かわいいだけじゃない!ローバーミニのエクステリアデザインには国民車としての使命が表れている

ミニ 西川撮影

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ローバーミニは、フルモデルチェンジをせずに40年間販売され続けたことで有名な名車です。

BMWによるミニが販売されている現在においても、「ミニ」と聞けばこの型を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

今回はそんなローバーミニのエクステリアに注目していきましょう。

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
ローバーミニがかわいいエクステリアデザインである理由とは
シンプルなフロントのデザイン
コンパクトなレイアウトを感じさせるサイドビュー
荷室空間確保のためのリアデザイン

ローバーミニがかわいいエクステリアデザインである理由とは

動物の目のような丸目2灯のヘッドライトに小径ホイールが大きな特徴とも言えるミニのエクステリア。

これらの特徴から「かわいい」というイメージを持たれる方も多いかと思います。しかしミニの生い立ちを考えると、このかわいいエクステリアもしっかりと理にかなった形なのです。

現代的なカテゴリーに無理やり当てはめるとすれば3ドアハッチバックと言えるミニですが、この形は大人4人と荷物が積載可能な空間を確保し、走行に必要なメカニズムを可能な限りコンパクトに配置した結果、必然的に生まれた形と言えます。

撮影車両は1996年式の個体で、完全なフルオリジナルではなく所々にオーナー独自のカスタマイズが施されています。

ボディサイズは全長3,070mm・全幅1,440mm・全高1,330mmとなっています。現在の軽自動車の規格が全長3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2m以下なので、現代の軽自動車よりもコンパクトなサイズなのです。

シンプルなフロントのデザイン

現代のクルマと比べると非常にシンプルなデザイン構成となっているフロントマスク。アーチ状に近いグリルに丸目2灯のヘッドライト、そしてヘッドライトの下にウインカーが装備されています。こうしてみると灯火類も必要最低限という印象を受けます。

撮影車両はチンスポイラーとオーバーフェンダーが装着されているため、ベーシックなミニよりもより迫力のあるレーシーなフロントマスクとなっています。

ミニのフロント周りでもう一つ特徴的と言えるのが、フロントエンドが切り立っていることでしょう。エンジンとミッションが収まるスペースを確保しつつも、全長を可能な限り短くすることを目標とした開発コンセプトが表れているように見えます。

コンパクトなレイアウトを感じさせるサイドビュー

ミニの特徴的な形が必然的に生まれたものであると最も感じられるのが、サイドビューです。

短い全長、切り詰められた前後のオーバーバング、角度が起こされたフロントウィンドウ、小径のタイヤ&ホイールなどからそれを感じ取ることができます(撮影車両は10インチを装着)。

特に驚かされるのは全長です。約3mという全長は軽自動車はもちろん、マイクロカーと呼ばれるジャンルの現代のクルマたちにも匹敵します。この全長でありながら大人4人を乗せることが可能な設計となっていることに、驚きを隠せません。そのためサイドから見ると、ボディに対して窓の大きさが大きいように感じます。

そして改めて見直してみると全高の低さにも驚かされます。1,330mmという全高は現代のセダンはおろか、スポーツモデルに匹敵する低さです。

荷室空間確保のためのリアデザイン

リアビューもとてもシンプル。縦長にデザインされたライトにウインカーやテールライト、リフレクターなどが配置されています。なお、撮影車両のバックライトは右下に配置されています。

ボディの他の部分と比べると若干の傾斜がつけられているリア周りですが、この傾斜の中にはトランクルームが確保されています。

大人4人を乗せることはもちろんですが、それと同時に荷物も積めるように設計時に考えられていたミニ。その工夫がこのリア周りにも見受けられます。
現在でも「かわいい!」というイメージを抱かせる、ミニのシンプルなエクステリアデザイン。

しかしそれは単にチャーミングなだけでなく、「大人4人と荷物を載せることができる経済性に優れたクルマ」というイギリスの国民車としての使命を持って生まれた機能性の表れでもあります。

単純にデザインを見るだけでも魅力的なクルマであることは間違いありませんが、ボンネットやトランクルーム、室内をじっくりと見てから改めてエクステリアデザインを見てみると、そのデザインに納得がいくはずです。

メカニズム的にも興味深いエクステリアデザインとなっているのです。
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