後部座席の真ん中にある盛り上がり部分…ある車とない車の違いとは?

日産 ティアナ

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現代のクルマづくりにおいて、室内空間の確保は非常に重要なテーマとなっています。モデルチェンジでは、ボディサイズをほぼ変えずに室内空間を拡充したりと、メーカーは安全性を確保しながら室内空間を広げることに苦心しています。しかし、リアシート足元のセンターにボコッと盛り上がった膨らみがあるため、真ん中に乗る人が座りづらい車種がたまにあります。これは一体なんなのでしょうか?
Chapter
後部座席の真ん中の盛り上がりはタクシーなどでよく見かける
後部座席の真ん中の盛り上がりは何なの?
後部座席の真ん中の盛り上がりを最近あまり見かけない理由
最近では4WDでもプロペラシャフトがないケースも!?

後部座席の真ん中の盛り上がりはタクシーなどでよく見かける

普通車は5名乗りが多いですよね。タクシーなんかに乗ると、ドライバーがいるので助手席に1名、そして後部座席に3名で乗り込みますが、真ん中に座った人の足元がどうにも落ち着かない…なんてことがよくあります。

これは後部座席フロアに突起状の盛り上がりがあるためですが、最近の自家用車ではあまり見かけなくなりました。つまり、車種によってあったり無かったりするのです。これは何なのでしょう?

後部座席の真ん中の盛り上がりは何なの?

タクシーで見かけることのある、後部座席フロアの膨らみですが、これは駆動方式のためにどうしても必要なものです。

タクシーに採用されている車種として圧倒的に多いのがトヨタ コンフォート。このコンフォートの駆動方式はFR、フロントエンジンリア駆動というやつですね。

このFR方式は、エンジンの動力をリア(駆動輪)に伝えるプロペラシャフトというパーツが必要になります。このプロペラシャフトは、かなり太いパイプ状のもので、フロントのエンジン(トランスミッション)からリアのデファレンシャルギアまで、動力を伝達しています。

このパーツがあるために、FR方式の車はリアシート足元のセンターが膨らんでしまうというわけです。

同様に4WD仕様のモデルも、フロントからリアに動力を伝達する必要があるので、プロペラシャフトを持っています。ただし、最低地上高の高いRVでは、車の床下に通すことで室内のフロアをフラットにした車種もあります。

しかし、タクシーでよく見かけるだけで、愛車や知人の車ではあまり見かけない気がします。それはなぜでしょう?

後部座席の真ん中の盛り上がりを最近あまり見かけない理由

この”ボコッ”ですが、最近の自家用車ではあまり見ないよ、という声が多いでしょう。これは単純な話で、FRレイアウトのクルマが減ってしまっているからです。

FRのデメリットとして挙げられるのがまさにこれで、室内空間を拡充するのにこのプロペラシャフトが邪魔と考えられてしまったわけです。

また、重量・製造コスト増にも繋がることから、各メーカーは効率の良いFFレイアウトモデルを中心に開発をしてきたというのもあるでしょうね。

しかし、非常にバランスのとれた駆動レイアウトがFRともいえるので、少々残念にも思います。

最近では4WDでもプロペラシャフトがないケースも!?

FRでも4WDでも、大抵フロントに配置されているエンジンの動力を後輪に伝達させるために、プロペラシャフト等の補器を配してきました。

しかし最近では、このプロペラシャフトがなくても4WD仕様としているモデルも散見されるようになってきています。

たとえばハリアーハイブリッドは、リアにモーターとバッテリーを配置して、フロントのエンジンは前輪を、リアのモーターが後輪を駆動する「E-FOUR」という4WD機構を採用しています。

となると後部座席下の“ボコッ”も存在せず、室内空間も有効に使えることになるわけです。今後、こうした方式の4WDモデルは増えるでしょうね。

また最新のルノー トゥインゴなどのように、リアに動力源を積んだリア駆動のモデルなら、プロペラシャフトの呪縛から解放されますよね。とはいえ、クルマには重量バランスも重要な要素ですし、FR駆動モデルもそうした点では非常に魅力がある「伝統の駆動方式」といえます。

EV、ハイブリッドなど、環境分野の進化が著しい自動車ですが、ユーザーとしては今後も多様な選択肢を残して欲しいですね。
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