ジムニーは単なるSUVではない!軽自動車のSUVながら、その枠には留まらない魅力がいっぱいな理由

スズキ ジムニー 2019

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デビューから1年が経過しましたが、相変わらず高い人気を維持しているジムニー。普通車枠のジムニーシエラも好調ですが、日本ではやはり税制面で有利なジムニーに注目が集まっています。そんなジムニーには、買ったユーザーからは「軽自動車らしくないところがいい」という評価が集まっています。果たして、その要因とはなんなのでしょうか?


文・山崎 友貴

山崎 友貴|やまざき ともたか

四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。

山崎 友貴
Chapter
軽自動車枠をいっぱいに使ったボディデザイン
車格の上の車と比べても劣ったところがない
ジムニーというオリジナリティが最大の魅力

軽自動車枠をいっぱいに使ったボディデザイン

生産能力を増強したものの、相変わらず「納車期間が長い」と言われているジムニー。地域によっては、現在注文しても年をまたぐ所もあるようです。全軽自協の調べによれば、2019上半期期のジムニーの販売台数は16589台。順位は13位ですが、他の車種がトールワゴンばかりであることを考えれば、ライバル車がいないとは言えども驚くべき実績です。

 

ジムニーの評価の中において、よく「軽自動車らしくない」という声を聞きます。その評価の要因になっているのが、堂々たる体躯のボディです。堂々と言っても、もちろん規格で定められた軽自動車サイズです。普通車枠のジムニーシエラは、ジムニーのボディをベースに長いホーシングとワイドフェンダーを装着し、若干のサイズアップを図っています。つまり、ボディはジムニーもシエラも基本は同じです。

 

20年間販売された先代のJB23/43型は、デビュー当時の世相もあって、丸みを帯びたSUV調のデザインが採用されました。逆に現行型のJB64/74型は、ジムニーの原点に立ち返り、2代目(SJ30/40JA71/51/11/12/22JB31/32型)のようなスクエアなフォルムに戻っています。この軽自動車枠をいっぱいに使った大きなボディは、一見すると軽自動車には見えないことが、ユーザーには好評のようです。

またメルセデスベンツ・Gクラスを彷彿させるフォルムや、デザイナーが考え抜いた衣装が功を奏して、使っている部品は他の軽自動車とそれほど変わらずとも、カテゴリー以上に見えるのもジムニーの美点です。

 

ちなみに、昨今では多くのアフターパーツメーカーから現行型ジムニー用パーツが発売されていますが、これらを装着すると、さらに軽自動車らしからぬエクステリアになるのも、ジムニーの魅力のひとつと言えるでしょう。

車格の上の車と比べても劣ったところがない

インテリアに関しては、賛否あるようです。個々のパーツはアルトなどと共用がありますが、2代目のレトロな感じを再現したデザインは、非常にうまくまとまっています。質感は軽自動車のレベルを脱していませんが、先代に比べると格段の進歩と言えます。

スペースユーティリティは、ボディの見た目の大きさとは比例しているとは言えません。1/3はエンジン・補機類のスペースですので、それも致し方ありません。後席は非常に狭く、ワゴンRなどのトールワゴンの居住性を想像していると、痛い目を見ることになります。しかし、2人乗りと割り切ってしまえば話は別です。

 

後席を倒して荷室にすれば、箱形形状ゆえに高い積載性を発揮します。また、運転席・助手席まで倒せば、全席フルフラットの就寝スペースになるのも、ジムニーの強みのひとつです。マットと寝袋を使えば、ミニバンに劣らぬ快適な眠りを得ることができます。

 

スペースユーティリティは、ボディの見た目の大きさとは比例しているとは言えません。1/3はエンジン・補機類のスペースですので、それも致し方ありません。後席は非常に狭く、ワゴンRなどのトールワゴンの居住性を想像していると、痛い目を見ることになります。しかし、2人乗りと割り切ってしまえば話は別です。

 

ジムニーというオリジナリティが最大の魅力

他の車が真似しようと思っても、絶対に真似できないのが、その悪路走破性です。軽量(オフロード4WDの中では)かつコンパクトなジムニーは、ランドクルーザーやGクラス、JEEPラングラーが模倣できないクロスカントリー走行を見せてくれます。

わずか660ccしかない排気量でも、それを十二分に活かすサブトランスファーによって、強力な力を発揮します。数年前に軽井沢で大雪による大規模な交通傷害が発生しましたが、先代ジムニーが自分の何倍もある10tトラックを軽々と牽引する動画が話題となりました。一般のユーザーで4WD-Lowというギア比を使う人はあまりいないと思いますが、それが付いていることに魅力を感じているユーザーは少なくないようです。

こうした性能を裏打ちするラダーフレーム構造やリジッドアクスル式サスペンションは、高いオフロード性能の実現のみならず、長い耐用年数を発揮します。ジムニーのリセールバリューが他の軽自動車よりもいいのは、このためです。

世界の自動車を見渡しても、ジムニーのような車は唯一無比。実はこの、比較しようのないオリジナリティこそが、ジムニーを軽自動車と感じさせない要因になっています。1970年に初代が登場した時、ジムニーは決して評価の高い車ではありませんでした。しかし半世紀の間、様々な技術で磨きをかけたことによって、ジムニーは小型四輪駆動車のカテゴリーを完全に確立しました。

現行型ジムニーは、スズキセーフティサポートやブレーキLSDトラクションコントロールなど、様々な電子デバイスを採用していますが、高い性能の基幹となっているのは50年間変えることのなかった伝統的な基本構造です。その構造に最新技術が融合することで、普通車や中型車クラスのSUVにも真似できないオン/オフ性能を実現しています。

世界のユーザーから「ジムニーに代わる車はジムニー」と言わしめるオリジナリティこそが、ジムニーを単なる軽自動車に留めておかない魅力になっていることは間違いありません。

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