オンナにとってクルマとは Vol.44 命を守るための視点
更新日:2024.09.09
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すでに日中の気温が35℃を超えるタイで、盛大に開催されたバンコクモーターショーを取材してきた。来場者が170万人以上というこのショーは、展示即売会の意味合いが強く、昨年は開催期間中だけで約5万4,000台が売れたという。日本メーカーでは、トヨタが1万台以上を売り上げる人気ぶりだ。
text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.138 2014年5月号]
text:まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.138 2014年5月号]
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- vol.44 命を守るための視点
vol.44 命を守るための視点
滞在中はいろいろな場面で、タイの人たちの親日ぶりを実感する。今回、レクサスの販売担当者にインタビューをすると、レクサスを購入する人の多くが日本びいきで、「メイド・イン・ジャパン」に高級なイメージを持ち、高い信頼を寄せているとのことだった。
しかも、タイでは「メルセデス・ベンツよりも品質が良くて高いクルマ」と言われているという。実際、メルセデスはタイで生産され、小排気量のタイ仕様車を造っていて、レクサスの半額程度で買えるのだとか。
この日本製への信頼感や高級感は、当の日本では今どうなのかと考えると、ファッションやインテリア関連ではもうほとんど崩壊していると感じる。でも食品や家電ではいまだに根強く、クルマにも残っている。
とくに女性は「輸入車って、壊れないですか?」と心配する人がまだまだ多い。輸入車のデザインやブランドには惹かれつつも、右ハンドルでもウインカーが左側にあったり、スイッチなどの表示が英語だったりすることに違和感を感じて、結局は日本車を買う女性が少なくない。
なのに、チャイルドシートなど、品質や信頼性に着目して欲しいものに限って、あまりそれが浸透していないのが不思議だ。我が妹はチャイルドシート購入の際に、見た目と価格でいくつかの候補を挙げて私にアドバイスを求めてきた。
私が送った言葉は、「子供の命を預けるものを、見た目と価格の安さで選ぶつもり?」 後日、妹からこれに決めたと届いたメールには、タカタのチャイルドシートの写真が添付してあり、おねだりマークがついていた。タカタのチャイルドシートは国内の自社工場でひとつひとつ、人の目で確認されて造られているというところが決め手だったらしい。私は妹の答に満足し、可愛い甥っ子のために喜んでお金を払った。
クルマに関するものは全て、人の命に関わるもの。でも今は、商品の素性がわかりにくくなっている。これからはもっと、「どこで、どのように造られているのか」という視点を大事にしてみると、本当の価値が見えてくるのかもしれない。
しかも、タイでは「メルセデス・ベンツよりも品質が良くて高いクルマ」と言われているという。実際、メルセデスはタイで生産され、小排気量のタイ仕様車を造っていて、レクサスの半額程度で買えるのだとか。
この日本製への信頼感や高級感は、当の日本では今どうなのかと考えると、ファッションやインテリア関連ではもうほとんど崩壊していると感じる。でも食品や家電ではいまだに根強く、クルマにも残っている。
とくに女性は「輸入車って、壊れないですか?」と心配する人がまだまだ多い。輸入車のデザインやブランドには惹かれつつも、右ハンドルでもウインカーが左側にあったり、スイッチなどの表示が英語だったりすることに違和感を感じて、結局は日本車を買う女性が少なくない。
なのに、チャイルドシートなど、品質や信頼性に着目して欲しいものに限って、あまりそれが浸透していないのが不思議だ。我が妹はチャイルドシート購入の際に、見た目と価格でいくつかの候補を挙げて私にアドバイスを求めてきた。
私が送った言葉は、「子供の命を預けるものを、見た目と価格の安さで選ぶつもり?」 後日、妹からこれに決めたと届いたメールには、タカタのチャイルドシートの写真が添付してあり、おねだりマークがついていた。タカタのチャイルドシートは国内の自社工場でひとつひとつ、人の目で確認されて造られているというところが決め手だったらしい。私は妹の答に満足し、可愛い甥っ子のために喜んでお金を払った。
クルマに関するものは全て、人の命に関わるもの。でも今は、商品の素性がわかりにくくなっている。これからはもっと、「どこで、どのように造られているのか」という視点を大事にしてみると、本当の価値が見えてくるのかもしれない。
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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。
ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。