パンクしない?「シーリングタイヤ」って知ってる?
更新日:2024.09.09
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近年、ランフラットタイヤを標準装着したクルマが増えています。ランフラットタイヤは、パンクしても、ある程度走行が継続でるように設計されたタイヤです。このランフラットとは違った仕方で、パンクしても走行が継続できるようにした「シーリングタイヤ」をご存知でしょうか。今回は、このシーリングタイヤについて紹介します。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
- Chapter
- ランフラットタイヤが望まれる理由
- 耳慣れないシーリングタイヤとは?
ランフラットタイヤが望まれる理由
走行中にパンクをすると、通常のタイヤでは操縦性能が急激に悪化し、ハンドル操作や制動が効きにくくなり、最悪は事故になってしまう可能性があります。また、路肩でタイヤの交換作業をしているときに、後続車と接触して二次災害に発展するリスクもあります。
そのために、パンクをしてもしばらくは走行ができ、事故になるリスクを避けることができるタイヤが求められていました。
最近では、トランクスペースの拡大、車両の軽量化による燃費向上、CO2削減、未使用スペアタイヤの廃棄による環境問題といった理由のため、スペアタイヤを廃止して、パンク修理剤の採用が広がっていますが、タイヤバースト(破裂)やショルダー部(サイドウォール)といったダメージは、パンク修理剤で対処できません。
そこで、ブリヂストンを中心としたタイヤメーカーから、タイヤのショルダー部(サイドウォール)の剛性を強化したランフラットタイヤが、ここ15年で広がりを見せてきました。
ちなみに海外では、パンクをした際、悠長にスペアタイヤへの交換やパンク修理剤を使用するためにクルマから降りていくことができない、治安の悪い地域や危険な場所があります。そのため、クルマを停止させずに、修理工場や自宅まで戻ることができるタイヤが非常に強く求められるという側面もあるのです。
そのために、パンクをしてもしばらくは走行ができ、事故になるリスクを避けることができるタイヤが求められていました。
最近では、トランクスペースの拡大、車両の軽量化による燃費向上、CO2削減、未使用スペアタイヤの廃棄による環境問題といった理由のため、スペアタイヤを廃止して、パンク修理剤の採用が広がっていますが、タイヤバースト(破裂)やショルダー部(サイドウォール)といったダメージは、パンク修理剤で対処できません。
そこで、ブリヂストンを中心としたタイヤメーカーから、タイヤのショルダー部(サイドウォール)の剛性を強化したランフラットタイヤが、ここ15年で広がりを見せてきました。
ちなみに海外では、パンクをした際、悠長にスペアタイヤへの交換やパンク修理剤を使用するためにクルマから降りていくことができない、治安の悪い地域や危険な場所があります。そのため、クルマを停止させずに、修理工場や自宅まで戻ることができるタイヤが非常に強く求められるという側面もあるのです。
耳慣れないシーリングタイヤとは?
ランフラットタイヤの場合、サイドウォール部分が硬いため、通常走行時もごつごつとした乗り心地となってしまいます。最新タイヤではそのゴツゴツ感は相当減少していますが、ノーマルタイヤと乗り比べればわかる差です。
また、サイドウォール補剛によってタイヤ重量が増加するため、突起乗り越し後にタイヤがバタつき、さらに乗り心地が悪くなることもありました。またホイールも専用品が必要になります。そこで注目されているのが「シーリングタイヤ」です。
シーリングタイヤは、トレッド面に刺さった釘や突起物による穴を、タイヤ内面に塗られたシーラント(密封剤)が自動的に塞ぎ、エア漏れを食い止めるタイヤのことです。
ちなみに、現在のようなランフラットタイヤを作る技術が確立されていない1970年代に、ブリヂストンが「マクシール」、横浜ゴムが「シーレックス」という名称で、一時期シーリングタイヤを販売しており、シーリングタイヤのアイディアは、かなり昔からありました。ただし当時は、耐久性やシーリング液剤の偏りなど課題も多く、いつの間にか消えていきました。
それを改良したシーリングタイヤが、現在、コンチネンタルが販売している「コンチシール(ContiSeal)」。フォルクスワーゲン等の一部車種で、標準採用されています。
シーリングタイヤは、原則、一般のタイヤ構造と同様(シーリング塗布面は液剤が残るように形状を変えています)なので、サイドウォールの硬さはノーマルタイヤと大差ありません。また、シーリング剤の塗膜分のみですので、ランフラットタイヤほどの重量増加になりません。
「コンチシール」では、釘やネジでできた直径5mm以内のトレッド部の穴をシーラント剤が塞ぎ、運転を続けることが可能とのこと。
このようにメリットが多いシーリングタイヤですが、トレッド面以外のダメージには弱いといった欠点があります。サイドウォールを傷つけてパンクにいたるケースは、トレッド面に選べるとかなり少ないはず。これをデメリットとして考えるかどうかで、シーリングタイヤの魅力は増減します。
もし、タイヤ交換をする機会がありましたら、シーリングタイヤという選択肢があることも思い返し、検討に入れてみてはいかがでしょうか。
また、サイドウォール補剛によってタイヤ重量が増加するため、突起乗り越し後にタイヤがバタつき、さらに乗り心地が悪くなることもありました。またホイールも専用品が必要になります。そこで注目されているのが「シーリングタイヤ」です。
シーリングタイヤは、トレッド面に刺さった釘や突起物による穴を、タイヤ内面に塗られたシーラント(密封剤)が自動的に塞ぎ、エア漏れを食い止めるタイヤのことです。
ちなみに、現在のようなランフラットタイヤを作る技術が確立されていない1970年代に、ブリヂストンが「マクシール」、横浜ゴムが「シーレックス」という名称で、一時期シーリングタイヤを販売しており、シーリングタイヤのアイディアは、かなり昔からありました。ただし当時は、耐久性やシーリング液剤の偏りなど課題も多く、いつの間にか消えていきました。
それを改良したシーリングタイヤが、現在、コンチネンタルが販売している「コンチシール(ContiSeal)」。フォルクスワーゲン等の一部車種で、標準採用されています。
シーリングタイヤは、原則、一般のタイヤ構造と同様(シーリング塗布面は液剤が残るように形状を変えています)なので、サイドウォールの硬さはノーマルタイヤと大差ありません。また、シーリング剤の塗膜分のみですので、ランフラットタイヤほどの重量増加になりません。
「コンチシール」では、釘やネジでできた直径5mm以内のトレッド部の穴をシーラント剤が塞ぎ、運転を続けることが可能とのこと。
このようにメリットが多いシーリングタイヤですが、トレッド面以外のダメージには弱いといった欠点があります。サイドウォールを傷つけてパンクにいたるケースは、トレッド面に選べるとかなり少ないはず。これをデメリットとして考えるかどうかで、シーリングタイヤの魅力は増減します。
もし、タイヤ交換をする機会がありましたら、シーリングタイヤという選択肢があることも思い返し、検討に入れてみてはいかがでしょうか。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。