低燃費タイヤは本当にお得?エコタイヤ導入コストについても徹底解説!

ブリジストン ECOPIA

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車の燃費を少しでも良くしたいと考えるドライバーは多いでしょう。近年注目されているのが「エコタイヤ(低燃費タイヤ)」です。

タイヤをエコタイヤに交換すると燃費が向上するとされ、現在では販売店で購入される夏用タイヤの約80%がエコタイヤになっているほど普及しています。

では、なぜエコタイヤに替えると燃費が良くなるのでしょうか? 本記事ではその仕組みから、エコタイヤに替えた際の具体的な燃費改善効果、さらにメリット・デメリットや導入時の注意点まで徹底解説します。燃費改善に興味のある方はぜひ参考にしてください。

CARPRIME編集部

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Chapter
タイヤが燃費に与える影響:転がり抵抗と燃費の関係
エコタイヤとは?その特徴と仕組み
エコタイヤの基準(ラベリング制度)
エコタイヤに変えると燃費はどれくらい改善する?
エコタイヤのメリット
燃費向上による経済性向上(燃料代節約)と環境への貢献
タイヤ寿命の長さによる交換頻度低減とコスト削減
最新技術による安全性能
エコタイヤのデメリット
タイヤ購入価格が割高になる傾向
グリップ力が若干劣る可能性
燃費効果が劇的ではない
エコタイヤ導入時の注意点
空気圧を適正に管理する
交換時期(寿命管理)に注意する
用途に合った製品を選ぶ
徐々に慣れる・効果を実感する
まとめ

タイヤが燃費に与える影響:転がり抵抗と燃費の関係

車が走行する際、タイヤと路面の摩擦によって前進・停止・旋回などの動きが可能になります。しかしタイヤと路面の摩擦が大きいほど走行抵抗も増え、燃費は悪化します。

タイヤが転がる際には、接地面の変形や周囲の空気抵抗によって生じるエネルギーロスも加わります。

これらを総称して「転がり抵抗」と呼び、転がり抵抗が大きいタイヤほどエンジンに負荷がかかり燃費が低下してしまうのです。

燃費を向上させるにはタイヤの転がり抵抗を小さくするのが有効ですが、単純に抵抗を減らすとタイヤのグリップ力(摩擦力)が低下し、滑りやすくなってしまいます。

自動車メーカーやタイヤメーカーは車両安定性(安全性)と燃費のバランスを考慮してタイヤを設計しています。

例えば、転がり抵抗を小さくしすぎると制動距離が伸びたり雨天時のグリップが不足する恐れがあるため、一定の範囲で燃費とグリップの折り合いをつけているのです。

また、タイヤの転がり抵抗は車両重量にも影響されるため、車が重いほど燃費へのタイヤ寄与率も大きくなります。

エコタイヤとは?その特徴と仕組み

上述のように、タイヤは燃費と安全性のトレードオフ関係にあります。そこで登場したのがエコタイヤ(低燃費タイヤ)です。

タイヤメーカー各社はグリップ力を維持しながらエネルギーロスを減らす特殊コンパウンド(ゴム材料)を開発し、さらに燃費向上とグリップ力・ハンドリング性能・排水性などを両立するトレッドパターン(接地面の模様)を採用しました。

こうして転がり抵抗を低減しつつ安全性も確保したタイヤが一般にエコタイヤ(低燃費タイヤ)と呼ばれています。

エコタイヤの代表例であるブリヂストン「ECOPIA(エコピア)」は、転がり抵抗を抑え燃費性能を高めた低燃費タイヤシリーズです。

各メーカーからは乗用車・軽自動車・SUV・スポーツカー向けまであらゆる車種に対応するフルラインナップのエコタイヤが発売されており、近年は新車出荷時に標準装着されるタイヤ自体がエコタイヤというケースも増えています。

つまり現在では、燃費性能を重視したタイヤが主流になりつつあるのです。

エコタイヤの基準(ラベリング制度)

日本国内では、エコタイヤ(低燃費タイヤ)には明確な基準が設けられています。

日本自動車タイヤ協会(JATMA)の定めたタイヤラベリング制度では、一定の転がり抵抗性能とウェットグリップ(濡れた路面での制動性能)の両方で基準を満たしたタイヤだけが「低燃費タイヤ」と表示できる仕組みです。

