タイヤのプロが低燃費タイヤの選び方を徹底解説!お勧め低燃費タイヤ11選

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いまもっとも進化しながらバリエーションを増やしているのが低燃費タイヤです。10年ほど前は、いわゆるエコタイヤは「転がり抵抗が少ないだけの面白味のないタイヤでした。実際に低燃費タイヤやエコタイヤがタイヤを購入する基準にはなりませんでした。

ところが、いまや低燃費性能に興味を持たれるようになりすべてのカテゴリーに低燃費タイヤが広がるようになりました。そしてその性能も年々性能アップしています。

では、ここでは改めて低燃費タイヤについて深く掘り下げ、お勧めの低燃費タイヤを紹介したいと思います。

斎藤 聡|さいとう さとし

モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。

斎藤 聡
Chapter
低燃費タイヤってそもそも何?
低燃費タイヤの歴史
クルマの燃費に対するタイヤの寄与率は?
低燃費タイヤの選び方
種類別低燃費タイヤおすすめ11選
スタンダードタイヤおすすめ低燃費タイヤ2選
ダンロップ・エナセーブ
ブリヂストン・エコピア NH100C
プレミアムコンフォートタイヤおすすめ低燃費タイヤ2選
ブリヂストン・REGNO GR-XII
ダンロップ・ビューロ VE304
ミニバン用おすすめ低燃費タイヤ
ブリヂストン・エコピア NH100RV
SUV用おすすめ低燃費タイヤ
ブリヂストン・アレンザLX100
コンフォートスポーツおすすめ低燃費タイヤ4選
ミシュラン・プライマシー4
ヨコハマ・BluEarth AE-01F
ダンロップ・ルマン5
グッドイヤー・EfficientGrip ECO
ウルトラハイパフォーマンスタイヤおすすめ低燃費タイヤ
グッドイヤー・EAGLE F1 ASYMMETRIC5

低燃費タイヤってそもそも何?

エコタイヤや低燃費タイヤなどいろいろな呼び方があるのですが、ここでは低燃費タイヤのラベリング制度(後述)の呼称に準じて一定の基準を満たしたエコタイヤを低燃費タイヤと呼ぶことにします。

じつは低燃費タイヤという言葉が改めて定義されたのは2009年のことです。それ以前は低燃費タイヤ・省燃費タイヤ・エコタイヤ・低転がりタイヤなど様々な言葉で呼ばれてきました。また低燃費タイヤと呼ぶ基準も定義もありませんでした。

従って当社比〇〇%転がり抵抗低減と各タイヤメーカー独自に性能表示をしていました。しかし比較するタイヤの性能で転がり抵抗のパーセンテージは変わってしまうので基準が曖昧であり低燃費性能の程度が分かりづらいものでした。
そこで低燃費タイヤ等普及促進協議会では基準のわからない低燃費の広告に惑わされないように明確なガイドラインを作りましょうということでタイヤラベリング制度と呼ばれる以下の基準を制定しました。

「低燃費タイヤの普及促進を図る取組みとして、タイヤの転がり抵抗性能とウエットグリップ性能を組み合わせたグレーディングシステム(等級制度)を確立し、ある一定値を満たすタイヤを低燃費タイヤとして定義づけすると共に、消費者に対し適切な情報提供をするラベリング(表示方法)の制度を構築するものである。」(低燃費タイヤ等の普及促進に関する表示ガイドラインより引用)

これにより転がり抵抗とトレードオフの関係にあるグリップ性能も一定の基準を満たしていることが低燃費性能を謳う重要な条件となりました。具体的な評価として転がり抵抗は[AAA,AA,A,B,C]の5段階に分けられます。

低燃費タイヤの定義はこのうちA以上、かつウエットグリップがa~dにあるものとしました。それらの性能は上記のラベリング表示例のように表記されます。

低燃費タイヤの歴史

タイヤラベリングが行われ低燃費タイヤが定義されるようになったと書きましたが、なぜ低燃費タイヤが注目を集めることになったのでしょうか?これはときどき話題に上がるCO2削減といった世界的な動きが背景にあります。

きっかけとして1997年に行われた京都議定書で温室効果ガスの削減が世界的な議題に上ったことが挙げられます。そこからCO2削減の機運が高まり2008年の洞爺湖サミットにより欧州でタイヤラベリングの基準作りが始まりました。

これに日本も同調し国内のタイヤラベリングのガイドラインが作られました。欧州では基準を満たさないタイヤは販売できないという厳しい法的規制があり施行までに少し時間がかかった一方、日本では日本自動車タイヤ協会主導による自主規制として始まった経緯もあり法的な整備が必要なく欧州より1年早く開始することができました。

日本では1998年に初代プリウスが登場して圧倒的な燃費性能で大きな注目を集めました。以来国内ではハイブリッドが積極的に開発・発売されるようになり、ユーザーの燃費に対する関心が高まっていきました。つまりエコタイヤがすんなり受け入れられたのはそのような背景があったからと言えます。

クルマの燃費に対するタイヤの寄与率は?

