教習車を新車で購入することはできるの?普通車と何が違う?

教習所の車

※この記事には広告が含まれます

現在クルマを運転している方なら、一度はハンドルを握ったことがあるであろう教習車

各都道府県に設置されている自動車学校や教習所に導入されている車両ですが、この教習車と普通のクルマには何か違いがあるのでしょうか

そこで今回は、教習車と普通のクルマの違い、さらには購入することはできるのかなど、気になる点を詳しく解説していきます。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
教習車と普通のクルマの大きな違いは安全装備!
メーカーも力を入れる教習車とは?
新車で教習車を購入することはほぼ不可能!?

教習車と普通のクルマの大きな違いは安全装備!

教習車と普通のクルマの大きく違う点は、教習車にしかない装備が採用されていることでしょう。

安全装備というのは、基本的にクルマのドライバーが安全に走行するために取り付けられているものですが、教習車の場合ハンドルを握るのは多くの場合免許を持っていない、いわば初心者です。

なので、普通のクルマに搭載されている安全装備だけでは足りず、サイドシートに座って教導を行う指導員のための安全装備も搭載されています。

その最たるものとして挙げられるのが、補助ブレーキです。

先に述べた通り、教習車を運転するのはこれまで運転したことがないような初心者。そのため、アクセルとブレーキの踏み間違いや何らかのハプニングで、クルマを暴走させてしまいかねないほか、教習所内で事故が発生してしまう可能性もあります。

そういったことを防止するため、教習車には助手席側にもブレーキが備わっています。

教導中でも指導員の判断で減速や停止が可能になる、教習車には無くてはならない装備のひとつなのです。

メーカーも力を入れる教習車とは?

教習車には補助ブレーキの他、普通のクルマと異なる多くの安全装備が装着されていますが、補助バックミラーサイドミラーもそのひとつです。

周囲の安全確認は、初心者にとっての鬼門ともいえるもの。運転に慣れている方でも、安全確認を怠って冷や汗をかいた経験がある方も多いのではないでしょうか。

クルマに乗る以上死角をなくすことは事実上不可能なので、教習車には助手席からでも後方や周囲を確認できる補助ルームミラーやサイドミラーが追加されているのです。

エクステリア(外観)的にはクルマの側面が大きくなったように見え、決してスタイリッシュとは言い難いかもしれませんが、教習車は安全が何よりも優先されるべき車両なので、仕方ないことだといえるでしょう。
また、現在いくつかのメーカーが教習車専用モデルを開発しているのはあまり知られていない事実なのではないでしょうか。

トヨタでは、カローラ・アクシオをベースとした「トヨタ教習車」、マツダではマツダ2をベースとした「マツダ教習車」といったモデルの開発が進められているのです。

もちろんこれらは新型なので、従来のようにトヨタのコンフォートやアクセラを導入している教習所もまだまだ存在しています。これら新型は通常モデルと異なり、初めから教習車用として開発されているのが大きな特徴といえるでしょう。

そのため指導員用の補助安全装備はもとより、フロントピラーを改良して視界を広く確保できたり、インパネ中央にセンターマークが設置されていたりと、教習生にとっても安心して運転しやすい設計がなされているのです。

新車で教習車を購入することはほぼ不可能!?

現在、日本国内では教習車を新車で購入することはほぼ不可能といっても過言ではありません。基本的に教習車は個人向けの車両ではないため、一般ユーザーへ販売はしていないのです。

しかし、販売自体はディーラーを通して行われるため、ディーラーの対応によっては購入できる可能性もないとは言い切れません。

ただし、中古車なら話は別。

教習車などを扱っている中古車販売店も存在するので、そのような業者を探してみるのもひとつの手段です。また、運よく購入できたとしても、教習車そのままの形で乗ることはできない点も覚えておくと良いでしょう。

先に挙げたような教習車用の装備を一部取り外す必要があり、ナンバーも特種用途自動車を示す“8”から、クルマのサイズに合わせて“3”または“5”となるのです。
教習生のために、助手席側や細部にわたって安全装備を追加した教習車。

見た目こそ普通のクルマとほとんど変わりませんが、教習生が安心して運転できるようさまざまな配慮がなされています。

新車の状態で購入することはかなり難しいことが予想されますが、どうしても教習車を運転してみたい方は、中古車で探してみるのも良いかもしれません。

※2021年7月現在

商品詳細