具体的には、転がり抵抗性能が5段階中上位3等級(AAA・AA・A)に該当し、なおかつウェットグリップ性能がa~dの範囲内に収まることが条件となっています。

この基準をクリアしたタイヤには「低燃費タイヤ統一マーク」(地球とタイヤの絵柄)が表示され、ひと目で判別できるようになっています。

一方、このマークが無いタイヤやラベル表示で転がり抵抗がB以下のタイヤは低燃費タイヤの要件を満たしていない製品です。エコタイヤを選ぶ際は、このラベル表示を確認するとよいでしょう。

また、かつては低燃費性能を追求するあまりグリップ力が犠牲になる傾向がありましたが、近年の技術進歩によって転がり抵抗とウェットグリップを高水準で両立したタイヤも増えています。

最高等級の転がり抵抗「AAA」と高いウェットグリップ「a/b」を両立する製品も登場しており、燃費性能を高めながら安全面にも配慮した選択肢が広がっています。

エコタイヤに変えると燃費はどれくらい改善する?

肝心の燃費改善効果ですが、エコタイヤに履き替えると具体的にどの程度燃費が向上するのでしょうか。

欧州での研究結果としてエコタイヤへの交換で燃費が約6%向上するとの報告があります。例えばノーマルタイヤ装着時にリッター10km走る車であれば、エコタイヤに替えることで燃費が約10.6km/Lになる計算です。

年間1万km走行・ガソリン135円/Lの条件では、ガソリン代が年間で約7,641円節約できる試算になります。

一方で、日本国内のデータから推計すると、燃費改善幅はもう少し控えめになるケースもあります。JATMAの示すデータによれば、一般道路走行時にタイヤが燃費に寄与する割合は7~10%程度で、高速道路では20%前後に達します。

仮にタイヤの転がり抵抗を10%低減できるエコタイヤに替えた場合、一般道では燃費約1%改善、高速走行時には約4%改善すると見込まれています。

実際の燃費向上率は走行環境や車種によって異なりますが、概ねエコタイヤ導入で1~5%前後の燃費改善が期待できると考えて良いでしょう。

燃費数%の向上は一見小さいように思えますが、長い目で見れば燃料代節約や二酸化炭素排出削減に確実に貢献します。

とくに高速道路の長距離移動が多い方やハイブリッド車・軽自動車など燃費志向の車に乗っている方ほど、この燃費改善の恩恵を感じやすいでしょう。また、燃費が向上すればCO2排出量削減にもつながり、環境保全にも寄与できます。

ただし経済的な観点では、エコタイヤの購入時の価格差を燃料代の差額で回収するには相応の走行距離が必要なのも事実です。

先述の6%改善・ガソリン代試算の例では、タイヤ代の差額をペイするのに約6万kmの走行が必要とのデータもあります。

日常的な走行距離が少ない方にとっては、燃費改善そのものよりも環境への貢献やその他のメリットを重視してエコタイヤを選ぶのが良いかもしれません。

エコタイヤのメリット

燃費向上による経済性向上(燃料代節約)と環境への貢献

エコタイヤを装着することによる利点として、まず燃費が向上しガソリン代が節約できることが挙げられます。

日々の積み重ねで燃料コストを抑えることができますし、結果的にCO2排出削減にもつながるため環境にも優しい選択と言えます。

タイヤ寿命の長さによる交換頻度低減とコスト削減

エコタイヤは総じてタイヤ寿命(耐摩耗性)が長い傾向があります。

ノーマルタイヤの寿命が約3万km(または3~5年)程度とされるのに対し、エコタイヤは+1~2万km程度長く走行できるともいわれます。

長持ちするタイヤであれば交換頻度が減り、その分タイヤ購入にかかる費用負担を減らせるメリットがあります。タイヤ交換の手間が減ることや、廃タイヤの発生を減らせることは環境負荷低減にもつながるでしょう。

最新技術による安全性能

近年のエコタイヤは、燃費性能以外の品質も向上しています。

製品によっては静粛性(走行音の静かさ)や乗り心地、直進安定性などにも優れたモデルが存在し、「燃費は良いけど走りが悪いタイヤ」といった昔のネガティブな印象は薄れつつあります。

各メーカーが高度な技術を投入したエコタイヤが増えており、安全性能や快適性能を犠牲にせず燃費改善できる点は大きなメリットです。

エコタイヤのデメリット

タイヤ購入価格が割高になる傾向

エコタイヤは特殊技術を用いている分、同サイズのノーマルタイヤより価格が高めです。

製品やサイズにもよりますが、1本あたり数千円程度高い(約2,000円前後高い)ケースが多く報告されています。タイヤ4本交換となれば数万円規模で出費が増える可能性があるため、初期コストはデメリットと言えます。

