deです。

当時、日本初であったディーゼル・プラグインハイブリッド車の実力を徹底評価します。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
E350deは「人生で出会える”アガリ”のクルマ」
Eクラスだけがもつ、SクラスともCクラスとも異なる”ベンツ本来の”魅力
Eクラスにはあらゆる良さが結集し、トータルでのパッケージングが優れている
Eクラスは長距離運転でこそ本領を発揮する
申し分ない走行性能と経済性を兼ね備えたハイブリッドシステム
運転する際はミッションのセレクターレバーに注意

E350deは「人生で出会える”アガリ”のクルマ」

「これはアガリのクルマだな。」これはメルセデス ベンツEクラスに乗ると、つい口に出してしまう言葉です。

アガリというのは最後のクルマという意味で、「きっとこれ以上のクルマに出会えることはないな。」という感覚のことです。

Eクラスだけがもつ、SクラスともCクラスとも異なる”ベンツ本来の”魅力

ではなぜ、そう感じるのか。

それはベンツが誇るラグジュアリークラスであるSクラスは、1,000万円を超えるプライスでなかなか手が届かないし、どうしてもあのボディサイズの大きさは日本の道路事情では持て余してしまいます
一方のコンパクトサイズのCクラスは、ライバルであるBMW3シリーズを意識したせいか、スポーティさを強調したモデルとなっています。

ハンドルを切り始めるとクルマが瞬時に反応し、スパッと切れ味鋭いコーナリング性能を発揮します。これこそまさにアジリティ(敏捷性)を重視したものだと思われます。

しかし、操る楽しさや高い走行性能があったとしても、個人的にはそれらはメルセデス ベンツの魅力とは考えづらい。
しかし、Eクラスにはメルセデス ベンツ本来の魅力がしっかりと残っていて、乗っていると安心感に包まれる

最初に書いたとおりこれがアガリのクルマならば、なんて幸せなカーライフを送ったのだろうと満足できるでしょう。

Eクラスにはあらゆる良さが結集し、トータルでのパッケージングが優れている

では、その本来の魅力というのは何か。

それは、とにかく無駄な動きをせずに、安心して運転できるということだと思うのです。

メルセデス ベンツの魅力は一つ一つの良さが重なり、凄くイイクルマと感じるものだと思います。

例えばBMWならば、ハンドルを切った時の反応がよいとか、サスペンションの味付けが最高!とか出てくるのですが、Eクラスはトータルでのパッケージングが優れていて、ポイントを挙げていくと結局すべて良いということになってしまうのです。

Eクラスは長距離運転でこそ本領を発揮する

Eクラスは街乗りでも十分良さを感じられますが、ロングドライブに出掛けると本領を発揮します。

まず感じるのはロングドライブをしても本当に疲れません。

もちろん運転支援システムのサポートの効果もありますが、速度が上がっても真っ直ぐ走ります。

コーナリングでも切った分だけスッと曲がり、無駄な動きをほとんどしません
サスペンションの動きも非常に滑らかで、フラットな乗り味が特長です。

これは今回試乗したE350deだけでなく、エントリーモデルでも十分体験できます。

申し分ない走行性能と経済性を兼ね備えたハイブリッドシステム

ディーゼル・プラグインハイブリッドという個性的なパワートレインも抜群です。

システム用のバッテリーを搭載しているため、重量は重くなっていますが、低回転域から最大トルクを発生するディーゼルエンジンとモーターの特性により、非常にスムーズな加速性能を発揮します

また、高速道路でのクルージングも回転数が低いために高い静粛性も魅力です。
満充電時でのモーターのみによるEV走行の航続可能距離は約50kmとなっていますが、プラグインハイブリッドの特長はエネルギーの地産地消ができること。

EV走行が終了した後は、チャージモードで走行すれば、走行しながらシステムバッテリーに充電できるので、再びEV走行が可能となるのです

車両本体価格は875万円ですが、燃料は価格の安い軽油ですし、しかも走行しながらエネルギーを作り出すことができるプラグインハイブリッド車なので、ランニングコストは安く抑えることができます

運転する際はミッションのセレクターレバーに注意

E350deに試乗して気になったのは、国産車ではウィンカーレバーの設置されている位置にミッションのセレクターレバーがあることです

国産車から乗り換えた人は、ウインカーと間違えてうっかりリバースに入れてしまう可能性があります。

私も今回の試乗中に駐車場から出る時に2回やってしまいました。
そして、メルセデス ベンツのハイブリッド車は回生ブレーキを採用していることもあり、以前のSクラスに比べればだいぶ改善されているものの、ブレーキのフィーリングに少々クセがあります
メルセデス ベンツブランドの中でも歴史があり、グローバルマーケットでも販売台数の多いEクラス。

その伝統を継承するだけでなく、先進性を取り入れた乗り味は絶品

さらにディーゼル・プラグインハイブリッドというパワートレインも走行性能・燃費性能ともに最強といえるスペックです。
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