トヨタ ライズとライバル比較!同クラスはクロスオーバーが中心【プロ徹底解説】

ライズ フィットCROSSTAR ノートAUTECH CROSSOVER クロスビー

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トヨタのコンパクトSUVであるライズ。2019年11月に初代モデルがデビューして、すぐにヒットモデルとなりました。今回は、そんなライズのライバルは、どんな車になるのか? また、そのライバルとライズの違いは、どれほど?ということを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
全長4mのサイズで探すとクロスオーバーだらけ
4m前後の5ナンバーが中心
最低地上高と装着ホイール
室内空間の広さを比較
パワートレインを比較

全長4mのサイズで探すとクロスオーバーだらけ

ライズの特徴は、全長が4m弱というコンパクトな車でありながら、最大17インチのタイヤを装着したSUVというところにあります。パワートレインは1~1.2リッタークラス。エンジン車とハイブリッドが用意されています。
では、そんなライズのライバルは何になるのか? というと、意外と難しい話になります。実のところ、ホンダのヴェゼル、日産のキックス、マツダのCX-3などが、コンパクトSUVに該当しますが、これらは、みな全長が4.3mほどもあります。ライズよりも一回り大きく、トヨタでいえば、ヤリスクロスやC-HRがライバルとなってしまうのです。

それよりも小さくて、しかもSUVとなると、ホンダのフィットCROSSTARや日産のノートAUTECH CROSSOVER、そしてスズキのクロスビーが該当します。今回は、この3台とライズを徹底比較していきます。

4m前後の5ナンバーが中心

まず、ボディサイズを比較してゆきましょう。ライズの寸法は、全長3995×全幅1695×1620mmになります。全長4700mm以下、全幅1700mm以下が5ナンバーに区分されるので、ライズは5ナンバーになります。

ホンダのフィットCROSSTARの寸法は、全長4095×全幅1725×全高1570mm。ノートAUTECH CROSSOVERは、全長4045×全幅1700×全高1545mm。そして、スズキのクロスビーは、全長3760×全幅1670×全高1705mmとなります。この中で、フィットCROSSTARのみが、全幅1700mmを超えているので3ナンバー。他の3車は5ナンバーです。
長さを順に並べると、フィットCROSSTAR>ノートAUTECH CROSSOVER>ライズ>クロスビーとなります。背の高さはクロスビー>ライズ>フィットCROSSTAR>ノートAUTECH CROSSOVERです。

ライズは4車の中で、全長の長い方から3番目であり、高さは高い方から2番目というポジションとなります。

最低地上高と装着ホイール

ライズは、SUVということで、最低地上高が高くて、大きなタイヤ&ホイールを装着していることが特徴となります。最低地上高が高いほど、雪道などで車の走破性能は高くなるのです。

そんなライズの最低地上高は185mmあって、タイヤ&ホイールは16インチまたは17インチです。他の3車はどうでしょうか?
フィットCROSSTARの最低地上高はFFで160mm、4WDで155mm。タイヤ&ホイールは16インチを装着します。ノートAUTECH CROSSOVERは、最低地上高がFFで145mm、4WDで150mm。タイヤ&ホイールは16インチです。そしてクロスビーは最低地上高が180mm。タイヤ&ホイールは16インチとなります。

最低地上高は、ライズの185mmが最も高く、そしてクロスビー、フィットCROSSTAR、最後にノートAUTECH CROSSOVERと続きます。また、タイヤ&ホイールは、唯一、ライズのみが17インチを用意するのが特徴となっています。

悪路を走るのであれば、ライズが最も有利な寸法となっています。

室内空間の広さを比較

室内空間の広さは、どのような違いがあるのでしょうか。

ライズの車内空間は、室内長1955×室内幅1420×室内高1250mmとなります。室内長とは、前席のインパネから後席の一番上までの距離です。そして荷室容量は369リッターあります。

