日産の高級車がトライする風変わりなインテリアパネル3選!
更新日:2024.09.09
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高級乗用車のインテリアには主に木目のパネルをあしらうというのがもはや常識のようになっていますよね。もちろんその木目にも様々な色合いや文様、素材感などが表現されていて、クルマによってその採用が異なるあたりも見ていて面白いところかもしれません。そんななかで日産自動車の高級車にはちょっと風変わりなインテリアパネルが採用されることが多いということにお気づきでしょうか。
日産の変わったインテリアパネル|フーガやシーマに採用、銀粉木目
デザインやクルマのキャラクターで独自性を出すという作業はけっこう難しいかもしれません。いまや自動車産業は成熟期に入っていて、成長期とは異なりあらゆるアイディアが出尽くしている状態ですから新たな考え方や価値観、イノベーションを起こすということは容易ではないと思われます。
高級乗用車のインテリアにも、はっきりと「文法」のようなものが存在していて、それは主に木目と革など、高級素材をふんだんに盛り込んだ従来のクルマ作りが育んできた価値観というものが息づいていると言えます。
ただ、日産自動車は国産メーカーとして、そのあたりちょっとチャレンジングです。常識や従来の価値観にとらわれない、例えばこのフーガなどに用いられる「銀粉木目」という個性的なインテリア加飾パネルもなかなか魅力的。
高級乗用車のインテリアにも、はっきりと「文法」のようなものが存在していて、それは主に木目と革など、高級素材をふんだんに盛り込んだ従来のクルマ作りが育んできた価値観というものが息づいていると言えます。
ただ、日産自動車は国産メーカーとして、そのあたりちょっとチャレンジングです。常識や従来の価値観にとらわれない、例えばこのフーガなどに用いられる「銀粉木目」という個性的なインテリア加飾パネルもなかなか魅力的。
Y51型フーガやシーマのオプション、セミアニリン本革内装と一緒に組み合わされている「銀粉木目」。文字通りニスを塗布する前に銀の細かい粉を木目の表面に擦り込むということをして、木目や文様に独特のニュアンスを与えて、ちょっとエキゾチックというか、アバンギャルドな雰囲気を醸し出すということをやっています。
フーガやシーマには通常の「木目調」パネルももちろん存在していて、それも本木目ではないにも関わらず美しい仕上がりになっていますが、他とは違う、ちょっと個性的な洋服を選ぶようにこのオプション内装を選択するというのも、高級車としての「選択肢」として買う側を楽しませてくれる要素になっているはずです。
「通常より手間がかかる、でもやってみたい」こんな言葉を聞くと新たな高級観へのチャレンジ精神が垣間見られる思いがします。
フーガやシーマには通常の「木目調」パネルももちろん存在していて、それも本木目ではないにも関わらず美しい仕上がりになっていますが、他とは違う、ちょっと個性的な洋服を選ぶようにこのオプション内装を選択するというのも、高級車としての「選択肢」として買う側を楽しませてくれる要素になっているはずです。
「通常より手間がかかる、でもやってみたい」こんな言葉を聞くと新たな高級観へのチャレンジ精神が垣間見られる思いがします。
日産の変わったインテリアパネル|V35型スカイラインに採用されたちょっとクールな「本アルミパネル」
スカイラインというクルマ、このV35型からはその趣向を少し変えて、プレミアムなスポーティーセダンという位置づけを持つようになりましたよね。日産としても歴史と定評のあるスカイラインに対して大きな舵取りをすることになり、それなりに慎重にクルマ作りをしていたと想像できますが、しかしそんなタイミングゆえに様々なチャレンジができたこともまた確かだと思います。