JATMAホームページによると一般道で7~10%、モード燃費試験で10~20%、一定速度走行だと20~25%程度になるといったデータがあります。

一般道で10%転がり抵抗の少ないタイヤを装着すると10%の10%で1%の燃費向上になる計算です。つまり20km/L走るクルマなら平均で0.2km/L程度の燃費向上が見込めるということになります。

一見少ないように思えますがこれが高速道路の場合、寄与率が20%まで上がったと仮定すると20km/Lだった燃費は20.8km/Lになる計算です。実際にはアクセルオフした後の車速回復時に車速が落ちにくいためアクセル踏み込み量も少なく済み結果的にはもう少し高速道路での燃費向上の割合は高くなると経験上考えます。

もちろん我々ユーザーにとっては燃費が良くなるうれしさや燃料代が(わずかですが)安く済むというメリットがあります。それだけでなく燃費の向上=CO2の削減につながっておりCO2削減に意識するとしないとにかかわらず役立っており世界的な取り組みに関わっていると言えます。

低燃費タイヤの選び方

では低燃費タイヤを選ぼうと思ったとき、どんなタイヤを選んだらいいのでしょうか?

そこで役に立つのが「低燃費タイヤとは」で紹介したタイヤラベリングです。タイヤラベリングに表示されるグレード(評価)は、転がり抵抗は転がり抵抗係数としてタイヤの荷重に対する転がり抵抗の比率としてウエットグリップは基準タイヤに対する減速Gの強さのパーセンテージで表し、それぞれグレーディングしています。

タイヤブランドごとに全サイズ厳しいテストを行いグレーディングしています。よって横比較できる正確さがこのラベリングにあります。ただしグレーディングには計測の幅があります。例えば○○タイヤの転がり抵抗Aと△△タイヤの転がり抵抗Aが全く同じ性能というわけではありません。

ところで、なぜ転がり抵抗だけじゃなくウエットグリップまで表示しているのでしょうか。それはタイヤの転がり抵抗とウエットグリップがトレードオフの関係にあるからです。グリップ性能を良くしようとすると文字どおり路面へのグリップがいいぶん転がり抵抗が大きくなります。

逆に転がり抵抗を良くしようとグリップ性能を落としていくと、グリップによる踏ん張りが少なくなり操縦安定性が悪くなります。特にウエットグリップ性能はこの傾向が顕著に表れます。

実際に燃費仕様のグレードに極端に転がり抵抗の少ないタイヤを標準装着し、カタログ燃費をよくすることが昔はありました。しかし今でも転がり抵抗低減を頑張りすぎてウエットグリップ不足だと思えるクルマもないわけではありません。
それではユーザーが良かれと思って低転がりのタイヤを買ったばかりに危険にさらされてしまうことになりかねないので、転がり抵抗とウエットグリップをセットで表示することになりました。

タイヤラベリング制度が始まった当初は転がり抵抗Aウエットグリップcをクリアする事も大変でした。なので低燃費タイヤの要件を満たしながら転がり抵抗AAを取得することやウエットグリップbを獲得できるタイヤはあまり多くありませんでした。

しかし現在ではタイヤ設計技術やコンパウンド開発技術が進んだことで、転がり抵抗AAA,AAでウエットグリップがa,bのタイヤも多くみられるようになってきました。なので、燃費を重視したいという人はAAA,あるいはAAのものを選ぶといいと思います。

またウエットグリップはちゃんとした性能が出ていないと怖い、と考える方はウエットグリップaあるいはbを選ぶといいと思います。

あくまでも個人的な感想ですが、ウエットグリップはできればa。まあb以上あると安心できるかなと思います。転がり抵抗で選ぶ場合はAAあると発進時のクルマの動きが明らかに軽くなることや、高速道路でのスピード維持のためのアクセルの踏み込み量の少なくなさを実感できます。

