トヨタ 新型シエンタをライバル「ホンダ フリード」と比較してみた【プロ徹底解説】

トヨタ シエンタ

7年振りにフルモデルチェンジを行った国産コンパクトミニバンのトヨタ シエンタ。

取り回ししやすい5ナンバーサイズボディの中に3列シートをレイアウトした優れたパッケージングが魅力で人気となっています。

国産コンパクトミニバンはこのシエンタとライバル車の2モデルで独占しています。

ここでは、シエンタとライバル車との違いを徹底比較します。

文・写真/萩原 文博

Chapter
シエンタのライバル「フリード」とは?
シエンタの良い点は?
フリードの良い点は?

シエンタのライバル「フリード」とは?

トヨタ シエンタのライバルとしてピックアップしたのは、ホンダ フリードです。

シエンタ、フリードともガソリン、ハイブリッドという2つのパワートレインを用意し、3列シート仕様だけでなく、2列シート仕様(フリード+)を用意するなどコンセプトも似ています。

また、一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表した2022年9月に新車販売台数でも、シエンタが7,785台。そしてフリードは7,763台と接戦となっています。

まず、ボディサイズを比較してみましょう。シエンタは、全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695(ハイブリッド4WD車は1,715)mmとなっています。

対してフリードは全長4,265(一部4,295)mm×全幅1,695mm×全高1,710(4WDは1,735)mmとほぼ同じサイズです。

室内の広さはシエンタの7人乗りが室内長2,545mm×室内幅1,530mm×室内高1,300mm。

一方のフリードの6/7乗りは、室内長3,045mm×室内幅1,455mm×室内高1,275(1,285)mmなので、シエンタのほうが幅と高さに余裕があります。

車両本体価格は、シエンタが1.5Xの195万円~ハイブリッドZ 7人乗り4WDの310万8000円。

一方のフリードはフリードG 6人乗りが227万5900円~ハイブリッドクロスター4WDの306万7900円となっており、ガソリン車はシエンタのほうに割安感が高くなっています。

搭載しているパワートレインは、シエンタは最高出力120ps、最大トルク145Nmを発生する1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン+ダイレクトシフトCVT。そして1.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステム搭載車の2種類。

駆動方式は2WD(FF)を中心にE-Fourと呼ばれる電気式4WDをハイブリッド車に設定。従来はガソリン車に4WDが設定されていましたが、新型シエンタではハイブリッド車に待望の4WDを設定しています。燃費性能はWLTCモードでガソリン車が18.3~18.4km/L。ハイブリッド車は25.3~28.8km/Lとなっています。

一方、フリードに搭載されているパワートレインは、1.5L直列4気筒ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムと1.5L直列4気筒ガソリンエンジンの2種類です。WLTCモード燃費はハイブリッド車が19.8~20.9km/L。ガソリン車は15.6~17.0km/L。

駆動方式はフリードの場合ハイブリッド車、ガソリン車ともに2WDと4WDを設定しているのが特徴です。燃費性能は新しいパワートレインを搭載しているシエンタが上回っています。

安全装備面では、プリクラッシュセーフティに車両、歩行者、自転車運転車に、自動二輪車(昼)を検知範囲に加えて、事故割合が高い交差点でも支援するプリクラッシュセーフティ。

さらに、運転の状況に応じたリスクを先読みして、ドライバーのステアリングやブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストを採用した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備しています。

さらに、縦列駐車や車庫入れ時のアクセル、ブレーキ、ハンドル操作、シフトチェンジの全操作を車両が支援する高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能「アドバンストパーク」を設定しています。

対して、フリードは「ホンダセンシング」を標準装備。衝軽減ブレーキをはじめ、先行車との車間距離を一定に保ち追従走行するアダプティブクルーズコントロール、車高速道路などで車線のセンターを走行できるようにサポートする線維持支援システム。

アクセルとブレーキを踏み間違えても急発進しない誤発進抑制機能など9つの機能によってドライバーをサポートしてくれます。

シエンタの良い点は?

シエンタとフリードを比べてシエンタの方が良い点は、まず燃費性能が挙げられます。燃費性能が優れたハイブリッド車どうしで比較してもシエンタはWLTCモードで25.3~28.8km/L。フリードが19.8~20.9km/Lと差が付いています。

また、シエンタの先代モデルでは、運転支援システムが弱点となっていましたが、現行モデルになった進化したトヨタセーフティセンスによりカバー。また車庫入れなどをサポートする高度運転支援技術「トヨタチームメイト」や通信機能のT-Connectなどフリードを上回る機能を採用しています。

フリードの良い点は?

フリードにはクロスターと呼ばれる、SUVテイストを盛り込んだグレードが用意されていることが挙げられます。また、シエンタの3列シート仕様は7人乗りしかないのに対して、フリードは2列目がキャプテンシートの6人乗りも用意し選択の幅が広いのも特徴です。

そして、現在のところシエンタはガソリン車、ハイブリッド車ともに最上級グレードのZしか購入できませんが、フリードは全グレードが選べる上、納期もシエンタより短いというものも見逃させないポイントです。

フリードは2016年に登場したモデルで、すでに6年も販売されているロングセラーモデルです。

充実した運転支援システムやSUVテイストのクロスターを設定するなど魅力が色褪せない実力派モデルです。

先代シエンタは運転支援システムの面で、フリードに水を開けられていましたが、現行型にスイッチしたことでこの差は埋まっています。

加えて燃費性能などではシエンタがリードしています。

ただ、シエンタはグレードが選べないことや新車の納期が長いなどデメリットもあります。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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