ホンダ「オデッセイ」のパワートレインは2モーター式のハイブリッドを搭載!【プロ徹底解説】
更新日:2024.09.09
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ホンダの最上位ミニバンとなる「オデッセイ」。2021年末で生産が終了されましたが、2023年12月に約2年ぶりに復活し、販売が再開されました。その復活した現行「オデッセイ」のパワートレインの内容を解説します。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
復活にあたりハイブリッド専用車に
現行型「オデッセイ」の誕生は2013年のことでした。そのときのパワートレインは、2.4リッターのガソリン・エンジンでした。その後、2016年に2リッターのハイブリッドを追加。エンジンとハイブリッドという2種類のパワートレインを揃えていました。
ところが、2023年の復活にあたり、パワートレインは2リッターのハイブリッドだけに。「オデッセイ」はハイブリッド専用車となったのです。
また、駆動方式も当初はFFと4WDの2つを揃えていましたが、2023年の復活後はFFだけに絞られています。
ところが、2023年の復活にあたり、パワートレインは2リッターのハイブリッドだけに。「オデッセイ」はハイブリッド専用車となったのです。
また、駆動方式も当初はFFと4WDの2つを揃えていましたが、2023年の復活後はFFだけに絞られています。
「e:HEV」と呼ばれる2モーターハイブリッド
「オデッセイ」に搭載されるハイブリッドは、2016年に初採用され、その後、メインのパワートレインとなりました。2016年の時点では「i-MMD」と呼ばれていましたが、現在では「e:HEV」と変更されています。ただし、内容は変わっていません。
この「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドは、シリーズ式とパラレル方式をミックスしたものです。シリーズ式ハイブリッドとは、エンジンで発電し、その発電された電力でモーターを駆動して走るというもの。モーター走行なのでBEVのような走行フィーリングとなります。パラレル式は、エンジンとモーターを物理的に接続するハイブリッドの方式となります。
この「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドは、シリーズ式とパラレル方式をミックスしたものです。シリーズ式ハイブリッドとは、エンジンで発電し、その発電された電力でモーターを駆動して走るというもの。モーター走行なのでBEVのような走行フィーリングとなります。パラレル式は、エンジンとモーターを物理的に接続するハイブリッドの方式となります。
そして、「e:HEV」は、走行の大部分をシリーズ式で走行し、高速道路などの一部の領域だけでパラレル式となります。走行の大部分がモーター走行のシリーズ式となるため、大変にスムーズな加速を見せます。また、エンジンを使うと高速走行の効率が高まるため、燃費的にも優れるのが特徴です。
通常は、シリーズ式として、エンジンと車軸は物理的に離れていますが、高速走行などで必要になるとクラッチでエンジンと車軸を接続します。
通常は、シリーズ式として、エンジンと車軸は物理的に離れていますが、高速走行などで必要になるとクラッチでエンジンと車軸を接続します。
「オデッセイ」の「e:HEV」のスペック
「オデッセイ」に搭載される「e:HEV」は、1993㏄の直列4気筒エンジン(LFB11型)と、走行用の交流同期モーター、発電用モーター、そしてリチウムイオンバッテリーが組み合わされています。
エンジンのスペックは、最高出力107kW(145馬力)・最大トルク175Nmです。それに対して、走行用モーターは最高出力135kW(184馬力)・最大トルク315Nm。エンジンよりも、走行用モーターの方がパワフルなのが特徴です。
燃費性能はグレードごとに異なり、エントリーの「e:HEV ABSOLUTE」で19.9km/l(WLTCモード)で、他の上位グレードは19.6km/l(WLTCモード)となります。エントリーグレードは、他グレードよりも車両重量が30㎏軽いのが、数値の良い理由と言えるでしょう。ちなみに車両重量はエントリーグレードが1920㎏で、他グレードが1950㎏となります。
エンジンのスペックは、最高出力107kW(145馬力)・最大トルク175Nmです。それに対して、走行用モーターは最高出力135kW(184馬力)・最大トルク315Nm。エンジンよりも、走行用モーターの方がパワフルなのが特徴です。
燃費性能はグレードごとに異なり、エントリーの「e:HEV ABSOLUTE」で19.9km/l(WLTCモード)で、他の上位グレードは19.6km/l(WLTCモード)となります。エントリーグレードは、他グレードよりも車両重量が30㎏軽いのが、数値の良い理由と言えるでしょう。ちなみに車両重量はエントリーグレードが1920㎏で、他グレードが1950㎏となります。
「オッデセイ」に搭載されるレイアウト
「e:HEV」のシステムは、「オデッセイ」への搭載にあたり、従来型よりもコンパクト化されています。モーターは、巻き線や構造を見直すことで約23%の小型軽量化を実現しました。また、走行用と発電用の2つのモーターを制御するPCU(パワーコントロールユニット)は、パワー半導体の導入やECUの高密度などにより小型化して、エンジンとモーターの上にコンパクトに配置されています。
リチウムイオンバッテリーと制御用ECUもコンパクトにまとめられ、1列目シートの床下に収められています。
メカニズムを小さくして、人の空間を広くとるのは、MM思想(マンマキシマム/メカミニマム)と呼ばれ、ホンダの古くからある車作りの哲学です。
リチウムイオンバッテリーと制御用ECUもコンパクトにまとめられ、1列目シートの床下に収められています。
メカニズムを小さくして、人の空間を広くとるのは、MM思想(マンマキシマム/メカミニマム)と呼ばれ、ホンダの古くからある車作りの哲学です。
ハイブリッドを使いこなすための機能
「オデッセイ」の「e:HEV」を使いこなすための機能も用意されています。それがステアリングに備えられた「減速セレクター」と、「ドライブモードスイッチ」「EVスイッチ」です。
「減速セレクター」は、減速時に効く回生ブレーキの効き目を、3段階に変化させることのできるもの。形状はパドルシフトそのものです。長く続く下り坂や、高速道路でアクセルひとつで前走車との車間距離を調整するときに、減速力を強くするとやりやすくなります。
「ドライブモード」を操作して、より省エネで走れる「ECOモード」や、よりキビキビ走れる「SPORTモード」を選択することができます。
また、エンジン音を出したくないときは「EVスイッチ」を押せば、EV走行を選択することができます。
「減速セレクター」は、減速時に効く回生ブレーキの効き目を、3段階に変化させることのできるもの。形状はパドルシフトそのものです。長く続く下り坂や、高速道路でアクセルひとつで前走車との車間距離を調整するときに、減速力を強くするとやりやすくなります。
「ドライブモード」を操作して、より省エネで走れる「ECOモード」や、よりキビキビ走れる「SPORTモード」を選択することができます。
また、エンジン音を出したくないときは「EVスイッチ」を押せば、EV走行を選択することができます。
「オデッセイ」の走りを支えるシャシー
オデッセイ」の特徴は「ミニバンなのに背が低い」こと。これによりミニバンというよりもセダンに近い、素直でキビキビとした走りが可能となります。そして、その走りを支えるのが、低床・低重心のシャシーです。シャシー各部の高剛性化や液封コンプライアンスブッシュ、2ピニオン式電動パワーステアリング、振幅感応型ダンパーなどを採用。セダンのような優れた運動性能と、快適な乗り心地を両立します。
最小回転半径は5.4mとなります。
最小回転半径は5.4mとなります。
2023年12月に復活を遂げた「オデッセイ」。そのパワートレインには、走行用と発電用の2つのモーターを使う「e:HEV」ハイブリッドが採用されています。