東京モーターショー2019で"技術の日産"を体感!VR体験コーナーや東京モーターショー限定グッズの販売など多彩な展開をみせる日産ブースをレポート!

TMS2019 日産 栗原 祥光

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開催中の東京モーターショー2019。日産自動車のブースは2台のコンセプトカーを軸として「これからの日産」を占う意味で、とても興味深い内容の展示を行っている。展示されている全車種を紹介しよう。

文・写真:栗原 祥光/写真:宮越 孝政

栗原 祥光|くりはら よしみつ

中央大学理工学部卒。通信機器メーカーにて回路設計をした後、長年の趣味であったオーディオへの夢を追い求めて専門雑誌の編集者へと転職。その後、一般誌の編集を経て現在フリーランスのカメラマン&ライターとして主にWeb媒体で活動する。モータースポーツのレポートや新車試乗記のほか、グルメやエンタメ系など幅広い分野で執筆中。

栗原 祥光
Chapter
電動化、自動化を見据えたコンセプトカーを2台用意
日産 IMk CONCEPT
日産 ARIYA CONCEPT
日産 GT-R 50th Anniversary
日産 フェアレディZ 50th Anniversary
日産 NOTE e-POWER NISMO S
日産 セレナ
日産 エクストレイル
日産 デイズ
日産 スカイライン
未来のレーシングカー?日産 リーフ・ニスモRC 02
VR体験コーナーや東京モーターショー限定グッズの販売など、多彩な展示

電動化、自動化を見据えたコンセプトカーを2台用意

まず2台のコンセプトカーから。従来コンセプトカーというと、夢の車という印象が強く、実際に東京モーターショー2019で展示されている他社の中には「電動化、自動化」の未来を強く打ち出している。しかし今回発表した2台のEV車両は中畔邦雄副社長によると「非常に近い日産の方向性を示す車」として注目すべき存在だろう。

日産 IMk CONCEPT

まず1台目のIMkは、いわゆる軽自動車規格のコンパクトカー。EVならではの低重心のパッケージを採用した新開発プラットフォームを採用し、コンパクトなボディサイズでありながら、EVならではの力強くスムーズな走りと静粛性を実現。これは都市でのストップアンドゴーや車線変更などで威力を発揮しそうだ。また、新型スカイラインで採用している運転支援技術「プロパイロット 2.0」を進化させた次世代の運転支援技術を搭載。高速道路だけでなく主要幹線道路に利用範囲を拡大して運転をサポートする。さらにクルマが無人の状態で自ら駐車スペースを探して自動で駐車するだけでなく、必要な時にドライバーがスマートフォンで呼ぶと迎えに来てくれる「バレーパーキング機能」などを搭載する。

日産がここまで軽自動車に機能を詰め込んだのは、年間約500万台と言われる日本の自動車市場において、約200万台が軽自動車であることからもわかるように、日産自動車としては軽自動車が無視できない存在になっているという現れだろう。それゆえ今年登場したデイズにもプロパイロットを搭載し、製品の魅力度を大きく高めた。それは軽自動車が「セカンドカー」から「ファーストカー」へと格上げし、多機能が求められているという他になく、今回のIMkはその意志表明といえるだろう。

日産 ARIYA CONCEPT

もう1台は、SUVスタイルのアリアコンセプト。2モーターで前後輪をそれぞれ駆動させる4WD(4輪駆動)システムを搭載し、卓越した発進性能のみならず、あらゆる路面での安定性や高い乗り心地を追求したという。デザイン面でも、同社が進めているVモーショングリルを、よりスタイリッシュに、大型グリルを協調するようなフロントマスクにも注目だろう。こちらも「プロパイロット2.0」を搭載。目的地に到着した後は「プロパイロット リモートパーキング」をスマホや専用デバイスで操作し、クルマを自動駐車させる機能も新たに採用している。サイズ的に次期エクストレイルという見方もできそうで、その意味において現実味があるものとして注目の存在だ。我が国はもちろん、世界的にSUVは人気のジャンル。そこにEV車を投入し市場における存在感をたかめようとする日産の意志を感じた。


さて。東京モーターショー全体を見て寂しく思うのは車の華といえるスポーツ車種の展示が少なかったこと。しかし日産は「自動化のいっぽうで、車を操る楽しさ」を忘れていないことを明確にしている。

日産 GT-R 50th Anniversary

今年50周年を迎えた「GT-R」ブランド。NISSAN GT-Rは絶え間なく進化を続ける「イヤーモデル制度」を採るが、今回展示したのは来年3月まで受注を受け付ける「GT-R 50th Anniversary」。青に白のストライプ、「ミディアムグレー」の内装は専用のもので、メーターパネル、サイドシルのキックプレート、センターコンソールなどに、「50th」あるいは「50th Anniversary」の文字が輝く。GT-Rが次の50年に繋がっていくことを期待したい。

