高温になるとインテリアがベタベタになるのはナゼ?

車内が極度な高温になるこの季節、インテリアを触ると、何だかベタベタしている…なんてことはありませんか?このベタつきの要因とは何でしょう?そして対処方法はあるのでしょうか?

文・山崎 友貴

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どんなクルマで起こる可能性がある内装のベタつき
セルフでは対応できない場合もある

どんなクルマで起こる可能性がある内装のベタつき

BMW 4シリーズ インテリア 2017

今年も暑い日々が続いていますが、これは人にだけでなくクルマにも過酷な状況です。外装の表面温度もさることながら、車内の温度上昇が激しく、場所によっては100℃近くになると言われています。

車内に使われている樹脂部品やAV機器などは、こうした過酷な状況を考慮して造られていますが、どうしても起こってしまうことがインテリアのベタつき。暑い夏の日に起こりやすいのですが、ダッシュボードやスイッチなどの表面が溶けたような状態になります。

そして、触った後は指紋が残ったり、酷い場合には部品自体が完全に変形したりします。こうした状態は、クルマの樹脂部品に限らず、電化製品や玩具などでも起きるのですが、その要因は何なのでしょうか。

クルマの内装部品の多くには樹脂が使われていますが、それは色だったり表面の質感といったものが演出されています。それを視覚や触感で感じることで、高級感やスポーティー感といった印象に変換しているわけです。この色や質感を実現するために使っているのが、塗料です。

さらに、樹脂やゴムの部品はある程度の柔軟性が必要です。樹脂ペレットを溶かして成型しただけでは硬すぎて、ちょっとした衝撃で割れたり破損したりします。そこで素材に可塑剤と呼ばれる油を混ぜて、部品の柔軟性を出すわけです。

この部品の中に含まれる塗料や可塑剤が熱などによる経年劣化によって溶け出し、表面や内部にベタつきを起こさせるのです。こうした現象を「加水分解」や「ブリード現象」と呼びます。

ベタつきは、主に古い国産車や輸入車で発生することが多いのですが、昨今でも高級車や輸入車で発生することがあるようです。いずれはどのクルマでも起こりうる現象ですが、質感がハイグレードなパーツや、触感がゴムのようなパーツほど加水分解が起きやすいというレポートが多く見られます。

セルフでは対応できない場合もある

2019 180sx インテリア

こうしたベタつきが出た場合、症状が初期の場合は自分で解消することができます。使うのは重曹を溶かした水溶液や、無水エタノールなどアルコールの原液。きれいな布にこれらを少し付けて、拭いてみてください。軽度の症状の場合は、これでベタつきがきれいに取れます。

ネット上には、パーツクリーナーを使っても効果があると書かれています。ですが、パーツクリーナーは溶剤を含んでおり、樹脂部品を溶かしてしまう恐れがあります。

特に「シボ」があるダッシュボードや色合いが大切な部品は、表面が溶解すると見た目が変わってしまうので、溶剤系のケミカル用品の使用は避けましょう。

変形などを起こしている場合は、修理のプロフェッショナルに依頼した方が無難かもしれません。修理のプロは特別な補修液などを持っているため、自分で行うよりも遙かにきれいに仕上がる場合も少なくありません。

ただし、修理費が高額になることも少なくないため、ケースによっては部品ごと新品に交換した方が安いということも。依頼する場合は、様々な方法を検討した方がいいかもしれません。

さて、こうした加水分解による症状は、日常のメインテナンスで防止することが可能です。日常的に適度な水分・油分を与えることによって、加水分解を送らせることができます。

方法はいたって簡単で、定期的に樹脂部品にシリコンオイル系のスプレーなどを拭きかけ、きれいな布で拭き取るだけ。見た目が美しくなる上に、愛車を長持ちさせることができます。

さらなる防止策としては、サンシェードの使用です。駐車中はサンシェードを使うことで、ダッシュボードを直射日光から守り、高温化や変質を防ぐことができます。また日焼けによる退色を防止することも可能です。

日産 ロールサンシェード

駐車の度にいちいちシェードを立てるのは面倒ですが、ちょっとしたことで愛車のコンディションを守れるので、ぜひ実行してみてください!夏だけでなく、四季を通じて使うとより効果が出るポイントです。

山崎 友貴|やまざき ともたか

四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。

山崎 友貴|やまざき ともたか