売れない理由が見当たらない?トヨタ新型ハリアーは"現代最強"のデートカーだ!

2020年6月に4代目となったトヨタ、ハリアー。新型ハリアーは、日本自動車販売協会連合会の7月の成績を覗いて見ると、9,388台で、第4位に着けている。(ちなみに、第1位はヤリス、第2位はライズ、第3位はカローラとトヨタの好調さ健在)数字を見るだけても、新型ハリアーは売れている。では何故そんなに売れるのだろう?RAV4との違いはあるのだろうか?ここで、新型ハリアーの”売れる秘密”に迫ってみたい。

文・工藤 貴宏/写真・萩原 文博、宮越 孝政

Chapter
新型ハリアーを見た瞬間、ビビビッ!と来た!新型ハリアーのデザイン性と高級感
新型ハリアーは見れば見るほどセクシーなデザインに気付かされる
お世辞抜きで新型ハリアーのインテリアは高級感を感じる
RAV4とハリアーは一体、何が違う?
ハリアーの解説動画はこちらからどうぞ!

新型ハリアーを見た瞬間、ビビビッ!と来た!新型ハリアーのデザイン性と高級感

これは、売れない理由が見当たらないな。

はじめて新型ハリアーを見た日、そう強く感じたことを覚えている。年間数十台の新車に触れていると、「これは売れそう」とか「これは苦労しそう」というのが見た瞬間になんとなくわかる。

もちろんなかには外れる予想もあるけれど、「これは売れる!」と直感的に感じたモデルはほぼ外れない。新型ハリアーもその1台だ。

「良いクルマ買ったね」と声をかけられそうなクルマが新型ハリアー

ビビビッ!と来たポイント。それはまず外観デザインだ。人もクルマも第一印象が大切。多くの人が「欲しい」とか「乗りたい」と思えるデザインなら成功だ。そして、新型ハリアーに関して、デザイナーは本当にいい仕事をしたと思う。

いいと思うポイントはまず、エレガントで高級感があること。ハリアーはベーシックグレードでも約300万円とそれなりに高価。だからそれに見合う高級感が欲しい。実用性の高さが求められる安価な軽自動車やコンパクトカーとは違うのだ。もうすこし購入者心理に近い言葉でいうと「出費に見合ういいもの感が欲しい」ということ。

知り合いから「なんかいいクルマを買ったね」と思われるだけの高級な雰囲気が欲しいのは当然の気持ちじゃないだろうか。

新型ハリアーは見れば見るほどセクシーなデザインに気付かされる

新型ハリアーは、高級ホテルに乗り付けられるSUVという従来のイメージを裏切らない。そのうえでヘッドライトの仕立てとかテールランプの下に“くびれ”があるお尻のデザインとか、けっこうセクシーだ。

そして注目したいのがリヤウインドウ。思い切って寝かせることで、クーペ風のスポーティなスタイルとしている。

実は409L(床上の容量)という新型ハリアーの荷室は、従来モデルよりも狭いもの。空間も後席背もたれより上は狭くて、実質的に使えないほどである。

その理由はデザインをクーペスタイルとしたからであり、つまり荷室を広げることよりも美しいデザインを選んだのだ。そんな割り切りが、セクシーなデザインの秘密である。

「荷室の広さを重視するのであれば、RAV4もありますからね」とは開発責任者の言葉。ハリアーにとっては数値にこだわることよりも、雰囲気が大切なのだ。

お世辞抜きで新型ハリアーのインテリアは高級感を感じる

調光ガラスを採用した電動シェード付パノラマルーフ

ふたつめのポイントはインテリアだ。上質感が高いのである。「いいもの感」を得るためには、室内の上質感を高めるのが手っ取り早い。昨今のマツダ車にハイレベルな高級感を感じるのと同じ理由で、樹脂の表面の仕立てや加飾、スイッチの緻密さなどインテリアのフィニッシングがよければクルマが高そうに感じる。新型ハリアーの優れているポイントはそこだ。

ドアトリムやセンターコンソールは、まるで本革を張ったような仕立てで驚くばかり。お世辞抜きで、海外のプレミアムブランドと同水準、もしくはそれ以上のいいもの感を実感できる。その点も新型ハリアーは大成功だ。

そしてキラーメニューと言えるのが、トヨタ車最大となる12.3インチのセンターディスプレイ(「Z」に標準装備で「G」にメーカーオプション)。圧倒的な大画面で先進感があり、誰かを乗せた時にはどや顔で自慢できる。

こういった高級感の演出は初代ハリアーから巧みだったけれど、新型でも裏切られることはない。そして、それがオーナーの心をくすぐることをトヨタはよく理解しているのだろう。

先ほど、デザインのために荷室は犠牲になっていると書いた。しかし、いっぽうで後席の居住性にデザインの弊害はない。足元が広いのはもちろん、クーペライクなスタイルだから頭上がタイトかといえば決してそんなことはないのだ。

デザインと居住性を高いバランスで両立する、その絶妙なバランスが見事なのである。しっかりとツボを押さえているなあ……とトヨタの凄さに驚くばかりだ。

RAV4とハリアーは一体、何が違う?

新型ハリアーはいま、頑張れば手に入れることのできる範囲のクルマでは最強のデートカーだろう。最強のモテ車と言っていいかもしれない。ラグジュアリーホテルのエントランスのような、上質で洗練された世界を味わえるからだ。

そのうえで後席も広くてファミリーカーとしても高水準。そんなハリアーだから、ひと昔前の表現でいうところの“ちょい悪オヤジ”のような気持の若いパパがこぞって選ぶのも当然のなりゆきかもしれない。

ところで、ハリアーの割り切りの陰にRAV4とのすみ分けがある。

2台はおなじ開発責任者が同時平行で作ったモデル。だからRAV4はワイルド、ハリアーは都会派としてお互いのキャラクター分けを戦略的におこなって作られているのだ。

荷室の広さや悪路走破性を求めるならRAV4、多少荷室が狭くてもエレガントで高級な雰囲気を重視するならハリアー。

購入者がハリアーに何を求めるかをしっかりと理解し思い切ったキャラ作りを徹底したことが、新型ハリアーの「売れない気がしない」という第一印象の根底にあるのだと思う。

ハリアーの解説動画はこちらからどうぞ!

299万円から買える新型ハリアーを42分徹底解説!トヨタの誇るプレミアムSUV新型ハリアーについて開発主査の小島氏を迎え色々とインタビューしました!

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏|くどう たかひろ