メルセデス・ベンツ Aクラスを徹底レビュー!内外装・安全装備・グレード別の違い・荷室(ラゲージスペース)など紹介【プロ徹底解説】
更新日:2024.09.09
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2018年に登場した、メルセデス・ベンツ Aクラス。メルセデス・ベンツのエントリーモデルとしてラインナップされているAクラスですが、「ハイ、メルセデス」と呼べばクルマ側が反応してくれる最新のインフォテイメントシステム「MBUX」を搭載するなど、従来のエントリーモデルとは比べられないほど先進的なモデルに仕上がっています。今回は、外装、内装、安全装備、グレード別の違い、人気カラー、座席や荷室(ラゲージスペース)、オプション装備にライバルまで。などあらゆる視点からAクラスをひも解いていきます。
文・鈴木ケンイチ/写真・萩原文博
文・鈴木ケンイチ/写真・萩原文博
新型Aクラスの斬新なMBUXや操作系も、すぐに慣れてしまえる
もしも、あなたが新型Aクラスを初めて運転する、しかもメルセデス・ベンツ自体も初めて、というのであれば、きっと運転を不安に感じるのではないでしょうか。新型Aクラスの運転席には、メーターフードがなく、あるのは大きな平らなディスプレイのみ。しかも、ギヤのシフト操作はフロアではなく、コラムの右側で行います。
日本車でいえばウインカーにあたるレバーが、シフト操作を行うノブになっているのです。左手が触るセンターコンソール部にあるパッド状の入力装置も、操作が難しいと感じるかもしれません。
日本車でいえばウインカーにあたるレバーが、シフト操作を行うノブになっているのです。左手が触るセンターコンソール部にあるパッド状の入力装置も、操作が難しいと感じるかもしれません。
しかし、ほんの少しクルマを走らせるだけで、違和感はすぐに消えてなくなることでしょう。すべてがディスプレイ表示となるメーターの動きも、意外に見やすいことに気づくはず。ステアリングに添えた両手の親指に触れるスイッチを操作すれば、ディスプレイの表示やACCなどの操作が簡単に行えます。また、メインの大きなディスプレイはタッチセンサーなので、操作感はスマートフォンに近いもの。
ガラケーからスマートフォンに持ち替えたように、MBUXも使っていれば、すぐに慣れてしまうはず。そして、慣れるほどに、高度な新型Aクラスの機能を使いこなすことができるようになります。
ガラケーからスマートフォンに持ち替えたように、MBUXも使っていれば、すぐに慣れてしまうはず。そして、慣れるほどに、高度な新型Aクラスの機能を使いこなすことができるようになります。
新型Aクラスに搭載されているディーゼルの力強さは、メルセデス・ベンツだからこその安心感
試乗したのは2リッターのディーゼル・エンジンを搭載する「A200d」。オプションとなるAMGラインが装着されています。そのため見た目は非常にアグレッシブで、いかにもキビキビと走りそうなスポーティな雰囲気が醸し出されます。
しかし、実際に走らせてみると、意外にジェントルだなと思いました。ステアリング操作に対するクルマの動きは、ダイレクトですが、過敏というほどではありません。2リッターのディーゼル・エンジンは音も振動も非常に小さく、あまり存在を強く主張しません。
もちろん最大トルクが320Nmもあり、それがわずかエンジン回転1400rpmから発生しますから、加速力はなかなかのもの。さっと加速しながら、車線変更をするようなシーンでは、スポーティカーのような機敏な動きを見せてくれます。とはいえ最高出力は150馬力。延々と加速を続けるのではなく、伸び感はそれほどではありません。逆に、高速で走行しているときのエンジン回転数が低く、振動も騒音も少ない快適性が魅力に感じました。
新型AクラスのデザインにAMGラインを備えると爽やかなスポーティーさが好印象
スポーティな雰囲気はありますが、クルマに急かされるような子供っぽさはありません。それよりも高速走行での静粛性や、4輪がしっかりと路面を捕まえるような安定性。それらが生み出す安心感は、長時間でのドライブでの疲労軽減に大きく貢献します。
そうした安心感と疲労感の少なさというのは、メルセデス・ベンツが昔から備える美点。つまり、新型Aクラスはメルセデス・ベンツの伝統ともいうべき美点を、しっかりと継承しているということです。
そうした安心感と疲労感の少なさというのは、メルセデス・ベンツが昔から備える美点。つまり、新型Aクラスはメルセデス・ベンツの伝統ともいうべき美点を、しっかりと継承しているということです。
個人的な好みでいえば、AMGラインは格好良いのですけれど、ノーマルバンパーに16インチアルミホイールを組み合わせた素のルックスも落ち着きがあって好ましく感じられます。
16インチのホイール&タイヤは、エアボリュームが大きいので、路面の凹凸に対するあたりが柔らかく、乗り心地も良いのも魅力。地味かもしれませんが、そうした素のグレードこそ、メルセデス・ベンツが長年培ってきた安全性の高さや安定感といったものを感じられやすくなります。
16インチのホイール&タイヤは、エアボリュームが大きいので、路面の凹凸に対するあたりが柔らかく、乗り心地も良いのも魅力。地味かもしれませんが、そうした素のグレードこそ、メルセデス・ベンツが長年培ってきた安全性の高さや安定感といったものを感じられやすくなります。
MBUXやAMGモデルといった派手なアイテムを数多く手にした新型Aクラスですが、路面をしっかりとつかむタイヤのスムーズな動きやドライバーの意思に忠実に動く素直なハンドリングキャラクターといった、クルマ本来の基本の性格の良さ。それこそが新型Aクラスの最大の美点ではないでしょうか。