スカイラインとしてのターニングポイントにあったV35型スカイライン。エンジン、走り、パッケージングのトータルのバランスを高くするべく、きわめて合理的に作られたクルマではありましたが、それは従来のスカイラインではやれなかったクルマ作りでもあったわけです。そんなV35型スカイラインの後期型にお目見えしたのが「本アルミパネル」でした。
プレミアムスポーティーセダン、ですから、必ずしも高級車というわけではない。だけど、やみくもに従来のスポーティーカーのような男臭いインテリアというのもまた避けたい、そんな意識が働いていたのでしょう。V35型スカイラインのインテリアは合理的でシンプルなものでありながら、品質感をいかに醸し出すか、というテーマに取り組んでいたように見受けられます。
金属調、あるいはほんとうに金属を張り込んだインテリアの加飾というのはそれまでにも存在しました。例えば60~70年代の国産スポーツカーのコックピットやメーターパネル付近には梨地の金属がむき出しという設えもありました。
しかしV35型スカイラインの「本アルミパネル」は、アルミ本来の硬質でややクールな印象を現代的な品質感に結びつけ、美しいヘアライン仕上げとすることでプレミアムカーのインテリアにワンポイントのアクセントとすることに成功しました。またインテリアの曲線に綺麗にマッチしていたり、仕上げの丁寧さ、パネル同士の隙間の均一なところなど、やはりプレミアムカーとしてのこだわりも見られます。
スカイラインとしてのターニングポイントにあったV35型スカイライン。エンジン、走り、パッケージングのトータルのバランスを高くするべく、きわめて合理的に作られたクルマではありましたが、それは従来のスカイラインではやれなかったクルマ作りでもあったわけです。そんなV35型スカイラインの後期型にお目見えしたのが「本アルミパネル」でした。
プレミアムスポーティーセダン、ですから、必ずしも高級車というわけではない。だけど、やみくもに従来のスポーティーカーのような男臭いインテリアというのもまた避けたい、そんな意識が働いていたのでしょう。V35型スカイラインのインテリアは合理的でシンプルなものでありながら、品質感をいかに醸し出すか、というテーマに取り組んでいたように見受けられます。
金属調、あるいはほんとうに金属を張り込んだインテリアの加飾というのはそれまでにも存在しました。例えば60~70年代の国産スポーツカーのコックピットやメーターパネル付近には梨地の金属がむき出しという設えもありました。
しかしV35型スカイラインの「本アルミパネル」は、アルミ本来の硬質でややクールな印象を現代的な品質感に結びつけ、美しいヘアライン仕上げとすることでプレミアムカーのインテリアにワンポイントのアクセントとすることに成功しました。またインテリアの曲線に綺麗にマッチしていたり、仕上げの丁寧さ、パネル同士の隙間の均一なところなど、やはりプレミアムカーとしてのこだわりも見られます。
日産の変わったインテリアパネル|古今?漆塗りを用いたインフィニティQ45のKOKONインスト
バブル期の日産自動車がきわめて意欲的なクルマ作りをしていたというお話(※1)(※2)は何度かさせていただきましたが、もしかするとその最たるところがこのインフィニティQ45かもしれません。「ジャパンオリジナル」と銘打って、スタイリングも、メカニズムも、そしてインテリアも、全てにおいて誰にも似ていない高級乗用車という目標を掲げ、チャレンジングなクルマ作りの成果として、いまや貴重な存在かもしれません。
グリルレスのフロントマスクや流れるようなラインを描くルーフからトランクへのフォルム、また、ここでも木目に頼らないインテリアの装飾など、従来の高級乗用車に対する常識や価値観から一歩も二歩も踏み出して仕立てられたこのインフィニティQ45。
結果として、セルシオを前に販売面では苦戦を強いられ、しかもマイナーチェンジではアイデンティティであったグリルレスマスクにグリルを取り付けられ、内装にも木目を用いるなどの「修正」を施されることで、じつは評判が回復してしまう、という顛末まであったりして、じつに不遇なクルマと言えるのですが、そんなQ45、先鋭的な前期型の特徴の一つがこの「KOKONインスト」です。
