20年間お疲れ様ジムニー!新型はどんな姿になって登場する?
更新日:2024.09.09
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2018年2月いっぱいで受注を終了したスズキのSUV、ジムニーとジムニー シエラ。1998年の発売以来、20年間にわたって販売され続けてきた、超ロングセラーな名車です。次期モデルは今年の夏に発売される見込みですが、今回は従来型の魅力と新型の予想をお伝えしましょう。
文・山崎友貴
文・山崎友貴
たくさんの楽しみ方があるのが魅力のジムニー
2018年2月、20年間(シエラは18年間)という長い歴史に終止符を打ったのが、JB23型ジムニーとJB43型ジムニー シエラです。あのハイエースでさえも、現行型は14年。ジムニーのそれは、クラシックMINIの22年間に、ほぼ匹敵する長さだったのです。
デビューから2017年12月までの国内累計販売台数は、シリーズ全体で約33万台。輸出モデルを含めると、なんと約90万台に上ります。そして日本以外では、世界191か国に輸出された(2代目から累計)、名車中の名車でした。
そんなに長い間生産されてきたジムニーですが、外観上はデビュー当初とほぼ同じ。というのも、MINI同様にその外観も魅力のひとつだったのではないでしょうか。なにせラダーフレーム構造にリジッドアクスル式サスペンションの車。メインテナンスをしながら大切に乗れば、20年でもいけてしまいます。1998年式にずっとのり続けても、最終型とほぼ同じに見えるというのは、現代の車においては希有なことと言えます。
もちろん、20年間まるで変わらなかったわけではありません。内外装の小さな意匠変更はもちろんのこと、動力性能や安全性能など何度も改良を受け、ジムニーで1〜10型、シエラは2〜9型(シエラはJB33型ジムニーワイドが1型となるため)という、バリエーションが存在しているのです。そして、この型式ではどこが変わったのかなどという知識を付けるマニアックさも、ジムニーにはあったりします。
チューニングという楽しみ方も、ジムニーの魅力です。コンパクトで軽量なジムニーは、本格的なオフロード走行をするユーザーにも人気です。ロードクリアランスを稼ぐために、30-40cmほどリフトアップするのが、ジムニー定番のサスペンションチューン。
さらにターボラグの改善やパワー&トルクアップのための吸排気チューン、3アングルを向上させるための前後バンパー変更など、まるでミニ4駆感覚で愛車のモディファイを楽しむことができます。
デビューから2017年12月までの国内累計販売台数は、シリーズ全体で約33万台。輸出モデルを含めると、なんと約90万台に上ります。そして日本以外では、世界191か国に輸出された(2代目から累計)、名車中の名車でした。
そんなに長い間生産されてきたジムニーですが、外観上はデビュー当初とほぼ同じ。というのも、MINI同様にその外観も魅力のひとつだったのではないでしょうか。なにせラダーフレーム構造にリジッドアクスル式サスペンションの車。メインテナンスをしながら大切に乗れば、20年でもいけてしまいます。1998年式にずっとのり続けても、最終型とほぼ同じに見えるというのは、現代の車においては希有なことと言えます。
もちろん、20年間まるで変わらなかったわけではありません。内外装の小さな意匠変更はもちろんのこと、動力性能や安全性能など何度も改良を受け、ジムニーで1〜10型、シエラは2〜9型(シエラはJB33型ジムニーワイドが1型となるため)という、バリエーションが存在しているのです。そして、この型式ではどこが変わったのかなどという知識を付けるマニアックさも、ジムニーにはあったりします。
チューニングという楽しみ方も、ジムニーの魅力です。コンパクトで軽量なジムニーは、本格的なオフロード走行をするユーザーにも人気です。ロードクリアランスを稼ぐために、30-40cmほどリフトアップするのが、ジムニー定番のサスペンションチューン。
さらにターボラグの改善やパワー&トルクアップのための吸排気チューン、3アングルを向上させるための前後バンパー変更など、まるでミニ4駆感覚で愛車のモディファイを楽しむことができます。
なによりも最大の魅力は、どんな車よりも自然に近いことです。昨今はハッチバックなどとシャシーを共用するSUVが増えてきましたが、ジムニーは伝統的にラダーフレーム&リジッドアクスル式サスペンション、そしてパートタイム4WDシステムを使った、本格的なオフロード4WD。ちょっとやそっとラフな走らせ方をしたところで、すぐに壊れることはありません。
またサイズがコンパクトなため、日本の林道のような非常に狭い場所でも、どんどん入っていくことができます。軽量なボディは、泥濘地や砂地で自重のせいで沈むこともありません。
ジムニーユーザーのみならず、オフロード4WD&SUVファンの間で「ジムニー最強」説がささやかれるのももっともなこと。この悪路走破性ゆえに、自然の懐奥深くまで入っていけます。
JB23型は中古車が豊富なのも魅力のひとつです。中古車市場での車両価格の相場は15万円から150万円。年式を問わなければ、50万円以下で購入できる車両が少なくなくありません。しっかりとメインテナンスをすれば、まだまだ元気に走り続けてくれることでしょう。
では、気になる次期モデルはどんな中身となるのでしょうか?