NISSAN GT-Rは当初「速さ」を追い求めた車であったが、MY2017から「速くて快適」というGTの要素を強くしていったのはご存じの通り。そのいっぽう、純粋に速さを追い求めるためにGT-Rに惹かれている人もいるのも事実。そんなRacing、つまり「R」の要素の極北とするのが「NISSAN GT-R NISMO」。カーボンパーツが奢られたほかパワーアップしたエンジンは、GT-Rの誇り、意地を感じずにはいられない。

日産 フェアレディZ 50th Anniversary

もう一つ50周年を迎えたブランドが「フェアレディZ」だ。2シーター・クーペスタイルという不変のスタイリングは、今でも見る人の心を惹きつける。Z 50thアニバーサリーモデル は、白/赤と銀/黒のコンビネーションのカラーリングを用意。フロントフェンダーにステッカー、リアには50周年記念を象徴するバッジを追加し、ホイールリムにレッドラインを追加した19インチアルミホイールを採用している。インテリアには、レーシングカーをイメージさせるセンターストライプを施したアルカンターラ表皮のステアリングホイールのほか、シートとシフトノブ周りやメーター内に50周年記念ロゴを配するなどの演出がなされている。ちなみに日産のスポーツカーでMT車設定があるのはフェアレディZのみ。もっとも硬派な日産車といえるだろう。さらに上位グレードのフェアレディZ NISMOになると、日本車で最も高価なMT車種。その孤高の存在は色あせることはない。

日産 NOTE e-POWER NISMO S

さすがにそんな高い車は……なにより現実的に使いやすいモデルが、という方にはコンパクトなスポーツハッチバックが用意されている。それがNOTE e-POWER NISMO Sだ。2018年度の登録車販売ランキングで1位を獲得したNOTE e-POWERをベースに、109psから136psに出力を向上させた電動パワーユニットと専用開発されたドライビングモード、そして車体のチューニングがなされているモデルだ。その走りはエコカーとは一線を異なるもので、新世代のハッチバックといった印象だ。

日産 セレナ

ミニバンも忘れてはいけない。日本で最も売れているミニバン「セレナ」も今年、安全装備の追加や意匠の変更でマイナーチェンジを果たした。東京モーターショーでは、e-POWER搭載モデルと、特別仕様のオーテックバージョンの2車種を展示し訴求していた。

日産 エクストレイル

SUVも忘れてはいけない。エクストレイルは参考出品として20Xi仕様を展示。力強いフォルムにプロパイロット搭載という魅力は、SUV 4WD日本国内No.1という実績が示している。

日産 デイズ

今年登場した日産車の中で話題の2車種もラインアップされている。1つは軽自動車のデイズ。日産としては初となる軽自動車にプロパイロットを搭載したモデルであるほか、SOSボタンも搭載。万が一に備えた、ファーストカーにピッタリの1台だ。

日産 スカイライン

そして高速道路ハンズオフを実現したプロパイロット2.0搭載のスカイライン。この機能を搭載するのはハイブリッド仕様のみで、展示されているのは勿論ハイブリッド仕様だ。このスカイライン、インフィニティブランドから日産ブランドに戻ってきたことも話題。エンブレムを見ながら、やはりスカイラインは日産の車であることを改めて思うことだろう。

現在の日産の象徴といえるのが日産リーフだ。東京モーターショーでは、航続距離を延ばした「日産リーフe+」が展示されている。展示では、大容量バッテリーに貯めた電気を専用機器を介して、様々な電気製品の電源としての活用可能であることを紹介。停電時の非常用電源としてだけでなく、太陽光発電の電力固定価格買取制度の満了(After FIT)を迎えた人たちのエネルギー自家消費にも対応できる、蓄電池としての価値があることを訴えていた。

未来のレーシングカー?日産 リーフ・ニスモRC 02

さらにこのリーフを元としたレーシングカーも展示され、モータースポーツでも電動化の時代が来ることを示唆。実際にFormula Eにも参戦している日産なだけに、その活躍に期待したい。

VR体験コーナーや東京モーターショー限定グッズの販売など、多彩な展示

ブース内部では物販コーナーを設置し、「NISSAN GT-R」と「フェアレディZ」の50周年を記念した東京モーターショー限定グッズを販売している。その他にもニッサンブランドのグッズやミニカー等も並べられ、こちらも盛況であった。
またヘッドマウントディスプレイと体感シートによる「VR」体験コーナーも人気。どのような映像体験ができるのかは、ぜひ会場で確かめてほしい。車の現在と近未来を提案し「技術の日産」を改めて誇示した日産自動車ブース。今後も同社から目が離せそうにない!
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