BMW M4クーペの良い点や欠点などを試乗レビュー【プロ徹底解説】

BMW M4

街乗りからサーキット走行まで、ラクラクこなす贅沢なオールインワンモデルのBMW M4クーペ。

垂直方向に大型化したキドニーグリルに話題が集まっていますが、今回M4クーペの中心モデルとなるM4クーペCompetitionに試乗して、徹底評価を行いました。

話題の外観、そしてインテリアと走行性能を紹介します。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
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良い点
改善点

良い点

試乗車のM4クーペCompetitionのボディカラーは「サンパウロ・イエロー」です。垂直方向に延びたキドニーグリルが気になるところですが、フレームレスのキドニーグリルはブラック塗装され、これまで見てきた写真や動画と比べると違和感は感じませんでした

外観デザインは前傾姿勢で「いかにも速そう」という気が漂っています。細いAピラーからカーボンルーフそして、トランクまで流れるラインは空気の流れが見えるほどの美しさです。これぞエレガントかつスポーティという2ドアクーペのお手本のようなスタイリングです。

フロントバンパーに空いた冷却性能を高めるための大型のエアインテークやフェンダーに設置されたサイド・ギル。そしてダウンフォースを高めるリアスポイラーなど走行性能を高めるアイテムで武装していますが、優雅さは全く失っていません。

まさに優雅さとスポーティが融合した機能性抜群の外観デザインをM4クーペCompetitionは纏っています。

逆にインテリアはホールド性抜群のMドライバーズパッケージ(33万6000円)やカーボン・ファイバー・インテリア・トリム(15万1000円)を装着し、スポーティさを強調しています。

リアシートは大人でも十分に座れるスペースは確保されていて、アクセスも容易ですが、頻繁にリアシートを使うのであれば、M4クーペではなく、4ドアのM3を選べば良いこと。

やはり2ドアクーペはフロントシートに乗る2人の特別な空間を演出してくれます。

搭載しているエンジンは、最高出力510ps/最大トルク650Nmを発生する3L直列6気筒ツインターボ。組み合わされるトランスミッションは8速ATで、駆動方式はFRとなっています。

510ps/650Nmというスペックを聞いてしまうと、どれだけモンスターマシンなのかと不安になってしまいますが、そんな不安は杞憂でした。M4クーペCompetitionはまさに調教されたサラブレッドのようにドライバーに従順なクルマでした。

107万5千円という超高額なオプション装備であるMカーボン・セラミック・ブレーキを装着していますが、ブレーキが冷え切った状態での走り出しでも全く嫌なタッチはありません。

サーキット走行など高温に強いカーボンブレーキは、冷えた状態だとタッチも悪く、ブレーキの利きもイマイチなことがありますが、M4クーペCompetitionはそういったクセはまったくありません。

たしかに、電子制御サスペンションによって四輪にトラクションが掛かっているのはわかりますが、アクセルを踏んでからの加速も非常に紳士的で510psを発生するエンジンとは思えないほど静粛性も高いことには正直驚きました。

操縦性も良く、ハンドルを切るとスパッと鋭くクルマの向きを変えてくれるので、街乗りでも気持ち良く走ることができます。また、サスペンションの味付けも良好で、荒れた路面のギャップをいなしてくれるので快適そのものです。

今回は街乗りと高速道路での試乗だったのですが、走行モードを切り替えるとこのM4クーペCompetitionはサーキットでも抜群の走行性能を発揮するのは間違いないでしょう。

高速道路では、運転支援システムのACCを使用して走行しました。あいにくハンズオフできる渋滞はありませんでしたが、M4クーペCompetitionはGTカーのようにリラックスして走行することができます。無駄な動きをほとんどしないので、非常に疲れにくいのも特徴です。

M4クーペCompetitionは街乗りからロングドライブそしてサーキット走行まですべてをこなし、しかも高い実用性を兼ね備えたオールランダーモデルと言えます。

改善点

リアシートもあり、容量も十分確保したトランクによる高い実用性と街乗りからサーキットまでこなすオールラウンダーのM4クーペCompetition。

改善するポイントは見当たりません。

これは仕方ないことでしょうが、装着しているタイヤはミシュランのパイロットスポーツ4Sです。

ちょっと熱い走りをしてしまうとこのハイグリップタイヤの減りは大きいと思います。

高い走行パフォーマンスを味わうのであれば、高い消耗品代はしかたないということでしょう。

街中の安定感抜群の走行性能。そしてサーキットでの高いパフォーマンス。M4クーペCompetitionはジキルとハイドのような両面を持ち合わせたモデルです。すべてを1台で叶えたいというワガママな人の希望を実現してしまうでしょう。

しかし、サーキットを走行しなくても、M4クーペCompetitionのポテンシャルの高さは誰でも十分に味わうことができ、やはり1000万円オーバーのクルマはタダモノではないということを感じさせてくれます。

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