またサイズがコンパクトなため、日本の林道のような非常に狭い場所でも、どんどん入っていくことができます。軽量なボディは、泥濘地や砂地で自重のせいで沈むこともありません。
ジムニーユーザーのみならず、オフロード4WD&SUVファンの間で「ジムニー最強」説がささやかれるのももっともなこと。この悪路走破性ゆえに、自然の懐奥深くまで入っていけます。
JB23型は中古車が豊富なのも魅力のひとつです。中古車市場での車両価格の相場は15万円から150万円。年式を問わなければ、50万円以下で購入できる車両が少なくなくありません。しっかりとメインテナンスをすれば、まだまだ元気に走り続けてくれることでしょう。
では、気になる次期モデルはどんな中身となるのでしょうか?
気になる次期ジムニーの中身とは?
すでに多くのメディアで紹介されているのが、次期モデルです。まるでGクラスをコンパクトにしたようなデザインで登場することは、まず間違いないようです。
聞くところによると、スズキの開発者たちは数年前からユーザーやジムニーのカスタム業界などにリサーチをかけ、どんなジムニーが21世紀にふさわしいのかをリサーチしてきたようです。そこでは「2代目ジムニー」「ランドローバー ディフェンダー」「Gクラス」といった、昔ながらのオフロード4WDにような車がいいとの答えが多かったといわれます。
こういった噂から、当初からジムニー好事家の間では「スクエアな車になるのではないか」という噂が立っていました。そして、スクープされている次期ジムニーは、案の定、現代のSUVには珍しい真四角なボディを採用しているようです。
このスクエアなボディには、いくつかの理由があると思われます。まず、並み居るライバルSUVたちとの差別化です。流麗なボディデザインが多いSUVのなかで、埋もれてしまわないためには強烈な個性が必要です。
ライバルであるパジェロミニが、丸みを帯びたスタイルで登場すると見られているので、それとは真反対のベクトルのジムニーは、ひと目でわかる存在感を発揮するはずです。
次に、オフロード性能を特化させたということです。そもそもオフロード4WDにスクエアなボディ形状が多いのは、車体の四隅が感覚的に掴みやすく、障害物を避けやすいからです。現行型が悪いわけではありませんが、丸みを帯びていると、どうしても車両のサイズ感や見切りが悪くなってしまいます。
かのランドクルーザーも、前方の見切りをよくするために、ボンネットの一部を凹ませたり苦労をしています。つまり次期ジムニーは、オフロード性能を優先させるということを、デザインで明確にしているわけです。
このことは、サスペンションの形式からもわかります。ジムニーのテスト風景といわれる動画が公開されていました。それを見る限りでは、前後とも3リンク式リジッドアクスル式+コイルスプリングのサスペンションを使っています。
これはJB23型/43型からの踏襲です。前後でリジッドアクスル式サスペンションを使っているのは、国産車ではもはやジムニーだけですが、これは悪路を走ったときの耐衝撃性や耐久性などを考慮したゆえです。
さらにジムニーと言えば、サブトランスファー付きのパートタイム式4WDを採用した数少ない車です。これも間違いなく、次期モデルに踏襲されるでしょう。パートタイム式のメリットは「2WDにして燃費を向上できる」「駆動系トラブルがあった時に2WDで走れる」「悪路で強力な駆動力が得られる」などなどです。
昨今は駆動力を4輪間で可変させるトルクスプリット・フルタイム4WDがSUVに搭載され、ある程度の悪路走破性を確保することが多いのですが、質実剛健を標榜するジムニーは伝統を踏襲するはずです。
聞くところによると、スズキの開発者たちは数年前からユーザーやジムニーのカスタム業界などにリサーチをかけ、どんなジムニーが21世紀にふさわしいのかをリサーチしてきたようです。そこでは「2代目ジムニー」「ランドローバー ディフェンダー」「Gクラス」といった、昔ながらのオフロード4WDにような車がいいとの答えが多かったといわれます。
こういった噂から、当初からジムニー好事家の間では「スクエアな車になるのではないか」という噂が立っていました。そして、スクープされている次期ジムニーは、案の定、現代のSUVには珍しい真四角なボディを採用しているようです。
このスクエアなボディには、いくつかの理由があると思われます。まず、並み居るライバルSUVたちとの差別化です。流麗なボディデザインが多いSUVのなかで、埋もれてしまわないためには強烈な個性が必要です。
ライバルであるパジェロミニが、丸みを帯びたスタイルで登場すると見られているので、それとは真反対のベクトルのジムニーは、ひと目でわかる存在感を発揮するはずです。
