マットブラック塗装完全ガイド|費用・手入れの方法から最新の保護技術まで

ランボルギーニ アヴェンタドール

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マットブラック塗装のスーパーカーは、異彩を放つ存在感を演出する。 一目で「特別な車」と分かる独特の艶消しボディは、近年カスタム愛好家や高級車オーナーから高い支持を集めています。マットな黒はボディの造形を彫刻のように浮かび上がらせ、見る者に洗練された印象を与えます。一方で、その美しさを保つには通常のグロス塗装とは違った手間と注意が必要です。本記事ではマットブラック塗装の魅力と思わぬリスクを最新情報と共に詳しく解説します。
Chapter
マットブラック塗装とは何か?流行の背景と特徴
艶消し塗装の定義と流行の背景
技術的な特徴:光を拡散させる表面構造
メーカーによる最新技術の動向
マットブラック塗装の魅力・メリット
圧倒的な存在感と希少性
ボディデザインを強調できる
高級感と個性の両立
軽微な汚れや小傷が目立ちにくい
マットブラック塗装のリスク・デメリット
通常のワックスやポリッシュが使えない
洗車は手洗い必須(自動洗車機はNG)
小傷の修復が困難で再塗装コスト高
紫外線や酸性雨による劣化リスク
車検・法的手続きの注意(色の変更届け)
中古車価値の低下(リセールリスク)
リスクへの対処法と2025年最新事情
ラッピングフィルムで手軽に艶消し化
専用コーティングでメンテナンス軽減
プロテクションフィルムで傷から防御
まとめ:マットブラック塗装と上手に付き合うために
分かりやすいまとめはこちら

マットブラック塗装とは何か?流行の背景と特徴

艶消し塗装の定義と流行の背景

マットブラック塗装とは、表面の光沢を抑えた「艶消し」の黒色塗装のことです。もともとアメリカのカスタムカルチャーでは60年以上前から人気のある手法で、近年ではランボルギーニ・アヴェンタドールマクラーレンSLRといったスーパーカーにも採用され話題となりました。

BMWが限定モデルのM3で純正採用した例もあり、マット塗装は高級車メーカーの特別仕様として徐々に一般化しつつあります。日本でも最近人気が高まり、東京オートサロン2024ではトヨタがランドクルーザー70をマットブラックにカスタムした「ブラッククルーザー70」を出展して注目を集めています。

技術的な特徴:光を拡散させる表面構造

マット塗装の技術的な特徴は、塗装表面に微細な凹凸をつけて光の反射を拡散させる点にあります。通常のクリア塗装のような光沢を出さず、しっとりと落ち着いた質感の表面を形成することで、独特の重厚感と無骨さを表現できます。

触れてみるとわずかにザラつきが感じられるのもマット塗装ならではの特徴です。このような艶消しブラックは、スポーツカーやSUVの迫力あるフォルムを際立たせ、「ステルス戦闘機」にも喩えられるクールな印象を与えるカラーリングとして人気が高まっています。

メーカーによる最新技術の動向

なお、メーカーによっては特殊なマット塗装技術を開発する動きもあります。たとえばトヨタは「クラウンクロスオーバー」などに採用した特別な艶消しカラー(特別設定色マットメタル<1M1>)で、独自の表面処理「TMコート」を試行錯誤の末に実現しています。このように2025年現在、マットブラックを含むマット塗装は特別な個性を演出する手段として自動車業界で一定のトレンドとなっています。

マットブラック塗装の魅力・メリット

マットブラック塗装が支持される理由には、見た目のインパクトだけでなく実用面も含めいくつかのメリットがあります。主な魅力をまとめると次のとおりです。

圧倒的な存在感と希少性

艶を消したマットブラックのボディはひと目で特別だと分かる迫力を持ちます。他の車と一線を画す落ち着いた質感で、高級車にも通じる大人の余裕と洗練された印象を演出できます。街中で見かける台数自体が少ないため希少性が高く、自然と特別感が生まれるのも魅力です。

ボディデザインを強調できる

光沢がないことでボディ面の陰影がはっきり現れ、造形美が際立ちます。光の反射が柔らかく拡散するため、同じ車種でもマット仕上げにするだけで重厚感が増し、引き締まった印象になります。例えばカーボンパーツやブラックアウトしたエンブレムなどとも相性が良く、細部のカスタムが映えるカラーと言えるでしょう。

高級感と個性の両立

マットブラックは派手さを抑えつつも明らかに他とは違う存在感があります。「派手ではないけれど確実に個性的」という控えめな主張ができるため、スポーティーさエレガントさを兼ね備えた演出が可能です。高級車メーカーが限定車で採用するケースが多いことからも、その上質なイメージは折り紙つきです。

