日産サクラの維持費は？新車購入から初回車検までに総額いくらかかる？【プロ徹底解説】

更新日：2023.05.19

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日産のサクラは、軽自動車であり、かつエンジンを搭載しない、完全なる電動車のEVとなります。そのため減税があるなど、維持費は比較的安くなることが予想できます。そこで、実際どの程度の維持費がかかるのかを計算してみました。今回は、購入後から最初の車検までの3年間に必要な維持費を説明します。

文・鈴木ケンイチ／写真・PBKK

鈴木ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3～4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会（AJAJ）会員　自動車技術会会員　環境社会検定試験（ECO検定）

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Chapter: 車検までに必要な維持費の内訳; 自動車税; 任意保険; ランニングコスト(充電費用）; メンテナンス費用; 総額はいくら

車検までに必要な維持費の内訳

車を維持するために必要な費用のひとつが税金です。車には「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税種別割(一般的に自動車税と呼ばれるもの）」があります。「自動車税種別割(自動車税）」は、軽自動車の場合、「軽自動車税種別割(軽自動車税）」となります。また、購入時には「消費税」もかかります。そして、新車購入時に「環境性能割」「自動車重量税」を支払います。また、「自動車重量税」は車検ごとに支払う必要もあります。つまり、新車購入後から、次の車検までの間に支払う税金は「軽自動車税種別割(軽自動車税）」となります。

次に必要な費用は、保険です。車には「自賠責保険」と「任意保険」のふたつが必要です。ただし、「自賠責保険」は新車購入時と車検時に掛けるものなので、購入後から車検までの間であれば「任意保険」だけとなります。

そして、ランニングコスト。走るほどに必要な燃料費です。ただし、サクラはEVなので、ガソリンではなく、電気の料金が燃料費となります。

最後に必要とするのがメンテナンス費用です。EVであっても、タイヤやブレーキ、バッテリーを点検する必要があるのです。

つまり、新車購入後から車検までの間の3年間に必要な費用は「軽自動車税種別割(軽自動車税）」「任意保険」「電気料金」「メンテナンス費用」となります。

自動車税

「軽自動車税種別割(軽自動車税）」は、毎年4月1日時点に軽自動車を所有する人に対して課される税金です。その額は、乗用車で1万800円となります。ただし、EVは2023年3月までは、グリーン化特例で減税対象となり75％の減税となり、2,700円となります。

新車購入から最初の車検までは3年あるので、「軽自動車税種別割(軽自動車税）」は3回支払うことになりますが、減税は1回だけなので、最初が2,700円で、残り2回が1万800円ずつ。3年間の合計は、2万1,600円です。

任意保険

「任意保険」は、それぞれの保険会社が独自に販売するため、保険の内容や会社によって価格が異なります。当たり前ですが、補償が手厚いほどに保険料金は高くなります。そして、加入する人の年齢が低いほど、保険金が高くなるもの一般的です。また、「任意保険」は加入している間、交通事故などで保険を使うことがなければ、毎年少しずつ割引が大きくなります。

保険の目安でいえば、26歳、6級(初めての契約）でネット保険の見積もりを取ってみたところ、保険料金は年間6万1,170円でした。車両保険は自損事故も含む、いわゆるフルカバーにすると14万2,650円。そのうち車両保険は8万1,480円です。

このまま事故なく過ごせば、2年目、3年目と保険料は割引となりますが、今回は目安ということで、3年分では単純に3倍として、42万7,950円となります。

ランニングコスト(充電費用）

車が走行するには燃料が必要です。EVであるサクラは、ガソリンではなく電力を使って走行します。つまり、走行距離に応じた充電を行い、そのための電気料金がランニングコストとなります。ただし、EVの充電は、自宅での普通充電と、外出先での急速充電の2通りがあります。また、自宅での電気料金も契約次第という部分があります。

そこで今回は、自宅での普通充電のみ、１kWh当たりの金額を30円で計算してみました。

サクラのカタログ電費性能は、124Wh/km(WLTCモード）です。1㎞走るのに、0.124kWhの電力を消費します。この性能で年間に1万㎞を走行すると、必要になる電力は1240kWhとなります。その電気料金は3万7,200円。その3年分となると、11万1,600円となります。

メンテナンス費用

EVであるサクラは、エンジンがありませんから、エンジンのオイル交換は不要です。ただし、ブレーキやタイヤなどは、エンジン車と同様に減ってゆきます。また、定期的な点検も必須となります。そうした作業にかかる費用がメンテナンス費用となります。

最近ではディーラーで必要なメンテナンスを、先払いするかわりに割安料金で提供するサービスが数多く用意されています。日産のディーラーのサイトを見ると、サクラ向けのメンテナンスパックがあり、半年ごとの点検とバッテリーの点検を実施すると、3年間の車検までの間で、通常では約12万円のメンテナンス費用が、約6万円になるとありました。パックになることで約半額になるというわけです。ただし、今回は目安ということで通常料金を選択しました。