スバルWRX STIとあのライバルをプロが徹底比較&解説

スバル WRX STI EJ20 Final Edition

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2.0L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載したスポーツセダンのスバル WRX STIは、残念ながら2019年末に生産終了となっています。この稀少なカテゴリーに属するクルマのライバルとして取り上げたのは、インプレッサ WRXとともにラリーシーンで戦った国産ハイパフォーマンスセダン、三菱 ランサーエボリューションです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
WRX STIのライバルは後にも先にもランエボだけ
WRX STIの魅力は?
ランエボXの魅力は?

WRX STIのライバルは後にも先にもランエボだけ

2019年に生産を終了したスバル WRX STIのライバルとして、ピックアップしたのは2016年4月に販売終了している三菱 ランサーエボリューションXです。

WRX STIのルーツであるインプレッサ WRXとランサーエボリューションは、1990年代から2000年代初頭までWRC(世界ラリー選手権)で覇権を争ったライバルでもありました。
いずれも最終型で大きく進化した2台のボディサイズは、WRX STIが全長4,595mm×全幅1,795mm×全高1,475mm。ランサーエボリューションXは全長4,495mm×全幅1,810mm×全高1,480mmでした。

ホイールベースは両車ともに2,650mmで同じ。全長はWRX STIのほうが100mm長く、全幅はランサーエボリューションXのほうが25mm広くなっていますが、ほぼ同じサイズと言って良いでしょう。

ただし、取り回しの良さの指標となる最小回転半径はWRX STIの5.6mに対して、ランサーエボリューションXは5.9mと、エンジン搭載の仕方による差が出ています。
駆動方式はいずれもフルタイム4WDで、WRX STIはスバル独自のシンメトリカルAWDの安定性を活かしながら、コーナリング特性のコントロールを可能にする電子制御マルチモードDCCDを装備。センターデフの作動制限トルクをコントロ−ルできるDCCDは、ドライバーの好みや走行状況に合わせて回頭特性を変化できます。

いっぽうのランサーエボリューションXには、三菱独自の車両運動統合制御システム“S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)”をGSRに装備。アクティブセンターデフのACDやアクティブヨーコントロールのAYC、スポーツABSそしてアクティブスタビリティコントロールのASCを統合制御して、4輪の駆動力、制動力を高度にコントロールし、通常走行から緊急回避まで、さまざまな走行状況で駆動性能、旋回性、安定性を向上させ、ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現しています。

また「ターマック」「グラベル」「スノー」の3つの制御モードを設定。路面状況に応じて、より安定した走行を可能としています。

足まわりには、WRX STI タイプSがビルシュタイン製ダンパーを採用しているように、ランサエボリューションXもハイパフォーマンスパッケージではビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製のコイルスプリングを採用するなど装着される機能パーツも非常に似ているのが特徴です。

WRX STIの魅力は?

ランサーエボリューションXはすでに生産終了から5年が経過し、中古車相場は値上がり傾向。いっぽうWRX STIはつい最近まで新車販売されていたこともあり、一部の特別仕様車を除けば中古車相場はまだ安定していて、手に入れやすいことが挙げられます。

マルチモードDCCDは、ドライバーのスキルや好みによってクルマの回頭性を変更できることが魅力です。

ランエボXの魅力は?

ランサーエボリューションの良い点は、まずツインクラッチSSTと呼ばれるツーペダル車が設定されていることでしょう。WRX STIはMT車のみなので、AT限定免許の人にとっておおきな魅力です。

また三菱独自のS-AWCは、クルマの基本である“走る・曲がる・止まる”を電子制御することで、操縦性と安定性を高めるシステムで、『最高の電子制御技術』と評価するジャーナリストも少なくありません。

モータースポーツで培われた技術満載のクルマながら、AT免許で乗れる数少ないモデルです。
徹底的な電子制御によって車両をコントロールするランサーエボリューションXと、ドライバーが自由に調整できる領域を残しているWRX STI。どちらが良いかというのは購入するユーザーが決めることだと思いますが、いずれも日本が誇れるハイパフォーマンスセダンです。

低価格で、これほど高性能なクルマが今後登場することはないでしょう。そう考えると、程度の良い中古車が流通しているうちに手に入れたい1台です。
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