種類別低燃費タイヤおすすめ11選

いまエコタイヤは様々なカテゴリーのタイヤに広がっています。では、種類別にお勧めタイヤを上げてみたいと思います。

スタンダードタイヤおすすめ低燃費タイヤ2選

ダンロップ・エナセーブ

ダンロップ(DUNLOP)

ダンロップエナセーブ四本セット 185/60/15

40,238円〜(税込)

より最後まで使える 長持ちタイヤ。

スタンダードタイヤでは、まずおすすめスタンダードタイヤでも紹介したダンロップエナセーブEC204を挙げたいと思います。

転がり抵抗AAを実現しながら価格を抑えたコスパの高さが魅力です。

メーカー
ダンロップ(DUNLOP)
ブランド
ダンロップ(DUNLOP)
商品モデル番号
AUX_185601584H_90827_4_8D

ブリヂストン・エコピア NH100C

ブリヂストン(BRIDGESTONE)

ブリヂストン エコピア NH100C 185/60R15

5,225円〜(税込)

ウェット性能・ライフ性能と 低燃費性能を高次元で実現。

全サイズAA/bと優秀な低燃費性能を持っています。

転がり抵抗がAAクラスになるとベーシック系タイヤでもタイヤの転がり感が滑らかで上質になります。

メーカー
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
ブランド
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
モデル名
ECOPIA NH100 C 185/60R15 84H
梱包サイズ
cm; 5 kg
商品モデル番号
ECOPIA NH100 C 185/60R15 84H
商品の重量
5 kg

プレミアムコンフォートタイヤおすすめ低燃費タイヤ2選

ブリヂストン・REGNO GR-XII

ブリヂストン(BRIDGESTONE)

ブリヂストン REGNO GR-XII 185/60R15

11,000円〜(税込)

新品時・摩耗時ともに 上質な静粛性を実現。

レグノは69サイズ中31サイズでラベリングAA/bを獲得しています。低燃費タイヤというだけでなく、静粛性に定評のあるタイヤです。

メーカー
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
ブランド
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
モデル名
PSR07727
商品モデル番号
PSR07727

ダンロップ・ビューロ VE304

ダンロップ(DUNLOP)

ダンロップ ビューロ VE304 185/65R15

10,850円〜(税込)

最上級※の静粛性、快適性、最高レベルのウエット性能を求める方へ。

ヴューロVE304は、欧州プレミアムセダンもターゲットにした引き締まったタイプのコンフォートタイヤです。

適度にダンピングを利かせた (≒きゅっと引き締まった) 乗り味で、足回りのしっかりしたセダンにもマッチします。ラベリング65サイズ中64サイズがA/aを獲得。雨に強いプレミアム低燃費タイヤといったキャラクターを持っています。

メーカー
ダンロップ(DUNLOP)
ブランド
ダンロップ(DUNLOP)
モデル名
336576
商品モデル番号
336576

ミニバン用おすすめ低燃費タイヤ

ブリヂストン・エコピア NH100RV

ブリヂストン(BRIDGESTONE)

ブリヂストン エコピア NH100RV 225/60R17

55,000円〜(税込)

ウェット性能・ライフ性能と 低燃費性能を高次元で実現。

エコピアはベーシックタイヤで紹介したNH100のRVバージョンです。トランパスMLは元祖ミニバン専用タイヤの系譜です。いずれもラベリングがAA/bで、転がり抵抗の少なさ=燃費の良さが期待できる点と、雨でも安心できるウエット性能を両立しています。

たくさん人を乗せて走るミニバンだけにウエットでのグリップ性能の高さは大きな安心感を生みます。

メーカー
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
ブランド
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
モデル名
NH100RV2256017
梱包サイズ
cm; 5 kg
商品モデル番号
NH100RV2256017
商品の重量
5 kg

SUV用おすすめ低燃費タイヤ

ブリヂストン・アレンザLX100

ブリジストン

ブリヂストン アレンザLX100 225/65R17

15,000円〜(税込)

SUVの走りに、最上のもてなしを。

最近のRV人気を反映してSUV用にも低燃費タイヤが用意されています。裏話をすると、実はSUVに関してはタイヤラベリングの指定タイヤ外で、表示しなくてもいいことになっているのです。

なので、あえてラベリングを取得してオンロードでの低燃費性能をアピールしているということです。つまり、いまのSUV人気を反映したものといえます。

アレンザのラベリングはA/cですが、SUV用のレグノといった位置づけのタイヤで乗り心地や静粛性の良さが魅力です。

メーカー
ノーブランド
ブランド
ノーブランド品
商品モデル番号
et017529

コンフォートスポーツおすすめ低燃費タイヤ4選

ミシュラン・プライマシー4

ミシュラン(Michelin)