次に、オフロード性能を特化させたということです。そもそもオフロード4WDにスクエアなボディ形状が多いのは、車体の四隅が感覚的に掴みやすく、障害物を避けやすいからです。現行型が悪いわけではありませんが、丸みを帯びていると、どうしても車両のサイズ感や見切りが悪くなってしまいます。
かのランドクルーザーも、前方の見切りをよくするために、ボンネットの一部を凹ませたり苦労をしています。つまり次期ジムニーは、オフロード性能を優先させるということを、デザインで明確にしているわけです。
このことは、サスペンションの形式からもわかります。ジムニーのテスト風景といわれる動画が公開されていました。それを見る限りでは、前後とも3リンク式リジッドアクスル式+コイルスプリングのサスペンションを使っています。
これはJB23型/43型からの踏襲です。前後でリジッドアクスル式サスペンションを使っているのは、国産車ではもはやジムニーだけですが、これは悪路を走ったときの耐衝撃性や耐久性などを考慮したゆえです。
さらにジムニーと言えば、サブトランスファー付きのパートタイム式4WDを採用した数少ない車です。これも間違いなく、次期モデルに踏襲されるでしょう。パートタイム式のメリットは「2WDにして燃費を向上できる」「駆動系トラブルがあった時に2WDで走れる」「悪路で強力な駆動力が得られる」などなどです。
昨今は駆動力を4輪間で可変させるトルクスプリット・フルタイム4WDがSUVに搭載され、ある程度の悪路走破性を確保することが多いのですが、質実剛健を標榜するジムニーは伝統を踏襲するはずです。
ただ、次期モデルから搭載されるという予想される新機構として、電子デバイスがあります。現行モデルが”生産中止”となった要因は、2018年2月以降に国産全車に義務づけられた「横滑り防止装置(ESC)」にあると言われています。
そのESCは、トランクションコントロールとセットで採用されることが一般的になっており、次期ジムニーにはヒルディセントコントロールなどを含めた、オフロード向きのトラクションコントロールが標準化されている可能性が大です。もし、そうであれば、ジムニーの悪路走破性はさらなるレベルになることは自明の理です。
搭載されるエンジンは、ジムニーに3気筒インタークラーターボのR06A型で間違いなさそうです。
一方シエラは、従来の1.3L 直4NAエンジンがパワーやトルク、そしてフィーリングの面で物足りないという意見が大半を占めていました。現在、スズキには小型車用エンジンとして、1.0L、1.2L、1.4L 直噴ターボエンジンがあります。
ドライブフィール改善にこれらを載せている可能性がありますが、オフロード走行で欲しい低速トルクのことを考えれば、引き続きNAエンジンを使っている可能性も否めません。動画の排気音を聞いた限りではNAのように思えるので、私見としてはK12C型1.2L 直4DOHあたりが妥当かなと思っています。
次期型の正体はまだまだベールのなかですが、すでに「あのスタイルなら欲しい!」という巷の声も多いようで、ハスラーやクロスビーに並ぶ人気SUVになることは間違いなさそうです。今年の夏が待ち遠しくてなりません。
そのESCは、トランクションコントロールとセットで採用されることが一般的になっており、次期ジムニーにはヒルディセントコントロールなどを含めた、オフロード向きのトラクションコントロールが標準化されている可能性が大です。もし、そうであれば、ジムニーの悪路走破性はさらなるレベルになることは自明の理です。
搭載されるエンジンは、ジムニーに3気筒インタークラーターボのR06A型で間違いなさそうです。
一方シエラは、従来の1.3L 直4NAエンジンがパワーやトルク、そしてフィーリングの面で物足りないという意見が大半を占めていました。現在、スズキには小型車用エンジンとして、1.0L、1.2L、1.4L 直噴ターボエンジンがあります。
ドライブフィール改善にこれらを載せている可能性がありますが、オフロード走行で欲しい低速トルクのことを考えれば、引き続きNAエンジンを使っている可能性も否めません。動画の排気音を聞いた限りではNAのように思えるので、私見としてはK12C型1.2L 直4DOHあたりが妥当かなと思っています。
次期型の正体はまだまだベールのなかですが、すでに「あのスタイルなら欲しい!」という巷の声も多いようで、ハスラーやクロスビーに並ぶ人気SUVになることは間違いなさそうです。今年の夏が待ち遠しくてなりません。
山崎友貴|Yamazaki Tomotaka
四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。