軽微な汚れや小傷が目立ちにくい

意外に思われるかもしれませんが、マット塗装は表面のテカリがないぶん、日常使用で付く細かなホコリや浅い洗車傷(いわゆる拭き傷)が光沢塗装より目立ちにくい面もあります。ブラックの光沢ボディは埃や指紋がすぐ目についてしまいますが、マット仕上げなら微細な汚れは目立たず「多少汚れていても気になりにくい」という安心感が得られるとの声もあります。

マットブラック塗装のリスク・デメリット

しかし、マットブラック塗装には見た目の美しさと引き換えにいくつかのリスク(落とし穴)も存在します。艶消し塗装ならではの性質により、メンテナンスや耐久性の面で注意すべき点が多いのです。実際に所有すると直面しがちな主なデメリットを、具体例を交えながら解説します。

 汚れが付着したマット塗装は、美観を大きく損ねる。 マットブラックの表面は微細な凹凸構造ゆえに汚れや油分が定着しやすく、一度こびりつくと通常の方法では落とせなくなることもあります。「美しさを保つには日々の小まめなケアが欠かせない」──マットブラック塗装にはそんな現実があるのです。

では、具体的なリスク・注意点を順に見ていきましょう。

通常のワックスやポリッシュが使えない

マット塗装面は研磨剤やコーティング剤でうっかり磨くと光沢が出てしまい、元の艶消し質感には二度と戻りません。そのためワックスがけ厳禁で、市販のコンパウンドも使用不可です。汚れ落としにも専用の中性シャンプーやクリーナーが推奨され、ケミカル選びにも気を遣う必要があります。実際、「水垢を擦れば落とせるかも」と自己判断で磨いた結果、その部分だけテカってしまったという失敗談もありますので注意が必要です。

洗車は手洗い必須(自動洗車機はNG)

ブラシ式の洗車機に入れると、微細な擦り傷が付くだけでなく部分的に光沢が出てしまう恐れがあります。せっかくのマットな質感が台無しになるリスクが高いため、基本的に機械洗車は避けましょう。日常の洗車は泡たっぷりの手洗いが鉄則で、柔らかいマイクロファイバークロスを使い、優しく撫でるように洗う必要があります。洗車前には水で砂埃を十分流し、擦らないようにする細心の注意が求められます。

小傷の修復が困難で再塗装コスト高

通常の光沢塗装なら研磨や再クリア塗装で消せる小傷も、マット塗装では簡単には直せません。表面を磨いてしまうと艶消しが失われるため、深い傷や擦れは部分補修ではなくパネルごと再塗装が前提になります。再塗装には高額な費用がかかるうえ、色味や質感を既存部分と完全に合わせるのも難しい場合があります。結果として、ちょっとした傷でも修理代が大きく膨らむリスクがあります。

紫外線や酸性雨による劣化リスク

マット塗装は光沢塗装に比べ、経年劣化にやや弱い傾向があります。紫外線による色あせや酸性雨による塗面ダメージが発生しやすく、屋外駐車で放置すると劣化が早まる恐れがあります。特に青空駐車は非推奨で、可能なら屋根付き駐車場か屋内ガレージ保管が望ましいとされています。実際、直射日光や雨ざらしの環境で長期間保管すると艶消し特有のムラや変色が生じ、美観と塗装寿命が損なわれるケースも報告されています。

車検・法的手続きの注意(色の変更届け)

車を白やシルバーからマットブラックに塗り替えた場合、車検証に記載された色の変更手続きが必要です。日本の法律上、ボディカラーが登録情報と大きく異なる場合は「変更登録」運輸支局で行わなければなりません。

届け出自体は書類提出と車両確認で簡単に済みますが、怠ると次回車検で指摘されたり最悪違反とみなされる可能性があります。また、極端に派手な蛍光色や反射材の使用は道路交通法で禁止されているため(緊急車両に誤認されるカラーリングもNG)、カスタム時には法令範囲内で行うことが大切です。マットブラック自体は合法ですが、カラー変更時の届け出は忘れずに行いましょう。

中古車価値の低下(リセールリスク)

全塗装車全般に言えることですが、オリジナルとは異なる色に塗り替えた車は中古市場で評価が下がる傾向があります。特に艶消しの黒といったニッチな色は万人受けしにくく、買い手が限られるため査定額が減額される可能性があります。また「大きな傷や事故跡を隠すために全塗装したのでは?」と疑われるケースもあり、修復歴には該当しなくとも中古車販売時のマイナス要素になり得ます。希少車で元々マット色設定がある場合を除き、カスタム塗装にかけた費用がそのまま査定に反映されることはほとんどない点に留意が必要です。
以上のように、マットブラック塗装を維持するには相応の手間・覚悟が求められることがお分かりいただけたでしょうか。決して手軽とは言えない艶消し塗装ですが、それでも挑戦したい場合、次のような対策や選択肢があります。

リスクへの対処法と2025年最新事情

「それでもマットブラックにしたい!」という場合、近年は技術の進歩によりリスクを軽減する方法も増えてきました。ここでは艶消し塗装の維持を助ける最新サービスや、塗装以外でマットブラックを実現する選択肢をご紹介します。

