日産 3代目ノートのエンジン&e-POWERのスペックや走行性能を徹底解説【プロ解説】

日産3代目ノート

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日産3代目ノートでは「第2世代e-POWER」を全グレードで搭載。パワートレイン、プラットフォームなど各部も改良し、高性能化が図られています。

よりパワフルで扱いやすくなった3代目ノートのスペックや走行性能を見ていきましょう。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
エンジン・パワートレインのスペック
e-POWERのスペックは?
モーターのパワーや燃費が向上
世界初となるロードノイズに合わせた発電システム
リアモーターを利用した本格的な4WDシステム
プラットフォーム&ボディのスペック・走行性能

エンジン・パワートレインのスペック

日産3代目ノートでは、2WDグレードとして「F」、「S」、「X」、4WDグレードとして「S FOUR」、「X FOUR」の計5グレードが用意されています。この全グレードで「e-POWER」が標準で搭載されており、ハイブリッドカーのみのラインアップとなりました。先代まで用意されていたガソリン車グレードは廃止。

いずれのグレードもエンジンは共通であり、1.2リッターDOHC水冷直列3気筒HR12DE型エンジン(最高出力82PS、最大トルク103N・m)を搭載しています。これにモーターが組み合わされ、2WDグレードでは、EM47型フロントモーター(最高出力116PS、最大トルク280N・m)が1基搭載されます。

4WDグレードでは、MM48型リアモーター(最高出力68PS、最大トルク100N・m)がさらにもう1基搭載され、フロント、リアで計2基のモーターを備えます。

e-POWERのスペックは?

「e-POWER」は、日産のシリーズ方式ハイブリッドシステムです。シリーズ方式というのは、ガソリンエンジンの動力は発電のみに使い、100%モーターの力でのみ走行するハイブリッドシステムを指します。

ハイブリッドカーでありながら電気自動車のようなフィーリングを得られるのが魅力であり、日産ノートは、先代から引き続き3代目でもこのシリーズ方式ハイブリッドシステムを採用しています。

また3代目ノートに搭載されるのは「第2世代e-POWER」となり、従来の「e-POWER」よりもさまざまな面で高性能化が図られています。

モーターのパワーや燃費が向上

2代目ノートに搭載されていた「EM57型」のフロントモーターは最高出力109psでしたが、3代目の「EM47型」では116psまで向上しトルクもアップ。さらに4WDグレードではリアモーターも追加されるため、先代よりモーターパワーは大きく向上しています。

インバーターも軽量化、小型化が図られており、より力強く滑らかな加速ができるようになりました。

燃費性能も向上しており、最も燃費のよい「F」グレードでは、JC08モードで38.2 km/Lを記録しています。

世界初となるロードノイズに合わせた発電システム

3代目ノートに搭載される「e-POWER」では、路面のロードノイズに応じて発電量を調整するシステムを世界初採用しています。

ロードノイズの多い荒れた路面では積極的にエンジンを作動して発電を行い、反対に綺麗に舗装されロードノイズが少ない道路では、エンジンをあまり作動させないようにして、車内への騒音を減らす仕組みです。

また「チャージモード」や「マナーモード」を使い分けることで、発電するタイミングを手動調整することもできます。

リアモーターを利用した本格的な4WDシステム

最高出力68PSのハイパワーなモーターをリアに配置したことで、アイスバーン、深雪、ウェットなどさまざまな悪路面を安定的に走破できる、本格的な4WDシステムを実現しました。

たとえばアイスバーンのような滑りやすい路面でも、リアモーターのエネルギー回生制御を利用して、安定したブレーキングが行えます。2代目ノートのe-POWER 4WDモデルと比べても、アクセルペダルOFFからクリープ車速までの距離は約40%も短縮されています。

プラットフォーム&ボディのスペック・走行性能

プラットフォームは先代が採用していたVプラットフォームから、CMF-Bプラットフォームに変更されています。

CMF-Bプラットフォームは、ルノー「ルーテシア」などにも採用されている上級小型車向けのプラットフォームです。ノートは快適性寄りのセッティングを組んでいるため、ルーテシアほどのスポーツ性はないものの、先代から比べると操作性や乗り心地はよく、走りの面でも磨きがかかっています。

加えて、車体骨格に日産初となる1,470MPa級の超ハイテン材(冷間プレス用超高張力鋼板)を採用。これによりボディ剛性がアップしており、同時に軽量化や衝突安全性の向上も実現しています。
3代目ノートは「e-POWER」が進化し、よりスムーズで力強いドライブが楽しめるようになりました。

プラットフォームやボディの改良により、走りの質自体が向上しているところも注目点です。

特にリアにもモーターを搭載する4WDモデルではその進化が十二分に味わえるでしょう。
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