クルマタイヤとバイクタイヤの決定的な違い

クルマとバイクはどちらも、「運転を楽しむこと」や、「目的地まで移動する手段」に変わりありませんが、両者のコーナーリングの仕方はかなり異なります。そのため、両者のタイヤの使い方には大きな違いがあるのです。そこで今回は、バイクとクルマのタイヤの違いについて紹介します。

文・吉川賢一

Chapter
タイヤの役割とは?
クルマはどうやって曲がる?
バイクはどうやって曲がる?

タイヤの役割とは?

日産 GT-R 2016

本数や構造は違いますが、クルマでもバイクでも、タイヤはモビリティとして重要な「走る」「曲がる」「止まる」の役割を担っています。

その仕事は、(1)車体を支える、(2)駆動力や制動力を地面に伝える、(3)進行する向きを変える、(4)衝撃を吸収する、ですが、このうち(3)進行する向きを変える=”曲がる”のメカニズムが、バイクとクルマではまったく異なるのです。

クルマはどうやって曲がる?

ホンダ シビック タイプR 2017

クルマがコーナーを曲がるとき、ドライバーはステアリングを切って、前輪のタイヤの向きを変えます。このとき、車両の進行方向と前輪タイヤの向きには差が生じており、これをスリップアングル(滑り角)といいます。

タイヤはこのとき、通常のコーナリングの範囲では、スリップアングルの大きさに応じたコーナリングフォースを発生。さらに、内外輪の荷重移動ぶんが加わっていたり、ブレーキを踏んでいれば前後方向の荷重移動もおきているため、前輪のコーナリングフォースの大きさは増減します。

こうして、タイヤが発生する力が、サスペンションを介して車体に伝わり、車両の向きを変えて、旋回運動を始めることになります。

クルマのタイヤは常に正立するようにして、コーナリングフォースを発生させたいので、正面から見たときのタイヤ接地面は平らであることが理想です。

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対してバイクはどうやって曲がる?