高速道路のトンネル内にある巨大扇風機、風力は台風クラス!?

高速道路のトンネルに巨大扇風機!その役割は?

高速道路 トンネル

高速道路は、野を超え、山を越え、海の下を潜り…とどんどんネットワークを広げています。そんな高速道路網にとって欠かせないのが、トンネルです。

トンネルは長短さまざまですが、km単位の長いトンネルになると、トンネル内の屋根に円筒状の巨大な扇風機のような機器をご覧になったことがある方も多いことでしょう。この扇風機の名称をジェットファンと言います。

ジェットファンの役割はおもに3点。1点目は外部から新鮮な空気を取り入れ、車両の排出ガスを外部に押し流すこと。2点目は外部から取り入れた新鮮な空気を流して、二酸化炭素などの濃度を低下させることです。

自動車の排気ガスに含まれる有害物質は、トンネルという空気の流れの少ないほぼ密閉空間で蓄積すると、濃度が増し、健康被害の恐れも出てきます。そこでジェットファンを用いて空気を流し、有害物質の濃度を高めないようにするのです。

3点目は視界の確保です。先述の有害物質が蓄積し濃度が高くなると、健康被害の他に視界の低下をもたらし、落下物・前方の道路状況などの確認ができず、重大事故にもつながりかねません。

他にもトンネル内火災時に、黒煙をトンネル外に速やかに流すなどの役割もあります。

ジェットファンの設置方法

ジェットファンの設置は1カ所に2点、並列に並べて設置します。この1組を数百メートルごとに設置するのですが、その間隔は道路の勾配など諸条件が関係します。

トンネル内でアクセルを踏み込む必要がある箇所ほど、有害物質が発生しやすく、そのような箇所は間隔を狭く設置します。

反対にアクセルを踏み込まなくてもよい箇所などでは、設置間隔を広く設置しています。空気を流す方向は、車両の進行方向と同じです。

ジェットファンのスペック

日本で初めてジェットファンを製品化した会社が、三井三池製作所です。同社の製品は、日本のほとんどのトンネルで使用されています。そこで同社のジェットファン「高風速型JF-600X」のスペックをご紹介します。

サイズ:口径600mm x 全長3,000mm x 外径800mm
平均風速:35m/秒以上
吐出風量:10.9立法メートル/秒以上

通常タイプの「JF-600」では、平均風速が30m/秒以上、吐出風量は9.3立法メートル/秒以上。口径が1,000mmを超える巨大サイズの製品であっても、平均風速は30~35m/秒以上と変わりありません。

ちなみに、風速30m/秒とは、どのようなものでしょうか?台風の被害でたとえると、雨戸や屋根が飛ばされ、建付けがしっかりとしていない家屋が倒壊、電信柱も倒されます。そして風速35m/秒になると、自動車や列車が横倒しになる程の威力です。

とはいえ、通常の場合は、走行する車両が生み出す送風効果もあって、ある程度の換気が確保されているので、それほどの風力は発生していません。反対に渋滞など車両のスピードが低下し、換気の効率も落ちた際に、ファンはたくさん仕事をするようになっています。

いずれにしても、台風並みの威力の風を発生させて、トンネル内の換気をしているとはちょっと驚きですね。

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