雨の日に注意!横断歩道の白い部分は滑りやすい?

横断歩道

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横断歩道の上を歩いていた際、白い部分で滑って転倒した経験はないでしょうか。

雨が降っている時は特に滑りやすく、バイクで転倒事故を起こしたことがある人もいるかもしれません。

なぜ横断歩道の白い部分の上は滑りやすいのでしょうか。これには、横断歩道を描くための塗料に関係がありました。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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滑らかさと水分がキーワード

滑らかさと水分がキーワード

横断歩道を含めた道路の標識を描くのに用いられている塗料は、一般的なペンキとは異なります。日本の産業規格であるJISによって定められた、K5665と呼ばれる専用の路面標示用塗料が用いられてるのです。

充てん骨材をはじめとして炭酸カルシウムや石油樹脂、ガラスビーズに着色顔料などを混ぜて造られた工業製品であり、この塗料は一般的なアスファルトと比較すると表面が非常に滑らかになる特徴があります。

路面表示材メーカー団体である路面表示材協会によると、湿潤時のアスファルトの滑り抵抗性は40BPNから70BPNなのに対し、路面標示用塗料は40BPNから50BPNと抵抗値が低くなると報告されています。

また、滑りやすい原因は水分にあると考えられます。横断歩道の上でなくても、乾いた路面と比較すると濡れた路面の方がスリップが発生しやすい傾向にあります。
特に、雨の降り始めは路面上のほこりや泥が浮くために、事故発生率も大きく上昇することが分かっています。

横断歩道上においては路面標示用塗料が耐水性が高く吸水性に乏しいことから、硬化した塗料の上に水分が膜を貼ったような状態になります。

その上を通過しようとすると、タイヤと路面との間に水の膜ができてタイヤが水の上を滑走する、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなるようです。

塗料の表面に凹凸を持たせたりするなど滑りやすさの改善を図っているものの、凸凹を持たせることで劣化が早まったり、そもそもJIS規格からはみ出てしまう可能性もあるとして、簡単には変更できない問題もあるようです。

横断歩道の上を通過する際、雨の日は特にスピードに気を付けて走行することが求められると言えるでしょう。
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