当時の日産は従来から「漆塗り」をインテリアに用いることに積極的で、C33型ローレルなどでも「漆塗り調」としてその採用例がありましたが、このインフィニティQ45という特別なクルマに向けては、本当の漆職人が一枚一枚丁寧に仕上げるというもので、しかもそこには酸化チタン粉や金粉をあしらって独特の文様やニュアンスを獲得しているという一品。
いうなれば「工芸品」が自動車のインテリアに用いられたということであり、しかもそれが「工芸品然」とせず、モダンなインフィニティQ45のインテリアに自然に溶け込むような仕上げとなっていたあたりにも抜群のセンスを感じます。
一般的な木目よりも、当然のようにお値段の張るこの「KOKON」インスト。新車当時にオプションで選択される例もあまりなく、今でも生き残っていたとしたらちょっとお目にかかりたいところです。
さて。日産自動車がこうして高級乗用車やプレミアムカーに独特のインテリアパネルを採用して他とは違うニュアンスや雰囲気を持たせているというのも、やはりこだわりの一つだと思います。従来からあるアイディアや常識に則って、「トラディショナル」としての魅力で打って出るのも間違いではありませんが、新たな価値観や、もっというと「新しい景色」を提供しようという心意気がまたいいではありませんか。
もちろん、高級乗用車のユーザーは保守的なところがあるので、必ずしもその新しいチャレンジが成功するとは限らないわけですが、しかしこうしたチャレンジを続けない限り「新しいモノ」を生み出すことはできない、これも事実です。いつまでも同じ考えや価値観ではない、新たな模索、貴重な挑戦をこれからも続けて欲しいものです。
グリルレスのフロントマスクや流れるようなラインを描くルーフからトランクへのフォルム、また、ここでも木目に頼らないインテリアの装飾など、従来の高級乗用車に対する常識や価値観から一歩も二歩も踏み出して仕立てられたこのインフィニティQ45。
結果として、セルシオを前に販売面では苦戦を強いられ、しかもマイナーチェンジではアイデンティティであったグリルレスマスクにグリルを取り付けられ、内装にも木目を用いるなどの「修正」を施されることで、じつは評判が回復してしまう、という顛末まであったりして、じつに不遇なクルマと言えるのですが、そんなQ45、先鋭的な前期型の特徴の一つがこの「KOKONインスト」です。
当時の日産は従来から「漆塗り」をインテリアに用いることに積極的で、C33型ローレルなどでも「漆塗り調」としてその採用例がありましたが、このインフィニティQ45という特別なクルマに向けては、本当の漆職人が一枚一枚丁寧に仕上げるというもので、しかもそこには酸化チタン粉や金粉をあしらって独特の文様やニュアンスを獲得しているという一品。
いうなれば「工芸品」が自動車のインテリアに用いられたということであり、しかもそれが「工芸品然」とせず、モダンなインフィニティQ45のインテリアに自然に溶け込むような仕上げとなっていたあたりにも抜群のセンスを感じます。
一般的な木目よりも、当然のようにお値段の張るこの「KOKON」インスト。新車当時にオプションで選択される例もあまりなく、今でも生き残っていたとしたらちょっとお目にかかりたいところです。
さて。日産自動車がこうして高級乗用車やプレミアムカーに独特のインテリアパネルを採用して他とは違うニュアンスや雰囲気を持たせているというのも、やはりこだわりの一つだと思います。従来からあるアイディアや常識に則って、「トラディショナル」としての魅力で打って出るのも間違いではありませんが、新たな価値観や、もっというと「新しい景色」を提供しようという心意気がまたいいではありませんか。
もちろん、高級乗用車のユーザーは保守的なところがあるので、必ずしもその新しいチャレンジが成功するとは限らないわけですが、しかしこうしたチャレンジを続けない限り「新しいモノ」を生み出すことはできない、これも事実です。いつまでも同じ考えや価値観ではない、新たな模索、貴重な挑戦をこれからも続けて欲しいものです。