ランチア ストラトスは購入できる!? 伝説のランチアストラトスは何が凄かったのか?

ランチア ストラトス

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今回は、ランチア ストラストについてご紹介します。

ランチア ストラトス。スーパーカー世代の方や、WRCラリーなどお好きな方などにとっては、まさに伝説のマシンの1つかと思います。ランチアのラリー黄金期を支えた1台で、その希少性から現在では手に入れるのも難しいクルマです。そんなランチア ストラトスはどんなクルマなのでしょうか。
Chapter
WRCでの数々の伝説を残すランチア社とは?
ランチアストラトスとは
ランチア ストラトスの斬新なデザイン
ランチア ストラトスのスペック
ランチア ストラトスのエンジンはフェラーリ製
伝説のランチアストラトスは購入出来る?
ランチア ストラトスのレプリカという選択

WRCでの数々の伝説を残すランチア社とは?

ランチア社(Lancia Automobiles S.p.A )は、オリンピックで記憶にも残るイタリアのトリノを本拠地とする自動車メーカーの1つ。その歴史は意外にも長く1906年に設立され、1969年以降はフィアットグループの傘下になっている自動車メーカーです。

ランチアを語る上で外せないのは、やはりモータースポーツです。1950年代の一時期にはF1に参戦や、スポーツカーレースでの活躍があり、そのイメージを持つのはもちろんです。しかしランチアと言えば、なんといってもラリーであり、WRC(世界ラリー選手権)での活躍を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

フルヴィア HF、ベータ クーペ、ラリー 037、ランチア ストラトス、デルタ S4、デルタ HFインテグラーレ等といった数々の名車をラリー界へ輩出してきました。WRCでの活躍は快挙そのもので、史上最多の王座を獲得したのがランチア ストラトスです。ランチャはWRCのマニュファクチャラーズタイトルを6年連続、通算では10回も獲得しており、まさにWRCの一時代を築いたメーカーと言えます。

ランチアストラトスとは

ランチア ストラトスはWRCで勝利する事を目的に開発されたホロモゲーションマシンで、特定の目的のみに作られたモデルとして、パスビルトカーとも表現されます。その起源はランボルギーニ カウンタックなどのデザインを手がけた巨匠マルチェロ・ガンディーニがチーフデザイナーを勤めていたベルトーネ社が、1970年にデザイン・発表をしたコンセプトモデル「ストラトス・ゼロ」にあります。

コンセプトモデルの時点で、当時ラリーで有利されていたミドシップレイアウトを採用しており、ラリーで勝てるマシンを欲していたランチャは、このストラトス・ゼロのベルトーネからの売り込みをキッカケに、1973年にランチア ストラトスの量産試作車と言えるモデルを誕生させました。1974年から量産市販車として本格的に販売され、ラリーはもちろん、スポーツカーレースでも活躍しました。

ランチア ストラトスは、前述の通りWRCを勝つ目的で開発された異色のクルマで、当時のストラトスが狙っていたWRCのカテゴリーはグループ4に該当します。当時の規定により、WRCのマシーンとしてホモロゲーションを獲得するには400台以上の生産が不可欠でした。

世界的なコレクターの調査によれば、世界に残っているストラトスは400台未満とのこと。この希少性とWRCでの活躍もあり、今では「伝説のラリーカー」として、マニアから垂涎のコレクターズアイテムとなっています。

ランチア ストラトスの斬新なデザイン

ランチア ストラトスのデザインは、ほかのクルマと比べて独特で斬新なデザインです。極端に短いホイールベースに、円錐形状を思わせるフロントウィンドウなどが代表的なポイントです。

リア部分では、丸型のランプやルーフとテールのスポイラー、エアアウトレットルーバー、大型のマッドフラップが特徴的で、前後のカウルは大きく開く形になっており、ラリーで戦うことを考えて、整備性にも優れたデザインになっています。

ボディーにはセンターにモノコック、その前後にサブフレームを締結する手法を採用。これは、乗員スペースを十分に確保し、騒音にも配慮したためと言われています。そのほかにも、ヘルメットを置くスペースをドアポケットに設けるなど、疲労の激しいラリーでの乗員への配慮が各所に盛り込まれています。

インパネには、ラリーカーらしくずらりと並んだ7つのメーター。コックピットへの着座姿勢はストレートアームではなく、背中を起こし気味の姿勢となる設計になっており、ホイールベースを短くすることに繋がっています。このように、デザインにも勝つためのこだわりが詰め込まれているのです。

