トヨタ・ヴェルファイア(ハイブリッド)を徹底解説!トヨタの最高級ミニバンのグレードは?性能は?アルファードとの比較は?

トヨタ「アルファード」とともに国産Lクラスミニバンの最高峰に位置づけられる「ヴェルファイア」。ヴェルファイアとして2代目となる現行型では、2.5Lガソリン、3.5Lガソリン、そして2.5L+電気モーターのハイブリッドと、3タイプのパワートレインがラインナップされる。今回は、その中でもハイブリッドモデルに焦点をあわせ解説してみたい。

文・木谷宗義/写真・萩原文博

Chapter
2008年、初代 トヨタ ヴェルファイアが登場
2015年、初めてのモデルチェンジを受ける2代目ヴェルファイアが登場
3代目 トヨタ・アルファード(ハイブリッド)とヴェルファイアとの違いは?解説
トヨタ・ヴェルファイア(ハイブリッド)の中古車市場・相場を解説

2008年、初代 トヨタ ヴェルファイアが登場

アルファードとヴェルファイアは、フロント/リヤのデザインが異なる兄弟車のため、よく「アル・ヴェル」とひと括りにされるが、アルファードの現行モデルが3代目であるのに対し、現行ヴェルファイアは実は2代目。

ヴェルファイアが登場したのは、2008年にアルファードが初めてフルモデルチェンジを受けて2代目になったときなのだ。

ヴェルファイア 特別仕様車2.4Z“GOLDEN EYES ll

比較的おとなしいデザインのフロントマスクを持つアルファードに対し、ヴェルファイアでは2段構えのヘッドライトにクリアレンズのテールライトを採用するなど、カスタム仕様のようなテイストでデビュー。

販売店もアルファードはトヨペット店、ヴェルファイアはネッツ店とされ、アルファードよりも若い層をターゲットとして発売された。

ヴェルファイア 特別仕様車2.4Z“GOLDEN EYES ll

アルファード ハイブリッド SR“Cパッケージ”(7人乗り・4WD)〈オプション装着車〉

ハイブリッドのモデルの登場は、その3年後の2011年。アルファード/ヴェルファイアのマイナーチェンジ時だ。

 2.4L直列4気筒エンジン「2AZ-FXE」にE-Four(電気式4輪駆動)が組み合わされた「リダクション機構付のTHSII」が採用され、それまでラインナップされていたV6エンジン搭載モデルとは別の上質感や静粛性を実現。燃費は、10・15モードで19.0km/L、JC08モードで17.0km/Lだった。

ヴェルファイア ハイブリッド ZR“G EDITION”(7人乗り・4WD)〈オプション装着車〉

発売当初のグレードは、「ハイブリッドX」「ハイブリッドV」「ハイブリッドV Lエディション」「ハイブリッドZR」「ハイブリッドZR Gエディション」の5タイプで、「ハイブリッドX」と「ハイブリッドZR」にはサイドリフトアップシート装着車も設定された。価格は3,950,000円~5,650,000万円。

2012年には2トーン色のプレミアム本革シートにラグジュアリーセカンドシートアームレスト&シートコントロールスイッチなどを装備した上級仕様のPREMIUM SEAT EDITION」を発売。

「ハイブリッドV」と「ハイブリッドZR」に設定され、価格はそれぞれ5,800,000万円、5,950,000万円。なお、スポーツコンバージョンモデル「G’s」や2013年に発売された特別使用車「GOLDEN EYESⅡ」には、ハイブリッドモデルは用意されなかった。

2015年、初めてのモデルチェンジを受ける2代目ヴェルファイアが登場

そして2015年1月にヴェルファイアとして、初めてフルモデルチェンジを実施。「大胆・不敵」をテーマに、従来からの2段構えヘッドライトを継承しながら、より大きな迫力あるデザインに生まれ変わった。新たに後席を重視した最上級グレードの「Executive Lounge」も登場。

ハイブリッドパワートレインは、2.5L 2AR-FXEアトキンソンサイクルエンジンを採用し、JC08モード走行燃費19.4km/Lを達成した。

2017年12月のマイナーチェンジでは、内外装のデザインをブラッシュアップ。「Toyota Safety Sense」(第2世代版)が標準装備に。「Executive Lounge」にはエアロ仕様の「Executive Lounge Z」も登場した。

2018年10月にインテリジェントクリアランスソナーを全グレードに標準装備とする一部改良を経て、2020年4月現在の最新モデルは2020年1月に登場した一部改良モデル。スマートフォンとの連携を可能にした9インチのディスプレイオーディオ(DA)を標準装備となった。

またこの時、2020年5月からの全販売店全車種併売化を視野に入れ、フロントグリルのネッツマークがトヨタのCIエンブレムに変更されている。

ヴェルファイアのフロントグリルにトヨタのCIが装着されたのは、これが初めて。プレスリリースにも記載されていないが、大きな出来事である。

3代目 トヨタ・アルファード(ハイブリッド)とヴェルファイアとの違いは?解説

トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ

トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ

兄弟車であり最大のライバルでもあるアルファードとの違いを見ていこう。現行モデルも、先代モデルと同様にフロントマスクのデザインとリヤコンビランプ(アルファードがレッド、ヴェルファイアがクリア)が異なる。

