信号機のない横断歩道での対人事故。やはりクルマは100%の過失になるのか?

横断歩道

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JAFが2017年8月15日から9月14日にかけて実施した調査によると、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止する車は、全体の8.5%に留まることがわかりました。90%以上もの運転者が横断者を軽視しており、人身事故の危険性が高いのですが、もし衝突すれば車の過失はやはり100%なのでしょうか?
Chapter
横断歩道での歩行者優先の根拠は?
信号機のない横断歩道上での人身事故の過失は?
信号のない横断歩道での人身事故の過失はすべて車100%?

横断歩道での歩行者優先の根拠は?

信号機のない横断歩道は、街中に限らずよく見かけます。2017年にJAFが実施した調査では、信号が設置されていない横断歩道を全国各都道府県から2箇所ずつ選び、通過する車両を対象に、歩行者が渡ろうとしているときの一時停止する車の割合を調べています。

その結果、歩行者が渡ろうとしているときに一時停止する車の割合は全体に8.5%にしかならないということがわかりました。

一時停止をしない理由はさまざまにありますが、動いている自動車からしてみれば、歩行者のためにわざわざ止まるのは無駄で、通過後に渡れば良いと考えるドライバーも多いようです。

とくに歩行者が1人など少数の場合には、車はなかなか止まってくれません。横断者が挙手し横断の意思を示し、数台通過してからようやく停止してくれる車が現れるかどうかです。

道路交通法第38条では「横断歩行者の保護のための通行方法」が規定されており、”横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。”と記されています。

横断歩道付近の歩行者全員が横断するとは限りませんが、少なくとも横断する意思を示す歩行者がいれば、車は一時停止しなければならないのです。

警察が付近にいれば「横断歩行者等妨害等」に該当し、違反点数2((酒気帯び時0.25未満で14、0.25以上で25)と反則金9,000円の刑事罰となります。

では、もし信号機のない横断歩道上で、人身事故が発生した場合、過失はどのような割合になるのでしょうか?

信号機のない横断歩道上での人身事故の過失は?

もしも信号機のない横断歩道を横断している歩行者と車が接触してしまった場合、過失割合はどうなるのでしょう。複数の弁護士と保険会社の事例を見てみると、車:歩行者=100:0となっています。

日本の道路交通法は、”優者危険負担の原則”のうえに成り立っており、優者は4輪車、単車、自転車、歩行者の順となります。

歩行者が横断歩道を渡って道路を横断することは、道路交通法第12条に定められており、この場合、歩行者に非がありません。車側には同法第38条違反なので有責となり、優者危険負担の原則も考慮され、過失負担100%となるのです。

信号のない横断歩道での人身事故の過失はすべて車100%?

歩行者すべてが道路交通法を守って、横断歩道を歩行しているわけではありません。なかには横断歩道付近や、信号停止している車の合間を縫って横断しようとする不届き者もいます。また、横断歩道であっても急に飛び出してくる歩行者もいます。

そういった横断方法は、道路交通法第12条に抵触し、歩行者の過失負担が10~30%程度認定されます。明らかに歩行者が有責と思われるような飛び出しなどでも最大30%の過失割合なのは、優者危険負担の原則に則っているからです。

自動車は道路交通では、最強の存在。死をもたらす凶器でもあります。車よりも交通弱者が接近してきたら、邪魔などと思わず徐行などをして交通の安全確保を図りましょう。

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