ランチア ストラトスのスペック

そんなWRCを勝つ為に開発をされたランチア ストラトスのスペックは以下の通りとなっています。

乗車定員:2名
エンジン:V6DOHC
排気量:2418cc
最高出力:190ps/7000rpm
最大トルク:23kgm/4000rpm
全長3710mm
全幅:1750mm(ストラダーレ仕様)1860mm(コンペティオーネ後期Gr.4仕様)
全高:1114mm
ホイールベース:2180mm
車両重量:980kg

こうして数字で見ると少し混乱しそうですが、特筆すべき点は1tを切る軽量な車体に組み合わされる「ショートホイールベース・ワイドトレッド」。2,180mmというホイールベースは現行の軽自動車よりも短く、スズキ アルトワークスで2,460mm、ホンダ S660でさえも2,285mmのホイールベースであることからも、ストラトスのホイールベースは極端な短さであることが伝わるかと思います。

そんな「ショートホイールベース・ワイドトレッド」が生み出す最大の恩恵は「回頭性」。ラリーマシンとしての資質を最優先させた結果のスペックと言えるでしょう。

しかし回頭性に特化している反面、直進安定性は非常に不安定なもので、WRCのプロドライバーが「直線でも気が抜けない」「全てのコースがコーナーであってくれれば良いと思ったくらい」とコメントを残すほどでした。こうした乗り手を選ぶ特性もファンを増やしていった要因と言えるでしょう。

ランチア ストラトスのエンジンはフェラーリ製

ランチア ストラトスに搭載されるエンジンは、フェラーリディーノ246GT/GTSやフィアット・ディーノに使用されたものと基本的に同一の2418ccのV6 DOHCエンジンです。

ストラトスではラリー用に中低速重視へセッティングを見直し、カムシャフトクランクシャフトシリンダーヘッドの部分は専用品に交換されました。 

レース仕様では更にチューニングが施され、ワークス仕様では290ps/8000rpmと、当時としてはかなりの出力を発揮するエンジンとなっていたと言われており、80年代でも通用するスペックであることが分かります。

伝説のランチアストラトスは購入出来る?

そんな伝説のランチア ストラトス、果たして購入は可能なのでしょうか?

総生産台数は492台と言われていて、そのうちの1/5は工場火災により焼失、登場から40年以上も経過する車であり、途中事故などで失われた事を考えると現存するクルマは極めて少ないのが伺えますが、現在でもわずかですが世界的には販売はされています。

しかし驚くべきはその値段。

「LANCIA STRATOS For Sale」と検索して頂ければ分かるかと思いますが、大体の相場はオークションで35,000~45,000ユーロ、USドルで約470,000ドルと言う非常に高価なもの…現在のレートで1ドル106円、1ユーロ122円換算で計算しても安くても4000万円以上、平均しても5000万円以上という値段的には新車のランボルギーニ アヴェンタドールも買えてしまう程に高騰。 

2020年に日本で行われたオークションでは7100万円で落札されました。

その価格からもその希少性と人気ぶりが伺えます。

ランチア ストラトスのレプリカという選択

そんな高価で非常に希少価値の高いランチア ストラトス。オリジナルで現存する車両も少ないため、ランチア社とは無関係のレプリカのキットカーなるものも多数存在し、中には保安部品を付けて公認を取得している車両も存在するようです。

これまでにランチア ストラトスのレプリカを製作している会社はC.A.E社、ホークカーズ、アタカ・エンジニアリング(AER)、リットンカーズ。そして、最近では英国リスターベル社がランチア ストラトスのレプリカ『the STR』を製作しており、2019年から日本国内での輸入販売が開始されています。 

レプリカのため、エンジンはオリジナルを踏襲するディーノのV6ユニットやアルファロメオ製のV6エンジンが基本となっています。レプリカでの購入の場合も、現在の取り扱いに関しては、各社に確認する必要がありそうです。また、中古車でレプリカを購入するという選択も可能です。

大手中古車情報サイトによると、2020年7月20日時点で、数は少ないものの、ランチア ストラトスのレプリカを見つけることができました。価格はほとんどが応談とされています。オリジナルのランチア ストラトスより高くなることはないと思いますが、それなりの価格になることは覚悟しておいた方が良さそうです。それでも、オリジナルよりレプリカの方が、比較的現実的に手に入れられると言えるでしょう

レプリカであっても、伝説のアリタリアカラーなどのカラーリングで走れば目立つ事間違いなしですね。

ランチア ストラトスは、極端に短く設定されたホイールベースや、1tを切るほど軽量化されたボディー、斬新なデザイン性などのすべてが勝つために計算しつくされていることが伺えます。勝利にこだわったラリーありきのコンセプト、そして功績も残している点から熱狂的なファンも多く、まさに伝説と呼ぶにふさわしい1台と言えるのではないでしょうか。

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