日産 軽EV サクラの走行性能は?自動運転レベルも解説【プロ徹底解説】
更新日:2024.09.09
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日産がリリースした軽自動車のEVであるサクラ。その走りはいったいどのようなものなのでしょうか? 実際にハンドルを握って走らせた時の印象をレポートします。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
シンプルながらモダンで上質なインテリア
日産のサクラは、EVではありますが、寸法やスタイルは、同じ日産のデイズのようにハイトワゴンと呼ばれるもの。そのため、室内空間は、たっぷりと余裕があり、広々としています。特徴的なのは、そのデザインです。
シンプルながら、非常にモダンな雰囲気を携えているのです。その印象は、エクステリアでも感じとることができますが、インテリアからも強く感じることができます。
前席の前のダッシュボードには、車の左右にまで続く水平基調の意匠となっており、真ん中のディスプレイの下に、シフトノブなどの操作系が集中しています。また、車内のあちこちのパネルには、ファブリックが張られており、車というよりも、リビングのような居心地の良さを感じます。
走り出す前から、「今までのガソリン車とは違う、新しい車である」ことにワクワクとした気分になることでしょう。
走り出す前から、「今までのガソリン車とは違う、新しい車である」ことにワクワクとした気分になることでしょう。
驚くほど快適でパワフルな走り
走り出して驚くのは、EVならではの静粛性の高さです。エンジンの音だけでなく、振動もありませんから、非常に快適です。さらに駆動用の電池という非常に重いものが、床下にあることで、重心が低くなっていることが分かります。どっしりとしていて、それでいて路面からの衝撃も上手にいなされています。とても乗り心地が良いのです。
また、加速がパワフルであることにも驚かされました。実のところ、サクラの最高出力はエンジン車と同じ47kWになっていますが、最大トルクは195Nmもあります。これは、エンジン車でいえば2リッターの排気量のクラスに該当する性能です。サクラの車両重量は、重いバッテリーを搭載したことで、1,080㎏にもなりますが、その重さを感じさせることはありません。とにかくパワフルで、スポーツカー顔負けの迫力ある加速を可能とします。
とはいえ、サクラは普通の乗用車ですから、車の動き自体は俊敏ではありません。ゆったりとした動きなので、パワーがあっても急かされることはないのです。余裕ある走りと言えるでしょう。
静かで、乗り心地がよく、しかもパワフル。日産の軽自動車のフラッグシップと言える走り味です。
静かで、乗り心地がよく、しかもパワフル。日産の軽自動車のフラッグシップと言える走り味です。
アクセルひとつで幅広く速度をコントロール
サクラには、もうひとつEVらしい機能が採用されています。それが「e-Pedal Step」です。これは、シフトノブの横にある「e-Pedal Step」ボタンを押したときになるモードで、アクセルを戻したときに、より強く回生ブレーキが利くようになります。この機能をうまく使うと、走行速度の幅広い調整がアクセルペダルだけでできるようになるのです。アクセルとブレーキという2つのペダルを踏み替えながら走るのではなく、アクセルペダルひとつだけで運転できるのは、慣れてしまえば非常に便利な機能です。
ちなみに、サクラの「e-Pedal Step」は、完全に停止せずに、最後はクリープ状態となります。停まるときにブレーキを踏むという特性は、初めて「e-Pedal Step」を使う人には使いやすいはず。逆に慣れている筆者の場合は、完全に止まるまで効く方が嬉しいというのが正直なところでした。
充実した運転支援システム
サクラの上位グレードとなる「G」には、運転支援システムである「プロパイロット」が標準装備となります。これは、高速道路などで、前走車に自車速度を調整しながら追従するという機能です。高級車から導入が始まり、今では幅広い車に採用されている機能です。
サクラには、その前走車を追従するときに、自車の走る走行レーンをキープするためにステアリング操作までをアシストする機能が備わっています。アクセルとブレーキ、そしてステアリング操作までシステムがアシストするというのは、言ってみれば自動運転のレベル2に該当します。
高速道路を走るときに、この機能があると、本当に楽になります。高速道路を走る機会の多い人であれば、ぜひとも「プロパイロット」機能を備えたグレードを選ぶことをお勧めします。
高速道路を走るときに、この機能があると、本当に楽になります。高速道路を走る機会の多い人であれば、ぜひとも「プロパイロット」機能を備えたグレードを選ぶことをお勧めします。
サクラを走らせて思うのは、「本気で日産はサクラを軽自動車のフラッグシップとして作ったな」ということです。デザインがモダンで質感が高いだけでなく、走ってみれば静かで乗り心地がよく、そしてパワフルでした。しかも、先進の運転支援機能まで備わっているのです。自宅でEVの充電ができる環境であれば、ぜひとも購入を検討すべき1台だと思います。