FF、FR、4WD…それぞれドリフトはどう違う?

ドリフト

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ドリフト…スポーツ走行好きなら、誰しも1度は憧れるでしょう。近年は、D1グランプリに加え、映画や漫画の影響で、ドリフトを楽しみに来日する外国人観光客がいるほど人気は高いのです。そんなドリフトとは、車を意図的に滑らせコントロールするテクニックですが、駆動方式によってどのような違いがあるのでしょうか。
Chapter
ドリフトとは?
駆動方式によってドリフトに違いは発生するのか?

ドリフトとは?

ドリフトは元来、ダートや雪道などの不整路で車両をコントロールするために用いられていたテクニックです。1960年頃には、サーキットレースに応用され、コーナリングを素早く走行するテクニックへと変わりました。

その後、タイヤが進化したことにより、レースではドリフト走行が廃れ、現在では、ドリフトは見せるためのテクニック、独立したモータースポーツとなり、D1グランプリが開催されるなど人気を集めています。

ドリフトの基本的な方法は、車両の旋回中サイドブレーキを操作して後輪にブレーキを掛けるか、エンジンパワーを多く伝達するなどして、後輪を滑らせます。

後輪が滑ることにより車体後半部が流れ、前輪を中心に弧を描くような軌跡を辿ります。そこでステアリングやアクセルを操作して、横滑り状態に移行し、この状態を維持することで、通常のステアリング操作による車両姿勢制御よりもコーナリングを素早く駆け抜けることができます。

では車両の駆動方式により、ドリフトに違いは発生するのでしょうか?ドリフトを行いやすい車両の条件とは?

駆動方式によってドリフトに違いは発生するのか?

FR車の場合

先述したドリフトの基本的な方法から、ドリフトは後輪が駆動し、車体後半が軽量、そしてハイパワーエンジンを搭載していると実践しやすいことがわかります。コーナーでのテールスライドから横スライドに移行する美しいドリフトは、FR車ならではと言えるでしょう。

FR車は駆動輪と操舵輪がわかれていること、車両中央から後半部にかけてエンジンなどの重量物がないことから、ドリフトカーとして一番お薦めします。

サイドブレーキで後輪のみにブレーキを掛けて滑らせるには、サイドブレーキを使うか、シフトダウン後のクラッチをつなぐタイミング、またはフェイントモーションによるきっかけを使います。

後輪にエンジン出力をかけドリフトする場合、いかに後輪のグリップ力を低下させるかが肝要です。そもそも大パワーエンジンを搭載していれば良いのですが、200ps程度でもシフトダウンするなどの工夫で、大トルクを後輪に伝達できます。

このとき、車両の一番の重量物であるエンジンが、ドライバーの後ろにあるミドシップやRRは、エンジン重量によってリアのコントロールがシビアになります。つまり、フロントエンジン車のほうがドリフトに向いた素性を持っているのです。

FF車の場合

FFはフロントエンジン・フロントドライブを省略した言葉です。車体前方にエンジンを搭載し、前輪が駆動輪であると同時に操舵輪でもあります。

ドリフトを行うには厳しい条件です。コーナーでテールスライドを起こすことはできますが、強めにフェイントを入れないと急激な荷重変化が発生せず、後輪を滑らせることができません。さらにその状態から横スライドに移行することが困難です。

アクセルを開けば前輪が駆動し、すぐに横スライドから回復し前輪の進行方向へと車両姿勢が修正されるためです。

FF車でのドリフトはFドリと呼ばれますが、内容はターンインと変わらないようでコーナーでの急激な車両の姿勢変化をうながすテクニックです。FR車でのドリフトとは別物と言えます。

4WD車の場合

4WD車は4輪すべてが駆動するため、各車輪のグリップ力が高く、舗装路でのドリフトは相当に困難です。

一般に4WD車でドリフトが出来そうなのは、FRベースのフルタイム4WD車です。後輪を中心にトルク配分を行い、前輪に配分されるトルクはおおよそ50%まで。リアにより多くのトルクが配分されることで、FR車に似たドリフトが出来る場合があります。

ただしこのタイプは、ほぼ100%がスーパーなスポーツ性能を持つ車種です。日産 GT-R、スバル WRX STI、昔の三菱 ランサーエボリューションなどです。

大パワーをあますところなく路面に伝達するために4WDを採用しているので、トラクション性能も高性能。乾いた舗装路で車体を滑らせるためには、タイヤの限界域を使うことできるテクニックが必要になります。

雪道やラリーでなら低速でも滑らせることができるでしょう。しかし、大パワーのコントロールという課題も残ります。

これからドリフトに調整してみたいというのであれば、軽量FR車がおすすめです。

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