インドに正規輸入できないトヨタ86?その理由は最低地上高?日本にも同様の事例がある?

トヨタ 86

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世界中で人気のトヨタ86ですが、インドでは正規輸入ができないそうです。どうしてダメなのでしょう?そこには、インドならではの事情がありました。

*2020年の情報です
Chapter
世界中で人気のトヨタ86
インドで正規輸入できない理由
日本の最低地上高はいくつ?
最低地上高をクリアできず正規輸入不可の車が日本にもあった!?

世界中で人気のトヨタ86

2012年に日本でデビューして以来、北米やヨーロッパでも大人気となっているトヨタ86。日本同様、頭文字Dの海外版コミックスやアニメなどを通じて、AE86時代から86を知っている海外のファンも多いようです。

特に、アジア諸国のイニDファンにとっては、86は伝説の車。現代によみがえった新しい86もまた人気なのです。

しかし、世界の国々の中では、86を正規輸入して販売したくてもできない国があるとのこと。それがインドです。なぜ、正規輸入販売ができないのでしょうか?

インドで正規輸入できない理由

インドでは、日本と同じ仕様の86は正規輸入ができません。理由は、最低地上高です。

86の最低地上高は、日本仕様で130mm。確かに低い方ではありますが、そこまでベタベタに低いわけじゃないですよね?と思っていたら理由がちゃんとありました。

インドの道路は、舗装率が5割以下。雨期になると道路が水没してしまう農村地域が3〜4割もあるといわれています。

つまり、道路の整備状況が悪く凹凸も多いので、最低地上高が低い車は下回りをぶつけたり、轍にはまってしまったりと、トラブルの憂き目にあう機会が多く、危険性もあるということなのです。 

ちなみに、日本の道路舗装率は8割強。段差が多い場所もありますが、最低地上高130mmならそうそう困ることもありません。

日本の最低地上高はいくつ?

保安基準で定められた日本の最低地上高は90mmです。

リップスポイラーなどを装着している車は、90mmに足りないこともありますが、エアロパーツなど樹脂製のパーツやゴム製のパーツは基準の対象外です(下周りをぶつけたとしてもダメージが少ない)。

また、アンダーガードなど確実に車体底部に固定され、なおかつ自動車の下周りなどをガードする目的を持ったものであれば、50mmの最低地上高があれば大丈夫です。

ちなみに国産車の多くが140〜150mm前後で、パジェロやランドクルーザーなどのクロカンSUVは250mm前後、ミニバンは140~160mmに設定されています。もっとも低い国産車は、ダイハツ コペンの105mm。丸っこいスタイルからはちょっと想像できませんが、結構な低さですよね。
また、スーパーカーの中には、そのままでは日本の基準をクリアできないため、車高を少し上げて輸入することも少なくないそうです。もちろん車高を上げるとせっかくのカッコいいスタイルが台無しなので、納車後に車高を調整しているようです。

さらに日本へ輸出するにあたって、多くの立体駐車場に収まる1,550mm以下の全高とするため、全車スポーツサスペンションを装着した輸入車があります。それが現行のメルセデスベンツ Bクラス。そのため最低地上高は、コペンと同じ105mmとなっています。

最低地上高をクリアできず正規輸入不可の車が日本にもあった!?

実は日本にも、インドにおける86と同様の車がありました。それは2010年にデビューしたBMW 1シリーズMクーペです。最低地上高が低すぎるため、BMW JAPANは正規輸入を断念した経緯があります。

下回りをよく見ると突起物がありますね。これはデフクーラーというパーツだそうです。この部分が災いして最低地上高90mmをクリアできなかったようです。

また、タイヤ&ホイールがフェンダーとツライチになっており、正規輸入で認可を取るとなると、ギリギリと言われていました。

それでもBMW JAPANが日本国内でかなりの台数が売れそうと判断すれば、日本の保安基準を通すための改善が施されたと思います。しかし、ミッションは6MTの設定しかなかったためと、日本の認可に合わせて手直しをするほどの販売数を確保できないことから、正規輸入を断念したのではないかと考えられます。

日本にも、インドとは違う事情があるのですね。
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