もっとも、前述のように長寿命であることや燃料代節約を含めてトータルで見れば十分元が取れる場合もありますが、短期的には費用負担が増す点に注意が必要です。

グリップ力が若干劣る可能性

エコタイヤは転がり抵抗を低減する設計上、どうしてもノーマルタイヤよりグリップ性能が低下しがちです。

特にウェット(雨天)路面での制動やコーナリングでは滑りやすくなる傾向が指摘されており、急ブレーキや高速走行時の安定性に関しては注意が必要です。

ただし先述のように最新のエコタイヤではウェット性能も向上してきており、一般的な街乗りや法定速度内での走行で極端に不安を感じることは少なくなっています。

とはいえ、スポーツ走行や過酷な環境下ではノーマル(あるいは高グリップタイヤ)の方が安心である場合もありますので、自分の用途に合った選択が重要です。

燃費効果が劇的ではない

デメリットというより過度な期待への注意点ですが、エコタイヤの燃費改善効果は前述のとおり数%程度です。

タイヤ以外にも車両重量や空気抵抗、エンジン効率、運転方法など燃費に影響する要因は多々あります。

エコタイヤに替えただけでリッターあたり数倍も走れるような劇的効果は望めないため、過剰な期待は禁物です。

燃費向上策の一つとしてエコタイヤを活用しつつ、無駄な急加速を避けるなど運転面でのエコドライブも併用するとより効果的でしょう。

エコタイヤ導入時の注意点

空気圧を適正に管理する

エコタイヤ本来の低燃費性能を発揮させるには、タイヤの空気圧管理が非常に重要です。

空気圧が不足するとタイヤの変形が大きくなり、転がり抵抗が増えて燃費が悪化してしまいます。

空気圧が低下していると、せっかくのエコタイヤの性能もスポイルされてしまうため、月に一度程度は空気圧点検を行い、常に適正値を維持するよう心がけましょう。

特に気温の変化が大きい季節の変わり目や長距離ドライブ前後には入念なチェックをおすすめします。

交換時期(寿命管理)に注意する

エコタイヤは耐摩耗性に優れ長持ちしやすいとはいえ、ゴム製品であることに変わりありません。

溝が十分残っていても経年劣化によるひび割れや硬化が進めばグリップ力や排水性が低下します。

一般的な目安として、使用開始から5年が経過したタイヤは専門家による点検を受け、製造から10年が経過したタイヤは安全のために交換することが強く推奨されています。

仮にエコタイヤの寿命距離(例えば4万km程度)を走り切らなくても、時間経過による劣化を重視して安全管理をすることが大切です。

とくにヒビ割れが目立つ場合やゴムが硬化している場合は、上記の年数にかかわらず早めの交換を検討しましょう。

用途に合った製品を選ぶ

エコタイヤにも様々な銘柄があり、低燃費性能の高さに加えてウェット性能や静粛性、耐久性などのバランスは製品ごとに異なります。

例えば雨の日の走行が多い地域の方はウェットグリップ性能が高めのエコタイヤを選ぶ、静かな乗り心地を求める方は静粛性に優れたモデルを選ぶ、といった具合に自分の重視ポイントに合ったエコタイヤを選択すると良いでしょう。

タイヤのラベリング表示(転がり抵抗等級とウェットグリップ等級)はその判断材料になりますし、各タイヤのカタログや性能表示を比較検討することをおすすめします。

徐々に慣れる・効果を実感する

エコタイヤに履き替えた直後は、もしかするとハンドルの軽さやブレーキフィーリングなどに微妙な変化を感じるかもしれません(転がり抵抗が減った分、走り出しが軽快になるなどの傾向があります)。

これはタイヤ特性の違いによるもので、しばらく走行すれば運転感覚も慣れてくるでしょう。燃費計などで数値を確認しながら、エコタイヤの効果をじっくり実感してみるのも良いでしょう。

まとめ

以上、エコタイヤ(低燃費タイヤ)への交換による燃費改善の仕組みと効果、そしてメリット・デメリットや注意点について解説しました。

エコタイヤは劇的な燃費向上アイテムではありませんが、着実に燃料消費を減らし環境にも貢献できる選択肢です。

現在タイヤ交換を検討している方は、本記事の内容を参考にエコタイヤの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

適切なメンテナンスと安全運転を心がけつつ、燃費改善による経済的メリットと安心カーライフを手に入れましょう。
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