それに対して、フィットCROSSTARは室内長1955×室内幅1445×室内高1260mmで荷室容量は330リットル。ノートAUTECH CROSSOVERは室内長2030×室内幅1445×室内高1240mmで荷室容量がFFで340リットル、4WDで260リットル。クロスビーは室内長2175×室内幅1355×室内高1280mm。荷室容量は公表されていません。ただし、荷室床面長が525mで、ライズの755mmよりも短いため、ライズよりも容量が大きいことはないでしょう。
この数字を見比べると、ライズとフィットCROSSTARの数値が非常に近いことに驚きます。また、ノートAUTECH CROSSOVERは、その2車と幅と高さがほぼ同じで、長さが3㎝ほども長くなっています。そしてクロスビーはさらに長さが15㎝近くも長いことに驚かされます。幅は狭いものの、室内の長さと高さではクロスビーがトップとなります。

一方、荷室の広さはライズが最大級となっています。

パワートレインを比較

ライズのパワートレインは3種あります。1.2リッターのハイブリッドと、1.2リッターのエンジン、そして1リッターのターボです。ハイブリッドは、エンジンが発電に徹して、駆動はモーターが担う、シリーズ方式となります。その性能は、以下のようになります。

1.2リッターのハイブリッドは2WDのみで、その性能はモーター最高出力78kW(106PS)・最大トルク170Nmで、燃費性能が28km/l(WLTCモード)。1.2リッターのエンジン車も2WDのみで、最高出力64kW(87PS)・最大トルク113Nm、燃費が20.7km/l(WLTCモード)。そして、1リッターのターボが4WDで最高出力72kW(98PS)・最大トルク140Nm、燃費17.4km/l(WLTCモード)となります。
フィットCROSSTARは1.5リッターのエンジンを使うハイブリッド「e:HEV」と1.5リッターのエンジン車があります。駆動方式は、どちらにもFFと4WDが用意されています。ハイブリッドは、基本的にエンジンが発電して、モーター駆動を中心としますが、高速道路などの一部高速域でエンジンの力を直接駆動に使っています。シリーズ式を中心としながら、一部、パラレルになるという方式です。その性能は、ハイブリッドのモーター最高出力が90kW(123PS)・最大トルク253Nmで燃費性能はFFが27.1km/l(WLTCモード)、4WDが24.2km/l(WLTCモード)。エンジン車が最高出力87kW(118PS)・最大トルク142Nmで燃費がFFで17.6km/l(WLTCモード)、4WDが16.1㎞/l(WLTCモード)となります。

ノートAUTECH CROSSOVERはハイブリッド「e-POWER」専用車なので、エンジン車はありません。FFと4WDが用意されています。ハイブリッドの方式はライズと同じ、1.2リッターのエンジンが発電し、モーターで駆動するシリーズ方式です。モーターの性能はフロントが最高出力85kW(116PS)・最大トルク280Nm、リヤが50kW(68PS)・最大トルク100Nm。燃費は発表されていませんが、ノートのベースグレードでFFが28.4km/l(WLTCモード)、4WDが23.8km/l(WLTCモード)とあるので、それに近い数字になるはずです。

クロスビーのパワートレインは、1リッター・ターボのエンジンに、ISG(モーター機能付発電機)と小さなリチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッドとなります。駆動方式はFFと4WDの2種。その性能は最高出力73kW(99PS)・最大トルク150Nm+モーター2.3kW(3.1PS)・50Nmで、燃費性能はFFで18.2km/l(WLTCモード)、4WDで17.0km/l(WLTCモード)となります。
パワー的に言えば、1.5リッター・エンジンを搭載するフィットが頭一つ抜け出ているようです。それに続くのがノートAUTECH CROSSOVER。そしてライズとクロスビーが近い数値で並んでいます。

燃費は、ハイブリッドを比較すると、どれもFFで27~28㎞/l(WLTCモード)ですから、ほぼ差はありません。エンジン車の燃費は、ライズの1.2リッターだけが唯一、20を超える20.7km/l(WLTCモード)を記録しています。エンジン車の燃費では、ライズが勝っているようです。
ライズと、ライバル3車を比較してみれば、どの車もコンパクトなボディ寸法でありながら、広い室内空間を備えていることがわかりました。また燃費性能は、ハイブリッドはみな近い数字でしたが、エンジン車ではライズが頭一つ抜き出ていました。そして、ライズはタイヤ&ホイールが他よりも大きく、最低地上高も最も高く、荷室も一番広くなっていました。これはライズが唯一のSUVで、他がクロスオーバーであるというのが数字として出たと言えるでしょう。クロスオーバーではなく、SUVが欲しいというのであれば、やはりライズが最初の選択になるということでしょう。
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