ガソリン税に消費税…なぜガソリンは二重課税なの?

ガソリンスタンド

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1リットルあたり130円のガソリンを購入したとき、そのうちの何割を「税金」として払っているのか、ご存知でしょうか?答えは約5割。金額にして66.23円です。その内訳は、ガソリン本体価格と、ガソリン税、石油石炭税、そして全体の金額に掛かる消費税ですが、これが二重課税ではないか?といわれているのです。

文・加藤久美子
Chapter
ガソリンにかけられる諸税、いくら払っている?
消費税が創設されて以降も、廃止、軽減措置ナシの「石油諸税」
ガソリン税に消費税、二重課税ではないのか?

ガソリンにかけられる諸税、いくら払っている?

日本はガソリンが高い!とよく言われますが、そのガソリン価格の約半分は税金です。

本来のガソリン税(本則税率)は、28.70円。それに25.1円の暫定税率を合わせた53.8円が、ガソリン税です。これに加えて石油税(2.8円)、そして消費税(10%)がさらに加算されているのです。ガソリンスタンドで表示される価格の5割前後は、税金として支払っているのです。

ちなみに暫定税率は、1974年に導入されて以来、何度も増額・延長されており、何度か撤廃の噂はあるものの、現在でも維持されています。

消費税が創設されて以降も、廃止、軽減措置ナシの「石油諸税」

消費税が日本で導入されたのは1989年で、当初の税率は3%でした。このとき、「公平・中立・簡素」という観点から、石油諸税を除いた、すべての個別間接税は廃止または、軽減措置(調整併課)が実施されるはずでした。

廃止は、物品税、電気税、ガス税、砂糖消費税等。軽減措置は、酒税、たばこ消費税、料飲税等です。しかし、ガソリン税、石油石炭税、石油ガス税など、石油諸税は「道路特定財源(道路の建設、補修に限定する目的税)」であることが理由に廃止や軽減が見送られました。

この結果、ガソリン税、石油石炭税、石油ガス税などの石油諸税には消費税がそのまま掛けられることになり、いわゆる「二重課税」に近い状態となったのです。それが、消費税導入から29年経った現在もずっと続いているということになります。

ちなみに道路特定財源制度も現在は、一般財源課され、道路以外にも使える税金となっています。

ガソリン税に消費税、二重課税ではないのか?

ガソリン税に対して、10%の消費税が掛けられているのは、二重課税になるのでは?と、これまで何度も議論されてきましたが、結局現在も変わることはありません。その理屈としては、

●ガソリン税と石油税の納税義務者は、石油会社である。
●消費税はガソリンを購入した消費者が納めるもの

つまり、ガソリン価格に限らず、商品やサービスの販売価格を決める際には、企業が負担するもろもろの税金コストを考慮して決められることが一般的なので(価格を決める際、法人税や固定資産税の支払いも考慮されるなど)、政府の見解によればガソリン価格だけが特別なものではないということなのでしょう。

とはいえ、実際に負担するのはいずれも消費者なのです。

沖縄は、ガソリン税が安い?

沖縄では、「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」によってガソリン価格が本土よりも安くなっていることをご存知でしょうか?

この制度によって沖縄のガソリンは、本土より1リットルあたりのガソリン税は7円減税されています。その一方で、離島地域における石油製品の価格の安定と円滑な供給を図るため「沖縄県石油価格調整税条例」により1.5円が徴収されます。結果、7円-1.5円=5.5円の減税となっています。

しかし2015年4月に、沖縄では唯一だった製油所が閉鎖されたことで、輸送コストが増加。販売価格は、全国でもトップクラスの高値になっています。ちなみに、沖縄県は高速道路も安いということをご存知でしょうか?一応期間限定とされていますが、常時3.5割引です。


ガソリンの二重課税状態は、まだしばらく続きそうです。せめて税率を本則税率だけにしてくれたらいいのに、と思うのは私だけでしょうか?

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