アルファードは現行モデルでグリルを拡大し、高級サルーンとしての性格が強められたが、それはヴェルファイアも共通。2段構えのヘッドライトを中心に、先代モデルのイメージを踏襲しながら、より迫力のあるデザインとなった。エアロ仕様では縦に長いバンパーエアインテークが採用され、アルファードとは違った手法でワイド感を強調している。なお、ホイールのデザインは両車で共通だ。

トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ

先代モデルでは、「ハイブリッド=エコカー」のイメージを持たせるため、「プリウス」などとも共通するヒートブルーのカラーが採用されたエンブレムや専用デザインのアルミホイールが装着されていたが、現行モデルからはガソリン車と外観上の差異は、ハイブリッドエンブレム以外にない。

グレード構成は、名称こそ異なるもののアルファードとヴェルファイアで共通。価格も装備内容もまったく同じだ。価格は「X ハイブリッド」の4,547,000円から、「Executive Lounge S ハイブリッド」の7,752,000円まで。

トヨタ アルファード

ただし、フロントマスクのデザインの違いにより、全長だけは微妙に差が合って、アルファードが4,945mm(エアロ仕様は4,950mm)なのに対しては、ヴェルファイアは全車4,935mmとなる。

トヨタ・ヴェルファイアの走行性能、エンジンなどを解説

トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジ。パワートレーンに関してヴェルファイアと同様のものを使用している。

ヴェルファイアハイブリッドのパワートレインは、2.5L 2AR-FXEアトキンソンサイクルエンジン(112kW・152ps)に、105kW(143ps)のフロントモーター、50kW(68ps)のリヤモーターを組み合わされたハイブリッドシステム「THSII」を採用。

JC08モード燃費は、14.8km/L(市街地モード12.6 km/L、郊外モード15.6 km/L、高速道路モード15.4 km/L)だ。

走り出しから最大トルクを発揮する電気モーターと重たいボディのヴェルファイアとの相性はよく、街乗りでの動力性能は十分以上。力強さや瞬発力では3.5 V6ガソリンエンジンに敵わないが、上質感では勝る。

ガソリン車よりもどっしりした印象の走りを持つのは、モーターやバッテリーを搭載することによりガソリンよりも90kgほど車重があるためだ。

最新モデルでは「Toyota Safety Sense」が装備され、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能)やレーントレーシングアシストレーントレーシングアシスト(LTA)が搭載されるため、高速道路の運転は楽ちん。

Lクラスミニバンとしてはもちろん、ロングツアラーとしても魅力的なクルマとなっている。

トヨタ・ヴェルファイア(ハイブリッド)の中古車市場・相場を解説

中古車市場の動向もチェックしていこう。中古車情報サイトの掲載台数は、先代ヴェルファイアハイブリッドが200台弱。現行モデルで200台強といったところ。

ヴェルファイア全体では、4000台以上が掲載されているから、ハイブリッド車はかなり少ないといえる。

ガソリン車と比べ新車価格が高いため、多くの人はガソリン車を選んでいるのだ。また、700万円を超える最上級グレードの「Executive Lounge」では、あえて3.5L V6エンジン搭載車を選ぶ人も多いと聞く。それだけに、中古車市場でもハイブリッド車は少ないのだ。

価格は、先代モデルが150~350万円程度。現行モデルは350万円からといったところだ。もともとの台数が少ないから新車や登録済み未使用車、距離浅の高年式も多くなく、あっても価格は新車並みだ。

ただし、新車は納期が2カ月程度と長いため、すぐに手に入れたい人には魅力的に映るだろう。

では、現行の初期モデルはどうか? エアロ仕様の外観にエグゼクティブパワーシートを装備する売れ筋グレードのひとつ、「HYBRID ZR G エディション」は新車価格が5,654,000円だが、2015年式の現行初期モデルでも低走行車は400万円以上が相場だ。

総じてヴェルファイアハイブリッドの中古車は高いといえるが、逆に考えれば、これはリセールバリューがいいということ。高年式の中古車を考えているなら、初期投資は高くても同時に新車も検討したい。ただし、高いリセールバリューが望めるのは、ボディカラーが白か黒となる。

ちなみに、メーカーオプションのツインムーンルーフ(121,000円)は、オプション価格以上に評価される可能性があるから、つけておいて損はないだろう。

木谷 宗義|きたに むねよし

車メディアとSNSの編集者。編集者として企業メディアやSNSのコンテンツ制作を手がける、自身もライターとして年間約100本の記事を執筆する。自動車の歴史から機能解説、ドライブデートまでその幅は広いが、その主軸はひとりの自動車ユーザーとして「役に立つこと」。1981年、神奈川県生まれ。

木谷 宗義|きたに むねよし