パンク修理剤の正しい使い方!注意点やデメリットも解説

タイヤパンク修理剤

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走行中のパンクほど、恐ろしいことはありません。突然、バンッという破裂音とともに、クルマに異常振動がおき、まっすぐ走らせようとしても、ハンドルが左右に振られ、それをなんとかコントロールして路肩に停車させるだけでひと苦労。しかし安全に停車しても、まだすべて解決したわけではありません。タイヤのパンクを修理するためには、車載のパンク修理剤を使わなければなりません。今回は、このパンク修理剤についてみていきます。

文・吉川賢一
Chapter
パンク修理剤はいつから主流になった?
修理剤の正しい使い方
修理剤が使えるのはトレッド面の小さな穴だけ

パンク修理剤はいつから主流になった?

昨今はパンク修理剤を積んでいる割合が高まっています。昔の車の応急処置ツールといえば、スペアタイヤと車載ジャッキ。一般的にタイヤがパンクしたときは、そのタイヤをスペアタイヤへ交換する方法が直感的にわかりやすいといえます。

しかし、平成20年に発売されたスズキ ワゴンRにパンク修理剤が搭載されたのを皮切りに、各メーカーもパンク修理剤を搭載する方向へシフトしていきました。

その背景は、スペアタイヤを使用せずに廃棄する事例を見過ごせなくなり、各メーカー側がコストや環境に配慮して、パンク修理剤を導入する流れがあったとされています。

では、そんなパンク修理剤の正しい使い方とは?

修理剤の正しい使い方

タイヤ交換は自動車教習所で習う機会がありますが、パンク修理剤は習う機会も少なく、パンクしたタイヤを一時的に使用するという不安感もあります。いざというときに、あわてることがないように、まずは使い方と手順を知る必要があります。

まずトランクなどから修理剤を取り出し、タイヤのバルブに修理剤のチューブを差し込み、修理剤を流し込みます。このとき注意しなければならないのが、タイヤ1本につき修理剤1本を使い切ること。そして流し込みが完了したら、通常、付属品として付いているエアーコンプレッサーで空気を注入します。

純正品のエアーコンプレッサーであれば、空気圧が適正値まで注入されると、音や光で知らせてくれる物もなかにはあります。そのタイプでない場合は、運転席のドア付近についているタイヤ適正空気圧の表示を確認してから、空気を注入します。これで、応急的な修理は完了です。

ちなみに修理剤は、加硫接着剤(化学結合により接着する)という有機溶剤系の成分。修理剤を注入すると、加硫接着剤がタイヤのゴムを少し溶かし、その溶けたゴムで穴を塞ぎます。一般的に、溶けたゴムが硬化するまでは、平均1時間程度かかります。

修理剤が使えるのはトレッド面の小さな穴だけ

この修理剤ですが、万能ではありません。タイヤが地面と接地する面に小さな穴が空いた場合のみに使用できます。側面(サイドウォール)が破けて穴が空いた場合には、効果がありません。タイヤの側面はとても薄く、仮に一時的に直ったとしても、受けたダメージをカバーするまでにはいたらず走行中にタイヤがバーストする危険性が高まります。

また、接地面が大きく破けた場合も同様。そういった場合はあきらめて、ロードサービスを呼ぶことをおすすめします。

ちなみに、釘や破片が刺さっていても、修理剤を使用することで、抜かずにそのまま走行ができます。

また、このパンク修理剤での応急処置の状態では、走行可能距離は短く、速度にも注意が必要です。厳密に走行可能距離が何㎞かは、タイヤの状況によって変わります。そして傷が入っている状態なので、速度も落とすようにしないと、ふたたびパンクした場合にとても危険です。あくまで応急処置であることを頭に入れて、早急に修理工場などへ持って行きましょう。
側面の穴や、接地面の切れ込みでも、修理剤が効いて一時的に治ることがありますが、決して過信しないこと。また、パンク直後は動揺していたり、不安になっていたりで判断を間違えることがあります。

このようなときこそ、平常心を保ち、落ち着いて、ひとつひとつの修理作業を正しく行うことが大切です。

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