ミシュラン プライマシー4 185/60R15

13,820円〜(税込)

濡れた路面にも強い、プレミアムコンフォートタイヤ。

コンフォートスポーツは今とても充実している、スポーティでありコンフォート性能も備えた低燃費タイヤのことを指し示します。

操舵に対する応答が正確であり味付けもややシャープです。なのでスポーティな走りにも十分こたえてくれる性能を持っています。プライマシー4はサイズによりラベリングの表記が変わりますが概ね高性能と言えます。

AA/aが5サイズ、AA/bが11サイズ、A/aが18サイズ、A/bが7サイズです。

メーカー
ミシュラン(Michelin)
ブランド
ミシュラン(Michelin)
商品モデル番号
4985009700501

ヨコハマ・BluEarth AE-01F

横浜タイヤ

ヨコハマ BluEarth AE-01F 185/60R15

8,320円〜(税込)

新たに「AAA/c」を獲得。「ブルーアースAE-01F」誕生。

ブルーアースGTは、 AA/aが31サイズ、A/aが26サイズがあります。また転がり抵抗の少なさも特徴の1つです。

メーカー
横浜タイヤ
ブランド
横浜タイヤ
モデル名
F8322
梱包サイズ
cm; 6.6 kg
商品モデル番号
F8322
商品の重量
6.6 kg

ダンロップ・ルマン5

ダンロップ(DUNLOP)

ダンロップ ルマン5 185/60R15

6,325円〜(税込)

実感できる 快適性能をあなたに。

少しコンフォート寄りなのがダンロップ ルマンⅤです。

ルマンⅤは73サイズ中58サイがAA/b、15サイズがAA/cです。愛車タイヤのサイズはどちらなのか確認する必要があると言えます。

メーカー
ダンロップ(DUNLOP)
ブランド
ダンロップ(DUNLOP)
モデル名
4981160794113
商品モデル番号
4981160794113

グッドイヤー・EfficientGrip ECO

グッドイヤー(Goodyear)

グッドイヤー EfficientGrip ECO 185/60R15

5,380円〜(税込)

高い操縦安定性で快適なハンドリングを実現

こちらも少しコンフォート寄りなグッドイヤー エフィシエントグリップ・コンフォートです。

エフィシエントグリップコンフォートは59サイズあります。また59サイズ中50サイズがAA/b、9サイズがAA/cです。

メーカー
グッドイヤー(Goodyear)
ブランド
グッドイヤー(Goodyear)
モデル名
05602720
商品モデル番号
05602720

ウルトラハイパフォーマンスタイヤおすすめ低燃費タイヤ

グッドイヤー・EAGLE F1 ASYMMETRIC5

グッドイヤー(Goodyear)

EAGLE F1 ASYMMETRIC5

40,672円〜(税込)

ハンドリング性能を兼ね備えたEAGLEシリーズのフラッグシップモデル。

なんと、コンフォートスポーツだけでなくウルトラハイパフォーマンスタイヤ(以下UHP)の中にもエコタイヤの要件を備えたタイヤがあります。

それはグッドイヤー イーグルF1アシンメトリック5です。名前からすると、いかついハイグリップ系のUHPというイメージがあるかもしれませんが乗り味は意外にマイルドでしっとりしています。タイヤラベリングも34サイズ中23サイズでA/aを獲得しています。

UHPはタイヤの性格上ハイパワーセダンやスポーツカーにも純正装着されるため低燃費性能よりも操縦安定性を重視しています。今後はUHPタイヤも低燃費化が増えてくるのかも知れません。

タイプ
スポーツコンフォートタイヤ
ホイールサイズ
17インチ〜20インチ
タイヤ幅
211mm〜289mm
扁平率
30%〜55%
リム幅
-
リムガード
-
転がり抵抗性能
B〜AAA
ウェットグリップ性能
a
ランフラット
-
非対称パターン
このように様々なタイヤカテゴリーに低燃費タイヤは広く深く浸透しています。ひと昔前は退屈で面白みのないタイヤの代名詞だったエコタイヤはタイヤラベリング制度が始まったことで急速な進化を遂げることになりました。

実際に転がり抵抗とグリップ性能はトレードオフの関係にある、と言われてもそれホント?と聞き返したくなるくらい転がり抵抗とグリップ性能の両立が図られるようになりました。間違いなく低燃費タイヤはいま最も進化しているカテゴリーと言えます。

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