ラッピングフィルムで手軽に艶消し化

塗装ではなくカーフィルム(カーラッピング)を貼ってボディカラーをマットブラックに変える方法です。近年人気が高まっており、フィルム施工なら後で剥がして元の塗装に戻せるためリセールバリューが落ちる心配がほぼありません。また新車時からマット系のラッピングをしておけば、ボディの塗装面を保護する効果もあり、洗車傷や酸性雨からオリジナル塗装を守ってくれます。フィルム自体にも3~5年程度の耐久性があり、傷んだら張り替えることも可能です。

ただし見た目の質感は塗料によるマット塗装と微妙に異なり、若干光沢が感じられる場合もあります(フィルムの種類によります)。それでも施工時間が短く費用も塗装より安価(おおよそ10万~50万円程度)である点は大きなメリットです。法的にもラッピングは基本合法ですが、ボディ全体を黒フィルムで覆って色が変わる場合は前述のとおり届け出が必要になるので注意しましょう。

専用コーティングでメンテナンス軽減

近年登場したマット塗装専用のガラスコーティングも有効な対策です。通常のコーティング剤をマット車に施工すると艶が出てしまいますが、専用コーティングなら質感を変えずに塗装を保護できます。最大の利点は耐久性アップとお手入れの容易さで、施工により汚れや傷が付きにくくなり日々のメンテナンス負荷が大幅に軽減されます。

例えばある専門店のメニューでは、5年間耐久のマット専用コーティングが小型車新車で8万円台~(使用中の車だと10万円台~)提供されています。決して安価ではありませんが、塗装し直すよりは経済的で精神的にも安心できるでしょう。ただし業者や製品選びを誤ると施工ムラで艶が出てしまう恐れもあるため、信頼できるプロに依頼することが重要です。

プロテクションフィルムで傷から防御

さらに確実に塗装を守りたい場合、ペイントプロテクションフィルム(PPF)の活用がおすすめです。特に注目なのがマットタイプのPPFで、これは透明な保護フィルムにマットな質感を持たせたものです。このフィルムをボディ全体に貼れば、新車のグロス塗装車でも艶消しの見た目に一変させつつ、下の塗装を傷や汚れから保護できます。

既にマット塗装の車に貼ることも可能で、仮に引っかき傷が付いても塗装まで達しなければフィルムの貼り替えだけで修復できます。つまり「見た目の変化」と「リスク対策」を両立できる画期的な方法なのです。施工費用は車種や範囲によって数十万円以上と高額ですが、ハイエンド車を長く美しく乗りたいオーナーには検討する価値があるでしょう。
以上のような最新サービスを活用すれば、マットブラック塗装の弱点をある程度カバーできます。また日常の対策としては、雨上がりの翌日や長距離走行後に早めに洗車する習慣をつける、屋外駐車時はボディカバーを併用するなどの工夫も有効です。ポイントは「汚れを放置しない」「擦らない」「紫外線から守る」こと。これらを徹底すれば、マットブラックの美観をできるだけ長持ちさせることができます。

まとめ:マットブラック塗装と上手に付き合うために

マットブラック塗装は、愛車に圧倒的な個性と高級感を与えてくれる魅力的なカスタムです。ただし、その美しさを維持するには、手間とコストがかかる覚悟が求められます。専用コーティングやフィルムなどの最新技術を賢く利用し、その特別な存在感を長く楽しんでみてはいかがでしょうか。

分かりやすいまとめはこちら

マットブラック塗装 メリット・デメリット一覧

マットブラック塗装 メリット・デメリット

メリット(4項目)

  • 圧倒的な存在感
    希少性が高く特別感のある外観
  • ボディデザインを強調
    陰影がはっきりし造形美が際立つ
  • 高級感と個性の両立
    スポーティーさとエレガントさを演出
  • 小傷が目立ちにくい
    細かなホコリや浅い傷が目立たない

デメリット(6項目)

  • ワックス・ポリッシュ使用不可 重要
    専用シャンプーが必要、磨くと光沢が出る
  • 手洗い必須 重要
    自動洗車機NG、泡たっぷりの手洗いのみ
  • 修復困難・高コスト 重要
    深い傷はパネル再塗装が必要
  • 紫外線劣化リスク 注意
    屋外駐車で劣化が早まる恐れ
  • 車検手続き必要 注意
    色変更の届け出が必要
  • リセール価値低下 軽微
    中古市場で評価が下がる傾向

💡 2025年最新対策・解決方法

ラッピングフィルム:10万~50万円、原色保護で洗車機使用可能

セラミックコーティング:8万~25万円、撥水性向上・汚れ防止

PPF(保護フィルム):30万~80万円、飛び石・傷から完全保護

専用ケア用品:3,000~12,000円、マット質感を維持しながら清潔に

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