全塗装された中古車にご注意! 気をつけるべき点は?

中古車市場が確立したのは、1950年代といわれていて、1970年代にはオークションによる取引が始まっている。メーター戻しや事故車・修復歴隠しがかなり横行していた時代は過ぎ去りつつあるが、まだ要注意な物件もある。そのうちのひとつが「全塗装」と記載されている中古車かもしれない。

文・塚田 勝弘

Chapter
相場よりも極端に安い、高い場合は疑うべき
全塗装と記載されている場合は、理由を聞いてみよう
全塗装と記載されていなくても全塗装の可能性もある

相場よりも極端に安い、高い場合は疑うべき

ボロ オールペン 2019

20年以上前の話になるが、筆者は中古車を扱う広告代理店にわずかな期間だが勤務していた。中古車の要注意物件では、たとえばメーター戻し(オドメーターの走行距離をごまかす)がある。

アナログメーターはメーター戻しがしやすく、デジタルメーターはやりにくいという事情もあるようだが、100%防ぐのはなかなか難しいようだ。

2004年に登録車、2009年に軽自動車が車検証に前回、前々回の走行距離を記すようになったものの、逆にいえば過去2回しか走行距離が記載されないともいえる。

車検を短期間で受け直すことでメーター戻しと車検証の記載の辻褄を合わせて、騙して高く売った業者もいて摘発されるケースもあった。2017年からは車検証に走行距離の最大値が記載されるようになっている。

メーター戻しにしても、事故車隠し・修復歴隠しにしても、相場よりも極端に高い(あるいは安い)場合は、疑ってかかるべきかもしれない。

全塗装と記載されている場合は、理由を聞いてみよう

塗装

相場よりも安い場合、スペックボードなどに全塗装って記載されている場合は、なぜ全塗装したのか理由を聞いてみるべきだろう。事故車、修復歴があると正直に教えてくれる販売店も多い。事故、修復歴ありでもその程度によってまだ現役で元気に走ってくれる物件もある。

あるいは、こだわりのカラーにオールペンした物件もあるだろう。ひと昔(ふた昔?)前なら流行したマジョーラカラーもあるし、最近は少し落ち着いてきている感もあるマットブラック塗装にした物件もあるかもしれない。あるいは、富裕層がオリジナルカラーに塗装した超高級車だってある。

全塗装と記載されていなくても全塗装の可能性もある

2019 ボンネット キズ

相場よりもかなり安くて、全塗装を「隠している」可能性がある場合は、ドアの内側、エンジンルーム内の塗装、フェンダーとドア、フェンダーとバンパー、テール(リヤ)ゲートとボディーの隙間(チリ)の塗装の仕上がりをじっくり確認すれば、素人でも全塗装(再塗装)した可能性に気がつくこともあるはず。

手を出さない方がいいのは、「事故車、修復歴隠し」の可能性がある物件、全塗装によるコストが乗せられた物件、錆(さび)隠しの物件などだろう。なお、新車(国産車)の場合は、ボディーの表面錆は3年、ボディー外板の穴あき錆は5年保証が一般的。

錆に関しては海に近いと潮風などで錆びやすいので、こうした地域で中古車を買う際は、錆のチェックも不可欠だ。

いずれにしても、全塗装、オールペンがすべて要注意とはいえないものの、極端に安い、あるいは高く感じる場合は慌てて飛びつかず、入念にチェックしたいものだ。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

自動車雑誌、モノ系雑誌の新車担当編集者を約10年務めた後に独立し、フリーランスライターとしても10年が経過。自動車雑誌、ライフスタイル雑誌、Web媒体などで新車試乗記事やカーナビ、カーエレクトロニクスなどの展開している。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