意外と知らない!ボクスター等、MR車のエンジンルームってどう開ける?

ポルシェ 718 ボクスター 2016

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2017年現在、販売されているクルマのほとんどが、フロントにエンジンを配置しています。このエンジンルームは、ボンネットをポンッと開ければすぐに顔を出しますが、ポルシェ ボクスターのようなミッドシップレイアウト(以下MR)のモデルは、エンジンルームにアクセスするのでしょうか?
Chapter
意外と煩雑!? ミッドシップレイアウトのエンジンルームの開け方
MRやRR車にとって重要なパーツ、エンジンカバー

意外と煩雑!? ミッドシップレイアウトのエンジンルームの開け方

現在、ほとんどのクルマのエンジンはフロントにあり、ボンネットオープナーを引き、ボンネットを開ければエンジンルームにアクセスできます。これは整備性の面でメリットが大きく、オーナーみずからら行うメンテナンスも行いやすいといえます。

では、少数派ともいえるMR車の場合はどうでしょう。

MR車は、エンジンが後部(キャビンと後軸の間)にあるため、前後重量バランスを50:50に近づけることができます。そのため、走行時のバランスがもっとも優れているといわれています。

一方デメリットとして、冷却性がフロントエンジンに比べて悪く、また整備性も難しくなることが挙げられます。

ポルシェの大ヒットモデル、ボクスターは、MRレイアウトであることはご存知かと思います。

ポルシェは堅牢な作りで知られていますが、このボクスターも例に漏れず、エンジンルームもかなりしっかり設計されています。その反面、なかなかエンジンルームを拝めない、ともいえるのです。

この動画をみていただくとわかるように、エンジンルームにアクセスするには、まず幌の開閉に係るパーツを外す必要があります。そうした意味では、兄弟車のケイマンの方が若干整備性は良いといえるかもしれません。

MRモデルは、コクピット後方にエンジンを搭載している関係で、"騒音対策"、"熱対策"といった観点から、防音・断熱効果のあるカバーでエンジンを覆っています。このカバーについているネジを(5箇所)外すことで、ボクスター、ケイマンは、ようやくエンジンルームが顔を出すといった寸法です。

とはいえ、カーバを外して現れる窓はとても狭く、ポルシェのMR、RRモデルでは、エンジン関係の整備はボディの下側からアクセスすることが普通になっているのです。

MRやRR車にとって重要なパーツ、エンジンカバー

エンジンルームへのアクセスの仕方は、メーカーや車種によってさまざまですが、ほとんどのミドまたはリアエンジンのモデルには、エンジンカバーが付いています。理由としては前述のように、キャビンに対しての防音、耐熱といった対策に基づいているといえます。

ただ、一部のフェラーリのように、リアのウィンドウ越しにエンジンルームが見えたほうが格好いい、と思うユーザーは少なくありません。つまり、エンジンカバーを外して、リアのカーバー越しにエンジンが見えるようにするというわけです。
しかし、それは止めたほうが良いでしょう。筆者は、以前アルピーヌ ルノーV6ターボというRRモデルに乗っていたことがあり、エンジンルームを剥き出しにしたと思って工場のメカさんに相談したことがあります。

その際は「エンジンカバーを外すと、エンジンの熱がリアウインドウとエンジンルームの間にこもるので、特に気温の低い季節は外気との温度差が大きくなり、ヒビが入りやすい」と言われ断念しました。どうしてもやりたいのであれば、リアガラスをアクリル製のものに換装したほうが良いとも。エンジンカバーの防音効果はもちろん、耐熱効果というのも重要なポイントですね。

MR、RRレイアウトはキャビンとエンジンルームが近いぶん、メーカーサイドもいろいろな対策をとっているということです。走行性能にはメリットがあるレイアウトですが、整備性や快適性は犠牲になっているんですね。

そうした不便さもこうした特殊なモデルに乗る醍醐味、と感じられる方は、充分に乗る資質があると言えるでしょう。
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