ホンダ フィットRS試乗レポート 新しいスポーティグレードの走りとは!【プロ徹底解説】

フィットRS

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2020年2月に発売開始となったのが現行型となる4代目のフィットです。その発売から2年後となる2022年10月にマイナーチェンジが実施され、走りにこだわった新グレード「RS」が追加されました。今回は、その新しい「RS」グレードのエンジン車を試乗しました。その印象をレポートします。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
「RS」グレードならではのポイント
気持ちを高ぶらせるエクステリアとインテリア
レスポンスよいエンジンとシャキッとした動き
快適性と実用性、スポーツ度のバランスが絶妙

「RS」グレードならではのポイント

2020年の4代目フィットの登場から2年後となる2022年10月のマイナーチェンジで追加されたのが「RS」グレードです。これは名称からもわかるように、走りの質にこだわったというもの。
他グレードとの違いは、専用のエクステリア(フロントグリル、フロントバンパー、サイドシルガーニッシュ、リアバンパー、リアスポイラー、アルミホイール)に、専用インテリア(RS専用本革巻きステアリング、前席のプライマリースムース×ウルトラスエードのシート)、そしてRS専用サスペンションが装備されています。また、ハイブリッドのe:HEVには、アクセルオフ時に減速力を4段階に選択できる減速セレクターと、ノーマル/スポーツ/エコの3つのモードを持つドライブモードが専用装備として装着されています。

エンジン車のトランスミッションはCVTのみ。駆動方式はFFのみとなります。価格は、エンジン車で195万9100円、e:HEVで234万6300円となります。

気持ちを高ぶらせるエクステリアとインテリア

「RS」グレードならではの魅力のひとつは、そのルックスでしょう。左右のヘッドライトをつなぐブラッグのグリルは、ホンダを代表するスポーツモデルのシビック・タイプRを彷彿とさせます。前後バンパーの一番下の部分や、ドアの下のサイドガーニッシュなど、車の一番下の部分はブラック塗装されており、他グレードとは異なる締まった印象を見るものに与えてくれます。
また、黄色いステッチを使った本革巻きステアリング、ブラック中心となったインテリア、スエード素材を使うフロントシートもスポーティな印象を強めます。
4代目となるフィットは、「心地よさ」を大切にして開発されていますが、その分、「優しい」部分が強く感じられる車になっていました。その中で「RS」は、スポーティな「凛々しさ」を感じられるデザインが採用されています。

レスポンスよいエンジンとシャキッとした動き

「RS」と聞いて、試乗には少々、緊張してしまいましたが、よくよく内容を吟味してみれば、それほど尖った仕様ではありません。エンジン車のトランスミッションは、他グレードと同じCVTですし、ドライブモードはe:HEVのみで、エンジン車は何か特性を変えるようなスイッチもありません。1.5リッター直列4気筒エンジンの最高出力87kW(118PS)・最大トルク142Nmというスペックも、他グレードと変わりありません。
そのため、ゆったりと街中を流れに合わせて走っていれば、アクセル操作に対する車の動きもスムーズそのもので、静粛性の高さも十分。「スポーツカーだから、何かを我慢する」ということは一切ありません。

ただし、アクセルをやや強く踏み込めば、レスポンス良く十分なトルクが発生しますし、さらに強く踏み込めば、エンジン音はビートの効いた勇ましいものになります。

快適性と実用性、スポーツ度のバランスが絶妙

そして個人的に気に入ったのは、スポーティ度と快適度が高い次元でバランスするRS専用サスペンションです。平坦な道をゆったりと走れば、まるでノーマル・サスペンションのような快適な乗り心地。それでいて、前後のピッチングや左右のロールがしっかりと抑制されています。ゴツゴツしていないのに、シャキッとしたフラットな乗り味。運転が楽しくなる足回りと言えるでしょう。
パワートレインは他グレードと変わりませんが、このシャキッとした乗り味こそが「RS」の最大の特徴なのではないでしょうか。また、後席まわりや荷室は、他グレードと同じですから、フィットならではの実用性の高さはそのままというのも美点です。
「RS」はどういう車かと聞かれれば、「デザインとシャキッとした乗り味でスポーティな気分にさせつつも、快適性や実用性がスポイルされていない」というのが、今回の試乗で得た感想です。スポーティだけど、やりすぎない、絶妙な塩梅。それが「RS」でした。
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