“足りない”がNA型の魅力。僕は初代ロードスターの中古車を自分好みに変えた

日本が元気だった頃に生まれた名車

マツダ ロードスター 初代

初代ロードスターNA型が誕生したのは、1989年。まだ日本がバブル期にあった頃です。現在ではマツダ・ロードスターですが、当時の販売チャネルはロードスターと共に生まれた「ユーノス」でした。マツダ色を極力消すという戦略でしたが、それは見事に成功し、ユーノスが海外ブランドだと思っている人もいたようです。

そして、長らく2シーターオープンというカテゴリーが不在だった国産車において、華々しいデビューを飾ったのです。MGのような車を目指して開発したというNA型ですが、そのデザインはすでにそれを超えていました。初代ロードスターのデザインには、能面などの日本の伝統的な文化がフューチャーされているというのは、あまりに有名な話です。

デビュー当初の搭載エンジンは、1.6ℓ直列4気筒DOHCでしたが、1993年に行われたマイナーチェンジにおいて1.8ℓに排気量アップ。動力性能がアップした他、ボディ補強やブレーキ強化、LSDの改善など、基本性能を大幅に向上させました。さらに、1995年にもエンジン制御ECUの処理速度アップやファイナルギアの変更など、性能向上に努めました。

1998年に惜しまれながら2代目NB型にバトンタッチしましたが、NA型は中古車でますます人気が高まっていったのです。

“足りない”がNA型の魅力

マツダ ロードスター 初代

ロードスターはNB、NC、そして現行型のND型と世代交代。2018年現在のロードスターはフィアット 124スパイダーとプラットフォームを共有するほどに成長しました。ドライブフィールは、NA型と比べると隔世の感があります。というのも、1.6ℓ車(NA6CE)は言わずもがな、1.8ℓ車(NA8C)もまた“物足りなさ”がいっぱいだったのです。

僕は90年代の終盤に、中古車でNA8Cシリーズ1を購入しました。ロードスターが謳う「人馬一体」感には溢れていましたが、当時巷に溢れていたハイパワー4WDスポーツなどと比較すると、パワーやトルクは何とも物足りないものでした。またサスペンションにしても、スポーツ走行をするには、やはり不足を感じずにはいられませんでした。

ですが、そうしたNA型の“物足りなさ”は、別な楽しみをオーナーに与えてくれたのです。それはチューニングです。NA型は吊るしで乗らないのがスタンダードだったくらいに、チューニング用のパーツがアフターマーケットには豊富に溢れていました。もちろんメーカー系のマツダスピードからも、様々なパーツが出されていたのです。

吸排気系、サスペンション、パワートレイン系、ボディ補強など、一般のスポーツ走行用からレース用まで、ないパーツはないほど。それらは現在でも販売されており、中古で購入したNA型を自分の好みに変えることができるのです。

新車同然のNA型に乗れる喜び

マツダ ロードスター 初代

2017年12月、マツダは国内メーカーとしては非常に珍しいサービスを開始しました。それは20年も前に絶版となったNA型を、マツダがフルレストアしてくれるというもの。市場のプロショップなどに十分なリサーチを行い、オーナーが十分に満足できるメニューにしています。車両を持ち込むと、まず車両診断を実施。すべての部品を取り外し、消耗・交換部品はすべて新品に交換されます(一部部品は交換対象外)。

ボディは最新の技術で塗装され、まさに新車のような輝きを取り戻します。ソフトトップ(幌)も復刻した新品が取り付けられ、レストアを終えたNA型は20数年前の状態にほぼ戻るという、夢のようなサービスなのです。

ちなみに価格は、基本メニュー(ボディ&エクステリア)250万円(税込)〜。インテリアやエンジンなどはオプションで追加する必要があります。フルレストア(基本メニュー+全オプションメニュー)は485万円(税込)です。

リトラクタブルライトなどのデザインゆえに、未だ人気の衰えないNA型ですが、やはり長く乗ろうとすると、様々なメンテナンスが必要となります。四六時中メカトラブルに悩まされるということを考えれば、多少購入予算はかかっても、このレストアメニューは魅力的なのではないでしょうか。

レストアを完了した車両には、マツダとテュフラインジャパンの認証書、および作業内容と新品交換部品について1年間1万kmの保証が付帯します。

NBやNC、ND型も魅力的ですが、やはりロードスターと言えばNA型。世界中を虜にした、その走り。まずは、100万円以下から手に入る中古車で、味わってみてください。きっと、毎日の風景が変わるはずです。

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