時代はSUV、なぜいまだに教習車はセダンが多いのか?

2017年現在、国内外で活況を示すSUVマーケット。次々にニューモデルが投入されている状況です。しかし教習所をのぞいてみると、変わらずセダンタイプが教習車となっています。これには理由があるのでしょうか?
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(2018年1月23日)

Chapter
教習車はセダンでなければいけない…ことはない!?
教習車がセダンタイプである理由とは?
教習車シェアNo.1のマツダの思いとは?

教習車はセダンでなければいけない…ことはない!?

教習車

現在、日本の自動車教習車で使われている車のほとんどがセダンタイプです。しかし実は、セダンを使わなければいけない、という規定は存在せず、SUVモデルやミニバンでも問題ないようです。ただし、教習車、試験車両には最低限の以下のような規定があります。

道路交通法施行規則第24条によると「乗車定員5人以上のもっぱら人を運搬する構造の普通自動車で、長さが4,400mm以上、幅が1,690mm以上、軸距が2,500mm以上、輪距が1,300mm以上のもの」とされており、ボディサイズの規定等はあるものの、この規格を満たせば、どんな車種を教習車に用いても問題ないようです。

であるならば、人気のSUVモデルやミニバンなどで教習したほうがいいのではないのか…と思う方もいるかもしれませんね。なぜ、いまだにセダンタイプが多いのでしょうか?

教習車がセダンタイプである理由とは?

トヨタ コンフォート 教習車

前述のサイズは、ちょうど欧州のCセグメントにあたります。つまり、このサイズのモデルであれば、なんでも教習車に使えるということです。しかし教習車というのは、少々特殊な架装がされていますよね。

助手席で教官(試験官)が使用するための速度計、ルームミラー、補助ブレーキなど。こうした架装を教習所が購入したモデルに施すとなると、作業の手間に加えて改造車登録を行わなければならなりません。

教習所で所有するクルマすべてを改造し、申請していたら、それこそ車両コストや事務コストがかかって仕方がない。メーカーは、そんなニーズに応えるため、自社のモデルに教習車仕様を用意します。

2017年現在、教習車をながめると、マツダ アクセラが多いのではないでしょうか。2014年のマツダの調べでは、教習車の保有する車両シェアの30%近くをアクセラが占めているそうなのです。理由は後述しますが、マツダは教習車事業に力を入れているわけです。

他にもメーカーで発売している教習車として、
・トヨタ自動車…コンフォート
・本田技研工業…グレイス
・スバル…インプレッサG4

が確認できます。いずれもCセグメントセダンとなっていますね。車種が少ないんじゃないか?と思われるかもしれませんが、これには明確な理由があります。それは、MTモデルが存在することが条件になっているからです。

また、セダンボディはボンネット、リアトランクがしっかり存在するため、車両感覚が養われるという点も挙げられます。

教習車シェアNo.1のマツダの思いとは?

マツダ アクセラ ハイブリッド HYBRID-S L Package

マツダにはドライバーに「走る歓び」を提供したい、という理念があります。アクセラ開発リーダーの田中氏のコメントによると、(『』内はマツダ公式ブログより)

『アクセルを踏んだら期待通りに加速する。ハンドルを切ったらイメージ通りに動く。そんな「人馬一体」の条件を、教習車でも提供し、初めてハンドルを握るクルマ“教習車”を通じて、「走る歓び」を感じて欲しい!その一心で開発してきました。』

とのこと。確かに、教習車は人生で初めてハンドルを握るクルマですよね。だからこそ、走る歓びを感じてもらえるモデルとして開発に注力しているそうです。

運転には、適切な「認知」「判断」「操作」の習得がとても大切。そのため、アクセラの教習車には、坂道発進アシスト、アイドリングストップ機構といった機能は、装備されていません。実は、こういった特別な仕様変更も教習車には必要なんですね。

アクセラで運転を覚えた、免許をとった、という方は、今後も増えていくことでしょう。